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【伝わる!がんTRの書き方】

こんにちは、薬剤師よっちゃんです!

APACC/BPACCの合格発表も終わり、いよいよ次の試験に向けて動き始める人もいるのではないでしょうか?

しかし、薬局薬剤師の中で当たる壁、それは

「提案が採択されない…」

ということです。ずばりこれを解決するのが「伝わる書き方」だと考えています。

今回は、症例を作るための書き方として重要なポイントを簡潔に解説していきたいと思います。


提案を受け入れてもらう4つのポイント

正直、がんTRは今から伝える4つのポイントを抑えておけば、こちらの意図を伝えることが出来ます。

その4つは以下の通りです。

  1.  レジメンとコース数

  2.  副作用のGrade評価と発現時期

  3.  治療や日常生活の不安や負担

  4.  具体的な提案

1つ1つ例を出しながら解説していきます。

レジメンとコース数で何を伝える?

医療機関にわざわざレジメンやコース数を伝える必要がある?という事ですが、実は大ありです。

薬局側がレジメンを把握しているか。というのは非常に重要で、点滴の内容までアセスメントが出来ているかどうかを伝えることが出来ます。

例えば、胃がんのSOX+Nivolumab療法を受けている人をサポートするとします。薬局ではティーエスワンの内容しか処方上確認できませんが、レジメンを把握すればオキサリプラチンやニボルマブの影響も検討することが出来ますよね。

下痢が生じた時にティーエスワン、オキサリプラチン、ニボルマブによるものかというのもコース数が把握できればどれが可能性として高まるかは変わりますよね。

レジメン、コース数を記載することでその後に提案する内容の妥当性を高めることが出来るのです。

副作用のGrade評価と発現時期

抗がん剤の休薬や支持療法の強化を行う際、Grade評価は重要な材料になります。

各薬剤の適正使用ガイドにも副作用対策のフローチャートが記載されていると思います。そのフローチャートに沿う内容にするのであれば、その妥当性に繋がるGradeの評価は行うべきです。

また、発現時期も重要な情報となります。

例えば悪心に対する提案を行う際に発現時期が分からなければ「急性」「遅発性」「予期性」「突発性」の判断がつかないわけです。

それぞれ対応する薬剤は変わりますよね。提案の妥当性を高める上で非常に重要です。

これは悪心に限らず、排便状況なども同じです。いつ発現しているのか、いつ症状が改善したのかは記載するように心がけましょう。

患者さんの治療に対する不安や日常生活への負担

副作用のGrade評価を行っていても、患者さんがその副作用に対してどのように感じているのか。というのは治療継続、患者さんのQOLを保つ上で重要です。

そもそもGrade評価は医療従事者側の評価であって、必ずしも患者さんの負担と一致しているわけではないことに注意が必要です。

例えばGrade1の悪心と判断したとします。Grade1は一般的に「軽症」と判断されますが、患者さんは本当に軽症と認識しているのでしょうか?

そこでポイントになるのが、「患者さんは副作用に対してどのように感じているか」です。

仕事や普段の生活で支障が出ているようなら、我々のCTCAEによるGrade評価が低かったとしても、支持療法の強化を検討する。と考えています。(あくまでも自分の考えとして)

そのため、聴取の際にも日常生活に踏み込んだ質問をすることで、患者さんの本音を聞き出すことが出来ます。

それをTRに組み込むことで、医療機関では伝えきれていない患者さんの真意を伝えることが出来ますし、最終的に患者さんの負担軽減につながる可能性があります。

具体的な提案を行う

これはもうそのままですね。

具体的な薬剤、用法用量を伝えるという事です。

高血圧Grade2に対して「降圧薬をお願いします」ではダメだという事です。

あなたは薬剤師、「薬物療法の専門家」です。提案通りに医師にしてほしいというものではなく、こういう対応はいかがですか?と意見を提示するようにしましょう。


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その提案に対して医師の返答、というのが処方箋に反映される。と認識することが大切だと考えています。

医師の中には薬剤師に薬剤まで指定されたくないという方もおられるでしょうが、こちらとしては薬剤師としての提案をしているだけなのであまり気にしすぎる必要はないです。

むしろそういう提案をしてくれている方がありがたい。と思う先生が多い印象です。(3病院くらいでそれを経験しています。)

ただ、具体的な提案をする場合に既往歴や常用薬をしっかり把握している必要があります。その点具体的な提案が難しい場合には、もう一段階マイルドな伝え方に変えていきましょう。

例えば降圧薬ならACE-iやARBなどのRAA系薬剤。という抽象的だけど薬剤の種類までは伝えるという方法もアリかなと考えています。

少しずつ医師の処方のクセみたいなものが見えてくるようであれば、そのクセに合わせるのもアリだと考えます。

4つのポイントを抑えると…

今回、伝えた4つのポイント

  1.  レジメンとコース数

  2.  副作用のGrade評価と発現時期

  3.  治療や日常生活の不安や負担

  4.  具体的な提案

これらをしっかりとがんTRに記載することで、あなたの提案は今までよりも何倍にも受け入れられると思います。

今回は症例を作る。という視点ですが、伝えるがんTRが書けるようになると、最終的に患者さんの負担軽減、医師からの信頼を得ることが出来ます。

その先にあなたがAPACC/BPACCとして薬薬連携の重要なポジションへと押し上げさらに活躍の場が広がり、より患者さんが安心した治療が行える地域になっていくと思います。

気になることやご質問があれば、InstagramのDMにてお受け致します。

それでは、また!

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