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身の丈に合った胃袋

 先日、妻とちょっと良い蕎麦屋さんへ行きました。


 すごーく丁寧に打たれた蕎麦がオシャレな量だけザルに乗ってやって来て、私はそれを1、2本ずつ掴んでは「ズ、ズズ……」とやったり、グワっとまとめて蕎麦つゆに入れて「ズルズルズルッ!」とやったものの、その後しばらくは勿体無くて手をつけられずにいたりして、楽しんだのでした。

 天ぷらも驚くほど美味しくて、それでもやっぱり小綺麗に見える量とサイズ感。一つ一つ、塩をちょこんとやって慈しむように口へ運びます。さらに通ぶって天ぷら用の塩でお蕎麦をズルズル。妻もそれ真似して、おいしいねーと言い合ってみたりしたのです。

 さて、問題はここから。両手で大事そうに蕎麦湯を飲んでお店を出た後。私のそんな小綺麗な料理じゃ満たされない胃袋は、どこぞのTシャツに張り付いたカエルの如く、私を突き動かして目の前のマクドナルドへ連れ込んだのでした。

 『ポテトLのクーポンあるじゃん!月見パイも!』

 はい、台無し。胃袋の中のお蕎麦は上から雪崩れ込んでくるジャンキーなヤツらに絶叫したことでしょう。

 そして昨日も。頭痛が酷くて一日中寝込んでいた私の夕飯は、コンビニで買った塩おにぎりとサラダ(袋入りのやつ2種類)と納豆とインスタント味噌汁に家にあった絹ごし豆腐を入れたやつ。

 せっかくヘルシーで健康的な食事をしたのに、食欲が回復した私は物足りなくなって、ソーダ味のハードグミを2つずつくらい口に放り込み続けるのでした。(ちなみにその後夜中にチキンラーメンも食べた)

 なんで私の胃袋はこんなに品がないのでしょう。でも、かなしいかな、これが私の身の丈に合った胃袋なのです。今後とも、よろしく。

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