「ハルマゲドン」の本当の意味を探り当てました
7年ほど前に、聖書中にただ1回使われている「ハルマゲドン」という単語について、これは、スペリングミスか、写本上の間違いの可能性があることについて記した「ハルマゲドン考察 3 ーメギドではなくシオン」 という記事をUPしましたが、今回改めて、その可能性の裏付けとまでは言えませんが、更に掘り下げて、気づいた点を取り上げてみたいと思います。
記事最下部にその過去記事のリニューアル版をnoteに挙げたものを参考資料として添付しておきます。
さて、黙示録16:16の 「ヘブライ語で『ハルマゲドン』と呼ばれるところ」 という記述ですが、先ず分かるのはこれは「音訳」つまり、ヘブライ語の音をギリシャ語で記しているということです。
「ところ、場所」と訳される原語は「ギ語:トポス」で、ほとんどの箇所で、通常の意味として「所」となっていますが、必ずしも、物理的な場所に限らず、「occasion (機会), opportunity(契機)という語にも訳されている箇所もあることも覚えておきたいと思います。
仮に、そうした意味合いで記された可能性があるなら、ここは「ヘブライ語で『ハルマゲドン』という機会に王たちを集めた」という、ことを伝えようと意図されたかもしれないということです。
さて、先の記事では、タイトル通り、王権を手中に収めたキリストが、王たちと対決する場所は圧倒的な聖書的な根拠によって明確に示されているのは「シオン」であって、「メギド」である可能性は、「ゼロ」に等しいという言って差し支えないでしょう。
なぜ、ここに、確かな根拠もなく、多くの解説に「メギド」が出てくるかといえば、「マゲドン」などという場所は存在せず、意味不明なこの語から、それくらいしか他に言えることがないので、そういうことにしてきた。というのが真相でしょう。
ともかく、「決戦の場」としての聖書的条件は、先ず「山」でなければならない。「メギド」は山ではなく、なだらかな丘陵であり、既にこの時点で、現実の候補からは脱落します。
しかし、「シオン」は紛れもなく「山」です。更に「音訳」の上からも、ある弱い音声が欠落することはあっても、別の音が追加されることは普通あまりありません。「メギド」には語尾の「ン」が存在しません。
私はずっと考えていました。「ハルマゲドン」は、「シオン」に絶対に関わりがある・・・「山」・・・最後に「ン」が付く・・・集まる場所・・・集まる山・・・「集合する山?!!」
そしてハタ!と思いました。そしてついに、聖霊の導きのもとに(かどうかは分かりませんが)「これに相違ない」との確信を得ました。
これからそれを披露しましょう。
ヒントは「集合の山」です。
この記述は、直接的には「バビロンの王」についての言及ですが、一般に「ルシファー」と呼ばれるサタンに対するものだという理解は共通認識です。 そして、終末期の、王たちのリーダーが、サタンの化身とも言える「反キリスト」です。
13節に「会合の山」という表現が見いだされます。
ヘブライ語で「ハル モアド」です
【NASB Translation】(The New American Standard Bible (新アメリカ標準訳)では、この[ מוֹעֵד モアド]という語の全223ヶ所のうち147箇所は[meeting]と訳出されています。
参考までに、以下に、この語が、どんな単語に、何回訳されているかを示しておきましょう。
また[meeting]の他には「指定された,約束した、定められた」という意味の[appointed ~]という表現も多々見受けられます。
それで、「ヘブライ語で『ハルマゲドン』と呼ばれる」という記述の本来の記述はおそらく「シオンの集合の山」という意味のヘブライ語で「ハルマドシオン」だったのではないかと推測するに至ったのであります。
( 下のリンクをクリックして合成音による発音をお聞きください。)
これであれば、内容的には完全に聖書と合致しますし、音訳の面から言っても十分ありうるかと思います。
この[מוֹעֵד]を翻訳サイトにかけますと「時/期限」という訳語が出ます。
また冒頭で述べましたように、単に物理的な「場所」というだけでなく、(「ギ語:トポス」 機会」と捉えると、さらに、(裁きが行われることになる)「シオンの山の定められた時/契機」という意味合いも含んいるかもしれません。
実際、現実的な観点から考えれば、ハルマゲドンは戦争ですから、サミットのように国家元首だけが集まるのではなく、各国の軍隊その他も関わるでしょうから、物理的な特定の場所に集まり切れるものでもないでしょう。
無論、シオンの山において、象徴的な劇が繰り広げられるであろうことは十分に考えられますが、恐らく、その表現は比喩的なもので、世界の為政者たちがこぞってキリストに逆らうために「結束する」機が熟した時、というのが「ハルマゲドン」の本当の意味なのだろうと思います。
冒頭で紹介している記事はこの3番めの記事です。