モノ製品が「無限の指紋」を持つ時代と究極のIoT
こんにちは!TechArtIdeaのYo-yohです!(https://www.techartidea.com/)
今回は、先端技術について、気になるニュースを見たのでお話していこうと思います。(今回はテクノロジーを考察する【Tech部門】の記事となります。)
モノに「見えないラベル」を埋め込む技術
米MIT CSAIL(Computer Science & Artificial Intelligence Laboratory)と英サセックス大学による研究チームが、
3Dプリントしたオブジェクトに目視できないラベルを埋め込む技術「G-ID」しました。
3Dプリンタは、繊維状の樹脂を網目のように編み込ませることで立体物を成型しますが、
編み込み方を一個一個異なる編み方に変えてしまうことで、オンリーワンの特徴としてバーコードのように判別できるという画期的なアイデア。
編み込み方が変わっても仕上がった姿はみな同じなので、
まさしく「見えない指紋」!! と呼べます。
何が画期的なのか
使用例として、下記のような例が挙げられています(以下抜粋)。
自然に見えるラベル付けをした3Dオブジェクトは、汎用カメラで検出し、画像処理技術で識別できる。
本手法を用いた例として、マグカップを識別するコーヒーメーカーが紹介されている。それぞれのマグカップにラベル付けをし、コーヒーメーカーに置くと、誰のマグカップかを区別して好みの飲み物を入れてくれるというものだ。
モノ一つ一つにシリアルナンバーが付いたようなものなので、ユーザ一人一人に合わせたチューニングやサービスが可能といいうことです。
モノが無限の情報を持つ時代
皆さん、バーコードの進化を思い出してください。
二次元バーコード(QRコード)が登場し、従来の一次元バーコードと比較して大量の情報を取ることができるようになりました。
サイト情報やリンクなどのネットワーク連携のほか、
工場管理の現場などでも、部品や製品の搬送管理情報が大量に扱えるようになり、物流でも大活躍しています。
つまり、バーコードは、次元が増えることで、扱える情報が爆発的に増大します。
ということは、今回の技術で、3Dプリンタで
「三次元バーコード」を作ることができれば、私たちがモノに対して格納出来る情報量は飛躍的に上がるわけです。
ちょうど今年2020年から5Gが本格展開するため、連携するネットワークも掛け算的に増大します。
映画でよく見る、「古代遺跡のキューブ型のオーパーツから、大量の情報が手に入る」系の現象が、現実に可能になるわけです。
モノと情報が融合する、究極のIoTが誕生するわけです。
究極のIoTビッグバンの可能性
IoT(Internet of things, モノとインターネットの一体化)については、
これまでは「モノに小型コンピュータやセンサを搭載し、ネットにデータを送信する」という、電源と通信便りの能動的なアイデアが典型ですが、
(つまりモノに電源をつなげ、IT技術で無理やりデータを飛ばす)
モノにマイコンを搭載すると値段が高騰する上に、ユーザが不気味に感じることがあります。
トイレの便器がネットワーク接続される「IoT便座」なるモノも登場していますが、プライベートなところまで監視されたくない、と拒否反応を示す方もいらっしゃいます。
しかし、今回のような三次元バーコードをモノに内包させる技術を付け加えることで、逆転的な発想ができます。
モノ自体が情報を引き出すためのカギを内包し、スキャニングすることで膨大な情報を紐づける新しいIoTスタイルを考えることができます。
(つまりモノを電源接続せず、モノ自体が情報を紐づけるパスワードを内包し、5Gネットワーク側からデータを取りに行く、ということです。これなら人がモノに監視される構造にはなりません。)
モノを電源接続しなくてよいということは、家具や食器、日常のペンに至るまで、大量の情報を格納できることになります。感電リスクがないため、防水について心配することもなく、応用範囲が広がります。
わざわざマイコンをモノに組み込ませず、外部のカメラから情報を取りに行けばよいのです。
電源便りでモノをコンピュータ化し「モノが人間を監視する」のではなく、
「人が使うモノをカメラが監視し、人がモノ自体からは監視されない」世の中へ軌道修正できます。
まとめ
モノと情報の結合方法について、監視社会にならないような溶け込み方が理想とされます。モノ自体に情報を格納させる技術がもっと注目されると、バランスよく我々の暮らしがアップデートされていくのではないか、と、常々思うのです。
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IoTセキュリティについても今後複雑化していくでしょう。便利なことが増える分、注意事項も増えていくわけです。忘れずにいたいものです。