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22/23 第7節 vsビジャレアル 『 覚醒間近!? サイボーグ・ドフビク』

『DOVBYK』
これ読み方わからなすぎてずっと困ってた。ドヴィクではなくドフビクらしいですね。以後直します(笑)。

▽スタメン


今節はブリントがベンチスタート。グティ、アルナウの両SBがスタメン復帰。あとはいつも通りの面々。
一方のビジャレアル。パウ・トーレス、ジャクソンら主力がプレミアに引き抜かれたとはいえ要所要所にいい選手が揃ってる。

スタメン (左:ジローナ 右:ビジャレアル)

▽試合

▷前半


試合開始からわずか27秒、ジローナはさっそく大ピンチを迎える。左サイドからのマイナスクロスにゴールエリア付近でモラレスがダイレクトシュート。コースに流すだけでいいチャンスシーンだったが、バー上にふかしてしまう。

< 今節の戦術 >
今日のジローナはアルナウが以前よりもはっきりと内側にポジショニングをとる、いわば偽SBのタスクを任されている。左ではSBとSHの立ち位置が定まっていたものの、右はケースバイケースであった。ビルドアップ時は後方で2-3の形を作り、残りの5枚が前線に並ぶ。見方によっては5トップともとれるような陣形(2-3-5)をとった。これまでインテリオールの二人はやや低い位置でパスを引き出す役割を担うことが多かったので、かなり新しい試みと言えそうだ。
相手陣地に入ると、右サイドで組み立て左サイドで仕留める。右のオーバーロード(片側のサイドに意図的に人数を集中させる戦術)と左のアイソレーション(片側のサイドで意図的に1対1の状況を作り出す戦術)。ここ数試合、サヴィオのドリブルは目を引くものがあるのでそれを活かすには最適な手法だ。

そんなサヴィオが5分に接触のないところで倒れ込んでしまう。医療スタッフが急いでピッチに入る。幸運にも、ある程度時間が経ったところでプレーに復帰したので、心から安心した。。良かった良かった。

< ビジャレアルの時間が続く >
今シーズンのビジャレアルはなかなか調子が上がりきらず、すでにセティエン監督を解任済み。いつものようにジローナペースで試合が進むのかと思っていたが全然そんなことはなく、むしろビジャレアル優勢。やはり個の能力が高い。推進力あるドリブルで相手を翻弄するピノとモラレス。どこかポグバらしさが感じられるカプエ。特に、2年間ラレアルで揉まれたセルロートはかなり厄介な選手だった。巨体を活かしたポストプレー、一人でカウンター完結できるようなスピード。10分、後方からの長いパスに斜めに走り込んだピノがトラップからシュート。ここはガッサニーガがセーブ。続いて、LSBのペドラサが3枚を引き剥がすドリブルからシュートまで持ち込むも得点には至らず。なかなか自分たちの時間にならないジローナは人を捕まえに行く、マンツーマン的なプレッシングを開始。相手に長いボールを蹴らせてマイボールにしたいところだが、セルロートとバエナがうまく収めるため、そうもいかない。ボールを持っても中々落ち着かず、とりわけマルティンのボールロストが多い。コントロールも足下につかない。なんというか、マルティンらしくない。そんな劣勢の中でも17分にチャンスが生まれる。相手のハイプレスを連続ワンタッチパスで交わすとエレーラが右サイドに抜け出す。大外のサヴィオに2早めのアーリーを上げるも、走り込んできたドフビクが中途半端に触れてしまい、せっかくの好機を逃してしまう。23分と30分、サヴィオが自陣からの単騎カウンターでサイドを駆け上がり、逆サイドへボールを送り込めれば一点ものというシーンが続いたが、どちらも相手にボールをぶつけてしまう。やはりサヴィオの課題は判断力だ。また試合が進むにつれてRSBのフォイスがサヴィオのドリブルに対応し始める。右足を使う頻度が極端に少ないこと、カットイン時にボールが大きくなることなどを踏まえて縦突破をさせないような守り方をするのだ。そんなこんなで前半終了。0-0で内容的にも比較的落ち着いていたゲームではあったが、ビジャレアルの方が主導権を握っていた印象。ジローナはビハインドでハーフタイムを迎える可能性も十分あった。

▷後半


前半の嫌な流れを早く断ち切りたいジローナだったが47分に痛恨の失点を喫してしまう。右サイド深くでボールを受けたカプエが華麗なボールタッチでPA内に侵入。後ろから追いかけたマルティンが引っかけてしまいPK献上。パレホが右に放ったボールはガッサニーガの脇下を通り抜けてゴールイン。2試合続けて先制点を許してしまった。失点以降、徐々に攻勢を強めるも攻めきれないジローナは52分と早い時間にミチェル監督が動く。クートとポルトゥを投入したのに加えて、ドフビクとポルトゥの2トップに変更する。4分後、この大胆な変更がさっそく吉と出る。ドフビクがボールを収めると、左ワイドのサヴィオにボールが渡る。背番号16は相手を抜ききる前に低めのクロスを選択。うまく相手の背中を取ったドフビクがダイビングヘッドでゴールにねじ込みタイスコアに戻す。このゴールでペースを掴んだジローナは5分後に逆転に成功する。ショートコーナーの受け手となったアレイシ・ガルシアがゴール前に正確なクロス。GK前でエリック・ガルシアが頭でコースを換えゴールネットを揺らす。64分には、ショートコーナーを受けたアレイシ・ガルシアがペナ横から強烈ミドル。ここはバーに嫌われ追加点とはならず。
ここでスタッツを見て驚いたのが両チームのシュート本数。それまでの試合の雰囲気とは裏腹にシュート数は10-10とかなりの打ち合いの展開。一点ビハインドとなったビジャレアルはここから一段と攻めに転じてくることが予想できた。ただここからの30分弱、チャンスをより多く作ったのはジローナの方だった。68分に投入されたストゥアニは抜群のポジショニングで幾度かシュートチャンスを得る。74分にはツィガンコフがカットインからストゥアニへ絶妙なラストパスが渡るもGKのセーブに合う。77分にはクートのクロスにコンパクトな振りでボレーを放つが惜しくもポストにはじかれる。ここ最近のストゥアニ、チャンスをなかなか決めきれない…。
ここ数試合は終盤の守備が課題だったが、最前線に入ったポルトゥを中心にプレスをかけ続け相手に自由を与えない。ビジャレアルはワンタッチパスでなんとかバイタル付近まで侵入するも決定機を作り出すには至らない。87分、守備を固めたいジローナはブリントを投入。さらにツィガンコフに代わって18歳のソリスがプリメーラデビューを迎える。後半のビジャレアル、ゴール前の質の不足が明らかでチームとしての「怖さ」が感じられない。イエローサブマリンはチグハグ間を払拭できず、試合はそのまま2-1で終了。

▽総括


ジローナはビジャレアルに逆転勝ちを収めリーグ戦6連勝を達成。前半のように相手にペースを握られた中での戦い方をどうしていくかが今後のテーマの一つになりそうだ。この試合、ドフビクのこれからが非常に楽しみになった。まだ不器用さは感じられるものの、収めたボールをしっかり味方につなげるようになっている。加えて2試合連続ゴール。56分の値千金のダイビングヘッドはドフビクが起点となって始まった攻撃だった。連携が深まれば一人で何でもできてしまう怪物になるのかもしれない、そんな期待を感じさせてくれた。
この試合で首位に浮上したジローナは、次節は2位マドリーとの直接対決。これまでと違うのは相手の方が「個」が強いことだ。それも圧倒的に。勿論、マドリーの方もジローナの攻撃の破壊力に手を焼く可能性もある。自分たちのサッカーを突き通すのか、相手をリスペクトしたサッカーを展開するのか、今から非常に楽しみだ。


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