試合中止で期待値1以上になったメガビッグ、本当に買うべきだったのか?
公営ギャンブルの期待値が1以上という異常事態発生!
8/31日17:50締め切りのメガビッグ(MEGA BIG toto)が、台風による4試合中止の影響により、1等の当選確率が1/65,536となった。
普段の256倍の当選確率になる。
加えて60億円程度のキャリーオーバーにより、公営ギャンブルの期待値が1以上になるという異例の事態が生じた。
期待値1以上とは、要は賭けた金額以上に返ってくるという状態。
これを受けて、普段公営ギャンブルに参加しない人も含めて話題となり、特に数字に敏感な投資・トレード界隈からのメガビッグ購入者が続出した。
受付終了後、1等~6等まで含めての期待値は1.7程度との試算。
理論上は、300円(1口)購入すれば510円程になって返ってくることになる(あくまで理論上は)。
1口300円で、1等当選確率が1/65,536。
300円×65,536=約1,966万円分を購入すればほぼ確実に1等(2,500~3,000万円程度)が当たるのではないか等と言われ騒がれていた。
中にはほぼ全ての現金を投資し、7,350万円(245,000口)のメガビッグを購入した投資家もいた。
(ちなみにこの造船太郎氏の行動自体は、理にかなっていると思う)
基本的に期待値がプラスなら、そこに賭け続けることでプラス収支が期待できる。
しかし今回のメガビッグのケースは、ほとんどの人にとってはその例外と考えられる。
要は、期待値の恩恵を実質的に受けられないだろうということだ。
期待値はあくまで「平均的な結果」なので、期待値だけでそこに賭けるべきかの判断は簡単にできない。
今回の場合は期待値に加えて、少なくとも
「分布の非対称性」「リスク」「実行可能な試行回数」「その他見えないリスク」
このあたりを加味して考えた方が良いと思う。
・分布の非対称性について
今回のメガビッグは、1等2,500~3,000万円程で、当選口数は240本程度と言われている。
それに対して投票口数は1,500万口を超える。
1等であれば大きい金額が得られるが、それ以外の当選金額は極めて低い(300円とか)。
このように大きな金額が低確率でしか得られない場合、期待値は高かったとしても実際にはほとんどの人が当選しないということになる。
・リスクについて
今回の場合、購入口数が少なければ少ない程に当選確率が下がり、期待値の恩恵が受けられにくい。
購入金額(口数)による1等当選確率は例えば以下の通り
300円(1口)=0.0015%
10万円(333口)=0.5%
100万円(3,333口)=5%
1,000万円(33,333)=50%
となる。
100万円分の購入について考える。
当選確率は5%、95%はハズれ。
例えば、資産10億円の人が100万円分を買い、期待値プラスの賭けに参加することにはリスクがほとんどないといえる。
一方で、平均的な収入と資産の人が100万円分を買うことはリスクといえる。
当選確率を上げようと多く賭ければ賭けるほど、資産比や収入比でのリスクが高まる。
しかし賭け金が低ければ低い程、ハズれるリスクは上がる。
・実行可能な試行回数について
期待値の恩恵を受けるためには、試行回数が必要になる。
しかし今回は数年に一度あるかどうかというケースであり、試行回数を重ねられない。
このケースで試行回数を重ねるためには、より多額の資金を投じ(上限はあるが)多くの口数を購入するしかない。
期待値を活かすには、少なくとも1,200万円分~の購入が必要になると思われる。
・その他の見えないリスク
メガビッグはランダムで割り当てられるため、数字が重複するリスクがあるといわれているようだ。
その場合、当選確率は下がる。
またその他、システム上のリスクや運営元の都合によるリスクなど、参加者側にコントロールできない隠れたリスクが想定される。
以上の事から、今回のような滅多に発生しないレアなケースでは、期待値の恩恵を受けられる人はかなり限定されると思われる。
少なくとも資産4,000~5,000万円以上、かつ1,200万円以上をメガビッグに投じることができる場合には恩恵があると思われる(ざっくり)。
反対にそれ以外の場合、仮に期待値プラスであっても参加しない判断をしても良かったケースではないかと思われる。
もちろん通常より256倍当たりやすくなっているイベントなので、普段やらない人も(普段やっている人も)、期待せず遊びで少額賭けてみるのは良いと思う。
(私自身はそれなりに買っちゃったので、結果を期待したい…!)
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