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テクニカル分析によって、逆にほとんどのトレーダーが負けていくメカニズム


1.テクニカル分析によって、むしろ負けていくのはナゼか?

 
 
テクニカル分析では、各種テクニカル指標を用いて相場予測を行う。
 
トレンド系(移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド等)と
オシレーター系(RSI、MACD、ストキャスティクス等)に大別される。
 
それぞれが実績に基づいた比較的信頼性の高い指標であり、多くのトレーダーにお気に入りのテクニカル指標があると思う。
 
適切に使用できれば、トレードの助けになることは確かだと思う。
 

しかし実際は、テクニカル指標を用いてトレードを続けていくと、そこそこ勝てている期間がありつつ、最終的には大負けすることが多い。


これはテクニカル指標そのものの問題というよりは、その使い方や距離感、判断材料としての優先順位などを誤っているからと考えられる。
  

要はテクニカルを使っているトレーダー側の問題が大きい。

  

 

2.トレーダーが、テクニカル分析の罠にハマるまで


以下のようなよくある経験は、テクニカル分析への信頼度や依存度を過剰に高めてしまう可能性がある。
  

A:テクニカル分析がピッタリ当たっている場面を何度かみる
B:テクニカル分析によって、実際に一定期間勝ち続ける
C:テクニカル指標を信じなかったせいでチャンスを逃した
D:テクニカル指標が効かないなと思ったが、少しズレただけで結局は効いたという場面をみた
E:一見テクニカルが効いていないと思った場面で、他のテクニカル指標が機能していることを発見した

  

現在多くのトレーダーに用いられている各種テクニカル指標は、一定以上の信頼性があるからこそ長く使われている。
 
実際、外れるよりも、当たっていると思える場面が多い。
 
なので当然、以上A~Eのような経験をすることが多くなる。
 
ここまでは、良い。
 
問題は、A~Eの経験によってトレーダーの内面に生じる変化だ。
経験を通して、次のように思うことが多いだろう。
(A~Eに対応させてA′~E′とした)
 

A′「このテクニカル指標は当たる確率が高い。これを頼りにトレードしたら勝てそうだ」
B′「思った通り。このテクニカル指標を参考にすれば勝てるぞ」
C′「テクニカルを疑ってチャンスを逃した。ちゃんと信じないと」
D′「ズレたけど結局はテクニカルが効いてる。ズレを想定して耐える事も必要だな」
E′「外れたと思ったけど、別のテクニカル指標が機能していたのか。今使っているものと組み合わせれば広くカバーできそうだ」

 
 
A~Eの経験に対するA′~E′は、合理的にみえる。
しかし実際には、徐々にテクニカルの罠にハマっていく危険な考えとも言える。

テクニカル分析への過度な信頼や依存が、無意識的に育ってしまいやすい。
 
そして、それが知らずに育って大きくなった頃、今までのテクニカルが全く効かない動きに遭遇し、積み上げた利益をなくすか、もしくはマイナスになる程の損失を被る結果となる。 
 
このように各種テクニカルは、ある程度当たるからこそ、逆にそれ特有の罠にハマりやすい。



3.テクニカル分析を用いてトレードする時に忘れてはいけないこと

  

 
各種テクニカルを用いてトレードする時には、以下のことを忘れない方がいい。
  

  • ほぼ全てのテクニカル指標は、あくまで過去を参考にしての予測にすぎず、相場の未来は一切予測できないということ

  • テクニカル指標が示す値は、単なる不確実な目安でしかないこと

  • テクニカル指標は、急激な値動きや変化に対してほとんど無意味であること

  • テクニカル指標がある程度有効だからこそ、気を抜くと過度な信頼や依存を生じさせやすく、盲目的になり危険が生じやすいということ

  

当たり前のことなのだが、実際にトレードでテクニカル指標を使い続けると、この当たり前を忘れやすい。
 
各種テクニカルを過度に信頼してしまう行為は、ある意味で楽をしている行為であると言える。
 
人間はどうしても、楽な方に流れたくなる習性がある。 

そこをあえて踏ん張って冷静さを保ち、各種テクニカルとの距離感を一定に保つことが大切になる。

 

   
 

  

 

(トレード中に生じるあらゆる心理的な壁。それによって客観性が阻害され、勉強したこと全てが無駄になる。自分自身をモニタリングし適切な状態へと導く方法論を、こちらの記事で書いています)


 


 
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