相場のランダム性とパターン性を見極めろ!トレーダーのハマる落とし穴
1.相場のランダム性とパターン性
相場の動きには、ランダムな時と、一定のパターンが生じる時がある。
常にランダムでもないし、常にパターンが生じるわけでもない。
もしランダムな時にトレードをすると、コイントスに賭けるような感じになり、ギャンブル性が増すだろう。
トレードは、相場の中に生じる確率的な偏りのあるパターンを見つけ、そのパターンに賭けるゲームともいえる。
ランダム性の強い時には優位性がほとんどないが、パターンが生じている時にそれを認識できれば、優位性の高いトレードを行うことが出来るだろう。
2.ランダム性の罠
相場にランダム性が強い場面で気を付けたい点がいくつかある。
①いつランダムなのか分かりにくい
相場は「はい!ここまでランダム!今からパターン出しちゃいます!」などと教えてくれない。
トレーダーにとっては、今見ている相場がランダム性が強いのか、パターンが出現しつつあるのか分かりにくい。
②ランダム性の中に規則性を捏造してしまう
厄介なのは、ランダム性が強い動きの中に、トレーダーが無理矢理パターンを見出してしまうことだ。
下の図の左は、ただ意味もなくランダムに打たれた点。
しかし右のように、ダブルボトムの形としてみることもできてしまう。
この現象は、アポフェニアと呼ばれるようだ。
人間は、わからないという状態を本能的に嫌う傾向がある。
ランダム性の高い相場を眺めていても、意識的にも無意識的にも「ああではないか、こうではないか」と答えを探してしまう。
ランダムの中に無理にパターンを見つけようとすることは、一見すると理知的に見えて、実は本能に負けているだけの可能性がある。
分からないものを、そのまま分からないと放っておくことの方が、トレードする上では大切になる。
3.パターン性の罠
①いつ有効なパターンが生じているのか分かりにくい
ランダム性の罠と同様、いつ有効なパターンが生じているのかの判別が難しい。
②パターンが確定するのは後になってから
相場で生じるパターンが確定するのは、値動きが出切ったた後になる。
パターンを確認してから取引してもよいが、不利な位置でのポジションとなりやすく、その時点で優位性が結構低下していることも多い。
またパターンが出終わった後ではもう遅いという場面もある。
②バイアスによる盲点
値動きに対して何らかのバイアスが生じると、一方の可能性しか見えなくなりやすい。
下記の左のチャートの場面で
「ダブルトップになる!」というバイアスがあったとしよう。
すると右図の高値切り上げ(オレンジ)、レンジへの移行(緑)、トリプルトップ(黒)等の可能性がみえなくなる。
バイアスにより視野が狭くなると、不適切な売買をしてしまいやすくなるだろう。
バイアスで視野が狭くなるという点は、だまし絵に似ているかもしれない。
下のだまし絵は、黒い部分だけ見れば人が向き合っているようにも見えるし、白い部分を見れば器のようの見える。
一方が見えている時は、もう1方に気が付きにくくなる。
4.罠から抜けだす
ランダム性の罠とパターン性の罠から抜け出すことは簡単ではないが、いくつか気を付けるべき点が考えられる。
ランダム性の罠から抜け出すには、まずランダムになりやすい時を知っておくのが良いだろう。
あくまでなりやすいというだけで、絶対ではないが、ランダム性が生じやすくなるのは
売り方と買い方どちらも迷っていそうな場面
参加者が少なく、出来高も少なそうな時間帯や日柄
テクニカル指標のほとんどが収束し意味を持たないであろう時
重要指標や重要なイベントの数日前~直前
これらの場面ではランダム性が高くなる傾向がある。
パターン性の罠から抜け出すには、次の3つを意識すると良いと思う。
常に売り目線と買い目線の両方で相場をみる
目の前のチャートに対して常に最低3つのパターンを想定する
そして、自分の扱う商品の値動きについて研究し熟知しておく
上2つの意識づけと、やはり結局は値動きを熟知しておくこと。
ここに近道はなく、地道に研究することが必要になる。
(量は膨大になりそうだが、値動きに関してまとめた記事を今後出すかもしれない)
いずれにしても、相場にランダム性とパターン性が混在し、それぞれに罠があるという事を理解した上で、罠にハマらない立ち回りを意識することが大切になる。
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