リバイバルだけではない。最近のファッション業界で「古着」が注目されている理由とは。
近年ファッション業界で「古着」ブームが巻き起こっているのをご存知でしょうか。テレビや雑誌で見る有名芸能人、モデル、さらには韓国アイドルまで、幅広い層が古着を着ています。
前回古着について綴ったこちらの記事でも記載したように、古着ブームが巻き起こった背景には「サスティナブル」が社会一般に浸透したことが一つの要因です。しかし、古着ブームが巻き起こった理由としては、もう一つの軸があると考えます。それは、フリマアプリ、オークションアプリの流行が大きいのではないかと考えています。フリマアプリやオークションアプリは個人が個人に対して金額設定や値段交渉などを行い売買するため、比較的安価に商品を手にすることができます。
芸能時やモデルなどが着ている古着をフリマアプリで手軽に手に入れることができる現代だからこそ、こぞって古着を買っている人たちが増えているのではないか?と考えています。また、フリマアプリは着なくなった服を出品することで、欲しがっているユーザーが購入し、洋服がどんどん人の手を渡っていきます。
古着を買うという行為が浸透し始めているため、近い未来「クローゼットの中身が全て古着になる」という状況が起きるのではないかと考えています。
今回はファッション業界でブームが起きている「古着」についてお伝えしていきたいと思います。
日本だけではない。世界的に巻き起こっている古着ブーム
今日本だけでなく、世界的に古着市場が伸びてきています。所謂Z世代と言われる10代前半〜20代後半の若年層の倫理観や環境意識が向上してきていると言われています。
Depopというイギリス初のフリマアプリやthreadUPという古着をECサイトで販売しているアメリカの企業が世界のZ世代から今指示を得ています。
世界的にZ世代は新品の服を買わずに古着を買っている傾向があります。その背景として、洋服の消費に対して、消費者の考え方が変わってきていることが理由としてあげられます。
これまで当たり前であった、「使い捨て」や「個人所有」という考え方から「シェアリング」や「再利用」とう考え方に変化してきているようです。
また、古着をECサイトで販売しているアメリカの企業「スレッドアップ(thredUP)」が2021年に出したレポートを見ると、2021年時点での古着市場(360億円ドル)が、今後5年間で約倍増(770億ドル)に到達すると予測したデータが出ています。こういったデータが世界的な古着ブームが巻き起こっており、これからも古着市場は拡大していくことの裏付けにもなると考えています。
最近の古着ブームはリバイバルではない?
過去にも古着ブームはありました。過去の古着ブームが起きた際は古着を着想に様々なブランドが誕生しました。昨今の古着ブームは過去とはまた違った考え方を持つ消費者が少なくないようです。
過去は所謂「ヴィンテージ」という価値のある古着以外は数百円などで取引され、あまり日の目を浴びることはありませんでした。
昨今の古着を買っている若年層はブランドや年代など関係なく、個性を主張するために古着を購入しているケースが少なくないようです。単純な見た目や所有欲だけでなく、「エシカル消費」という考え方が大きいように見受けられます。
つまり、ただ服を買っておしゃれしたいというだけでなく、環境や社会について考え、服を買う人たちが増えてきているということなのです。
様々な「古着」が注目されている。
ここまで、「サスティナブル」や「エシカル消費」など、社会や環境に良い古着市場についてお伝えしてきました。
ノーブランドの古着だけでなく、ハイブランドの古着やヴィンテージ市場も伸びてきているのは事実です。私自身もハイブランドのアーカイブやヴィンテージの服を購入しますが、金額面や手に入りづらさから様々な「古着」の需要が高まっているという肌感はあります。
難しいことは考えず、「大切な一着を長くきたい。」と思う方は少なくないと考えています。
こういった考えを持つ人たちが増えていくことで、循環型のアパレル産業が実現すると考えています。
私たちfituは洋服の消費を遅らせるための、お直しサービスを展開しています。大切な服を長くき続けるためにも「洋服を直す」ということが常識になってほしいと考えています。
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