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私たちの街にある緑

* 自然や動物、環境保全などに関する海外メディアの中で、個人的に気になった記事や番組を紹介し、そのことから思い浮かんだこと、思い出したことなどを綴る *


今回は「アジアの都市の緑」について。 
ドイツ国営の国際放送局「DW (Deutsche Welle)」のニュースサイトから、2024年11月1日の記事「How green are Asia's cities?」の内容を一部引用しつつ、心に浮かんだあれこれを記す。


「How green are Asia's cities ?」
 ーアジアの都市の緑の豊かさは?ー
記者:Emmy Sasipornkarn、Rodrigo Menegat Schuinski

都市の緑地は、気温の緩和だけでなく、人々のストレス軽減や幸福感の向上など、健康や福祉においても重要な役割を果たすと言われている。アジアの40以上の主要都市における緑化状況を分析した当記事では、グラフや航空写真などを使い詳しい解説がされていた。

都市の住みやすさに大きく影響を与える緑地や木陰の重要性は、気候変動による熱波の増加を受け、ますます高まっている。ヨーロッパや北米の都市と比べ、アジアの都市では全体的に緑地が少なく、さらに地域差が大きいのが特徴である。たとえば、スリランカのコロンボやミャンマーのヤンゴンでは多くの人々が緑豊かな環境で暮らしている一方、パキスタンのカラチやインドのニューデリーでは、緑地が不足する地域に住む人が多い。バングラデシュの首都ダッカでは、約2400万人のうち4分の1がほとんど木々のない場所で生活している。

「DW (Deutsche Welle)」

他にも、アジアの都市の中で都市緑化が進んでいるシンガポールの取り組みが紹介されていた。各都市の樹冠被覆率別の人口分布図やヨーロッパの都市と比較したグラフなど、文章を読まずに見ているだけでも興味深い内容だった。


個人的な関心と暇つぶしを兼ね、今まで住んだことのある日本の都市とヨーロッパの都市の緑地の大きさを Googleマップの航空写真で比べてみた時のことを思い出した。予想を超える緑の量の差に、一瞬、地図の等倍を間違えたのかと思った。

10年ほど前、少し勤めた東京の職場の9階には社員食堂があり、何度か行ったことがある。23区内ではあったが、周囲は住宅地で高い建物があまりなかったため、晴れた日には富士山がよく見えた。ひとりの時は窓に面した席に座り、隣にいる違う部署の人の会話をこっそり聞いたりしていたが、ある時、窓の外の手すりにスズメがとまっては、キョロキョロし、その後どこかへ飛んでいくということに気がついた。しばらく眺めていると、どうやら公園や学校などの比較的まとまった緑地を探し、その方向へ飛び立っているように見えた。

その時から私も、高い所では街の中の緑地を探してしまうおかしな癖がついた。一度、東京大田区にある平和の森公園に行く機会があり、たしかJR品川駅で乗車し、平和島で降りた。地上3階くらいの高さを走る電車の窓からは緑らしきものが見当たらず、キョロキョロと何だか焦ったことを覚えている。

DWの当記事によると、「世界で一番人口の多い都市、東京では、約40%の人々がほとんど樹木のない地域で暮らしている」そうだ。

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