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ボニーとクライド
演目【ボニーとクライド】
わたしはボニーパーカー。
そして彼がクライドバロウ。
→市場
当時、うらぶれた町でウェイトレスなんかをしていたわたしにクライドが言ったのよ。
「君はただの女じゃない。僕と一緒に何かを求め続ける女だ。こんな町なんか退屈だろう」って。
彼が犯罪者で危険な男だってことは知っていたわ。でも、こっちにおいでって彼が笑うと逆らえなかったの。だって彼はとても魅力的なんですもの。
→こっちにおいで
クライドは、わたしの為なら何だってするのよ。背が低いわたしのことをコケにする奴がいたら土に埋めてしまうの。面白いでしょう?足を切り落とすぐらいにしておけばいいのに、男の子って本当にバカよね。
→はるのこと
わたしたちが何をして稼いでいるかって?わたしたちの仕事は銀行強盗よ。クライドが銀行でお金をもらってきて、わたしの運転でドライブするの。アーリー・フォードV8って言う車で、とっても速いのよ。わたし、走っている時が一番生きてるなあって感じるの。
「走るんだ。今日から捕まるまで、ずっと走るんだ。」って
彼がいつも笑うから、ねえ楽しいと思わない?
→徒競走は終わらない
わたしたちが通ったあとには、たくさんの人が転がったわ。わたしたちは悪魔だの、怪物だの、死神だの言われたけれど、それっておかしいわよね。
わたしたちが正義で、他全てが悪なのよ。もちろん、手を叩いてわたしたちのことを賞賛する人もいたわ。でも、そんなことも関係ないの。みんなみんな邪魔だから、そこらへんに転がるのよ。
→夕暮れ町殺人事件
わたしとクライドが、人なみの暮らしをして人なみに家を借りて人なみに生活したら、3日めには警官がやってくるわ。奴らは、税金で買った機関銃をもって来るから、ホントたまんないわよね。
わたしの詩を聞いて、クライドが言うの。
「これが僕の一生だ、これで全部だ、それを君が書いてくれた、世間の語り草に」って。
→ファジーネーブル
いつか私たちはいっしょに死ぬの。力のかぎり戦って、傷ついて、撃たれて、ふたりはならんで土になるの。わたしたちの墓を見て、ほっとしてみんなは言うわ。
「やっと死んだ、ボニーとクライド」
わたしたちは、運命に従っているのよ。それは出会った時からわかっていることだし。いつか流星群のような銃弾の雨に打たれてわたしたちはいくの。あなたはそれを悲しんだっていいし、楽しんだっていいのよ。だってわたしたち、ボニーとクライドなんですもの。
→ボニー&クライド
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