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がんTR(トレーシングレポート)の必要性とは?
こんにちは、薬剤師よっちゃんです!
今回は、がんTRって必要なの?っていう疑問にお答えしちゃいます。
がんTRってAPACC/BPACCの介入症例においても、非常に重要なものになっていますが、それだけなのでしょうか?
答えはNo!
あくまでも症例介入という話は根本があっての話です。
では、その根本とは何か。
それは、「患者さんの負担軽減に繋げる」という事です。
そこを軸に様々な活動や役割が増えていきます。今回は分かりやすくその根本から広がる役割について解説していきます。
患者の負担を軽減するTRの役割
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がんTRを記載するタイミングは大きく2つに分かれます。
患者が来局したタイミング
受診日以外のタイミング
受診日以外のタイミングとは、電話やアプリなどのフォローや患者さんからの問い合わせがある時です。
ではこの2つのタイミング、がんTRを提出する時どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか?
来局時にTRを書くポイント
多くの場合、医療機関で副作用のGrade評価が行われ、点滴を含むレジメンであればすでに治療を終えられて来局していると思います。
「もう病院に副作用は伝えているし、がんTRを書いても無駄なんじゃないか。」
そんなことはありません。
何しも副作用の評価だけが全てではありません。ではどこに焦点を当てるか。ポイントは3つあります。
患者さんのふとした負担や悩み
支持療法の使用方法や日常生活の指導内容
受診が必要な症状を伝えた場合の情報共有
です。これらは医療機関でも重要な情報となりますし、早期対応できた方が明らかに患者の負担は軽減します。
なにも書くことがない。という場合にはこの3つのポイントを意識して患者さんと話をしていきましょう。
受診日以外のタイミングでのTR
特に電話で症状確認した際には必ずTRを書くようにしましょう。
副作用の発現が無くてもです。
受診日以外の副作用状況というのは医療機関では把握が出来ないものです。その代わりに薬局薬剤師が責任をもって対応しているわけですから、医療機関に対しても「今のところ問題ありません」と情報共有するのは重要です。
何か確認できた際には、副作用を緩和させるための日常生活のアドバイスや支持療法の使い方を再度指導することもできますよね。
それってつまりは患者さんの負担軽減に繋がりますよね?
そして指導した内容をがんTRで情報共有することで診療サポートに繋がり、それも患者さんの負担軽減に繋がっていきます。
がんTRにより広がる役割
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がんTRが関与することは意外と大きいです。
APACC/BPACC取得者の増加
専門医療機関連携薬局の標榜
患者さんの相談窓口としての活躍
薬薬連携の更なる強化
医療機関(医師や薬剤部)からの信頼度の向上
これら全てはがんTRが関与していると言って良いと思います。
がんTRが増えれば、自ずと介入症例も出てくると思いますし、そうすれば専門資格を取得する人も増えると思います。
専門の薬剤師が出てくると、専門医療機関連携薬局の標榜の条件を1つクリアできますし、TR提出している患者割合50%を維持するのにもがんTRは必要です。
標榜が立てば、がん患者さんの相談窓口としてより機能してきますし、約薬連携の充実化も進みます。
もっとこうした方が良い。など話し合う事で各店舗だけではなく、地区ごとのがんサポートに関与することになります。
最終的には医療機関からの信頼も厚くなり、がんTRの受け取りに寛容になったり医師への提案が通りやすくなることも考えられます。
がんTRには大きな可能性が秘めていると日常的に感じており、自分が勤務している地区はかなり薬薬連携が充実しています。
正直いま述べた5つを全てが当てはまっています。
しかし、そこを目指すためにがんTRを出すぞ!というのは待ってください。
根本はなんでしたっけ?
そうです。
「患者さんの負担軽減に繋げる」
まずはココに意識をもって、がんTRを記載してもらえればと思います。
少しでも、がんTRに対する認識や必要性について理解が深まれば幸いです。
それでは、また!