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小説の書き出しはいくらでも思いつく。

踏切のない街で育った。

なにやらくだらないことがあってから、先輩の煙草を買うのは僕の仕事になった。
先輩は、いつものように食事らしい食事もとらないまま、ウィダーインゼリーやらカロリーメイトやらで、至って健康に生きていた。少々身体が薄いけれど、このくらい痩せている人間は、都会には腐るほどいる。


煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイトくって、生きてるんすか

って詩、ずっと頭に残っていて、もし小説だったら…と思って、触りを書いてみた。

主人公はきっと、恋慕も尊敬もなく、数ミリの憧れと残りはただの執着でできた感情で、先輩の周りにいそう。先輩の煙草を買うことで、勝手に繋がりを作って、自分の世界を形成する一助にしてそう。


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