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曼珠沙華と彼岸花 ー巾着田曼珠沙華祭り2024ー

 9月の終わりに埼玉県日高市にある巾着田というところへ行ってきました。曼珠沙華の名所です。高麗川が南向きにグネっと流れていて、その間にある平地が巾着のような形に見えるので巾着田。

 9月末に訪れたので、まだまだ満開とはいかず5分咲きくらいでした。とはいえ例年ならもう満開でもおかしくないんですけどね。

 巾着田は10年近くほぼ毎年訪れています。もちろん曼珠沙華が好きなのもあるのですが、それよりこの場所が好きなのです。

 巾着田へは高麗駅から歩いて15分ほどあります。その間の道はどこか懐かしい雰囲気が漂う田舎らしい道で、この期間だけ露店も出ています。店先には吊るされた鬼灯や手作りの曼珠沙華に似た飾り、地元の野菜なんかが並んでいます。

 妻は「この道を歩いている時が一番好き」だと言います。実は私もです。

 今更ですが"曼珠沙華"と書きました。曼珠沙華とはもちろん彼岸花のことです。ですが私の中では"曼珠沙華"と"彼岸花"には明確な線引きがあります。それぞれの呼び名に別々のイメージを持っているのです。

 巾着田で観るのは"曼珠沙華"です。あたり一面に咲き誇る紅色の花。豪華絢爛。賑やかで派手。

これは去年の写真

 一方、"彼岸花"はというと、田んぼの畦道やお墓の横なんかで出くわすちょこんと咲いている花。『あれ、いつの間に咲いたんだろう?』という小さな驚きをくれる、寂しげで切なさを感じる花。

 曼珠沙華は観るもの。彼岸花は見る、在る、出会うもの。

 ここまで来ておいてなんですが、私は"彼岸花"の方が好きです。もちろん、巾着田も大好きです。こんな景色は他では観られないでしょうから。

 巾着田は背の高い木々が生えていて、その間から光が落ちるのが良いです。明暗のコントラストの中に浮かび上がる紅は、なんとも言えない妖しい魅力を持って見えます。

 それから、夫婦揃って毎年楽しみにしているのが出店でみせです。巾着田曼珠沙華祭り(今年は10/9まで)の期間中は、中央にある広場に日高市のグルメや特産品が並びます。

子持ち鮎
身が厚くて卵がたっぷり贅沢!
冷やし高麗うどん
キムチのアクセントがいい感じ!
牧場のソフトクリーム
もちろん美味しい!

 どれを食べても美味しいです。写真にはありませんがビリヤニも食べました。夫婦揃って食いしん坊。

 お昼を食べた後、妻が身重なのもあり、今年は早めに撤退することにしました。

 有料エリア(500円)の外へ出ると、群生地を外から眺めます。ずいぶん綺麗。花見でもいつも思うのですが、こういうのは一歩引いて観るのが一番楽しめるのかもしれません。人もいないしね。

 そして田んぼの中を突っ切って帰路に着きます。『さんぽ道』と書かれたなんとも趣のある看板の横を通って水路沿いを歩きます。蛍について書かれた案内があったり、ハグロトンボが飛んでいたりして、水が澄んでいることが伺えます。

アキアカネ
ハグロトンボ

 この道でふと出会うのは彼岸花です。曼珠沙華ではなく、彼岸花。秋を知らせにポツリと咲き、いつの間にか消えてしまう妖しく寂しく美しい花。

ピンク
交雑したのかしら

 そして、さあ帰ろうと思ったところで妻が一言。「石投げないの?」

 そうでした。ここに来ると毎年水切りをするのが恒例行事になっているのです。やらない訳にはいきません。

 妻と道を折り返し河原の方へ向かいます。私の去年の記録は3回。妻は2回。さあ今年はどうでしょう。

 結果はふたりとも2回。私は去年より記録を落としてしまいました。まあ、元がお話にならないのですけれどね。

また来年も来たいなぁ

 豪華で絢爛な真紅の絨毯。見渡す限りに咲き誇る曼珠沙華を観たい方はぜひ足を運んでみてください。後悔はしませんよ。

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