「はにわ」と「にんにく」と「ルーズリーフ」<前編>
東京国立博物館で開催されている特別展『はにわ』!行ってきました。
いつも通り、上野駅公園口を出て、野口英世像横の遊歩道を通り、トーハクの入り口が見えてきた…えっ?!すごい人!想像以上の人出でびっくりしました。
今、同じトーハク内の表慶館では「HelloKitty展」が開催されておりまして、大人気過ぎて色々大変だ、ということは知っていたので、(すごいな、キティちゃん)と思いつつ平成館に向かいましたらば。
平成館(はにわ展の開催場所)にもできていました、行列。
なかなかどうして、埴輪人気もすごい。
正直私(と夫)は、それほど埴輪好きというわけではないのですが、私自身が、土器などがごろごろしているような職場で仕事をしているもので、まあ話のタネに「はにわ展」も観ておくか、というような軽い気持ちでの観覧。
中に入ってますますひどくなる混雑ぶりに、(埴輪人気なめてた!)と、二人して驚愕しました。
私はあらかじめ作品リストを「自由ノート」というアプリに取り込み、iPadminiでチェックするスタイル。
会場でも配られている紙のリストを薄暗い館内で見るより、だいぶ捗りました!おすすめです!
実は今回展示されている埴輪の中には、常設展示されているものも含まれており、こんな混雑の中、必死になって観なくてもいっか…と、どれが常設展示で観られるのかを夫に判断してもらいながら、貴重なものをピックアップして観てきました。
今回の特別展は、(たぶん)すべて撮影可でしたので、一人一人の【正面滞在時間】が長く、それも混雑に拍車をかけていたのかと。
そもそも埴輪というのは、前方後円墳を飾るために作られた素焼きの焼き物のことです。埴輪=人型のイメージがありますが、圧倒的に数が多いのは「円筒埴輪」です。それ以外の、人物や物をかたどった埴輪は「形象埴輪」とよばれます。
今回の『はにわ展』の目玉「挂甲の武人」は、【挂甲】という鎧の一種を身にまとった武人という意味ですから、メインに据えられた5体だけにつけられた名称ではなく、他にもいますので、お見落としなさらぬよう。
今回のメイン5体は、55~59の番号が振られ、半円状に並べられておりましたが、次の60番の「挂甲の武人」は国宝です。群馬県立歴史博物館保管のものですから、トーハクの常設展では(おそらく)観られませんよ~。
仏教伝来により、少しずつ前方後円墳は造られなくなってくるのですが、関東地方(特に経済的に豊かで、埴輪作りに適した自然環境だった群馬)では変わらず造られ続けていたそうです。
メイン5体の「挂甲の武人」は、群馬の同じ工房で作られたのではないかといわれておりますが、その兄弟のような武人たちが、遠くはアメリカからも駆けつけ、こうして勢ぞろいしているのですから、感慨深いものがありますね。また、このうちの別の1体はメトロポリタン美術館に目をつけられた過去もあり、なかなか数奇な運命をたどっている彼らなのです。
また、今回、特に女性人気を博したと思われる動物たちの埴輪も、当時の生活を知るうえで貴重な資料となります。
鞍をつけない仔馬の埴輪は、馬の繁殖活動もしくは生育過程に人間が介入していた可能性を示唆していますし、魚をくわえた鳥の首元に首輪が着けられている様は、この鳥(鵜)が家畜であり、人間が食すための魚を捕る役目を担っていることが分かります。
…と、一体一体にドラマがあり、エピソードがあり。
はにわ展に関しては、たくさんの方がnoteでレポートを書いてらっしゃいますので、拝読するのもまた楽し。
何しろすごい人出で、画像を撮るのも一苦労。
帰ってきてからカメラロールと作品リストを見比べて、「あ~、あれ撮ってこなかった!」と残念な心地に。iPadminiを駆使して予習したのに…。
また、これだけの人出です。撮りたい作品によそ様が映り込んでいるのは当たり前。
しかしそういった画像に関しては、ios18から使えるようになった写真アプリの新しい機能「クリーンアップ」のおかげで、よそ様の映り込みもどんと来いです。
この機能、今回初めて使いましたが、ほんとに魔法のようです。
おもしろすぎる。
などと書いているうちにちょっと一回の記事の分量としては多すぎるかな、という文字数になってしまったので、「にんにく」と「ルーズリーフ」については、明日にでも投稿することにしましょう。