ウナギを食べるなという法律はない “社会的責任”を茶化すのはマズいぜという話②
ウナギで考えてくれウナギで。
知らない人はいないだろう、日本の伝統食にして絶滅危惧IB類としてレッドリストに掲載されている絶滅危惧種。(ヨーロッパウナギはIA類)
何をかくそう私はウナギが大好物で、年に2回ほどは川越や成田などに出向き観光ついでに食べていた。
今年の丑の日、いつも嬉々として買ってくるデパートのウナギ弁当を私は買わなかった。
ウナギが好きすぎて色々調べてみた結果、「やっぱり今は食ったらマズい」という結論に達したからである。
ウナギ、このままだとマジで絶滅する。
どんな専門家も同じことを言っていた。それを見て私は、「当面ウナギ食うのやめよう」と決めた。真の意味での自粛というやつだ。
もちろん「ウナギを食うな」という法律はない。ウナギどんだけ食ったって罰せられない。
今のところは。
法律違反じゃないもーーーんって暴食した果てにウナギ絶滅するわ、って事実を真剣に取り合うことにしたのだ。ウナギが好きだから。できれば懐石にひとかけらついてくるくらいは許してほしいし、最後の晩餐はウナギがいいから。
ウナギの絶滅という社会…世界的な問題への、ウナギ愛好者としての社会的責任を果たそうと思ったのだ。大げさに言えば。
以前までウナギを食べるたびにほんのりとした罪悪感に襲われながら、「また絶滅に近づけてしまった……」などという文言を添えてSNSに写真を上げたりしていた。
これは私がウナギの絶滅という社会(世界)問題を茶化していたことになるだろう。
真剣にウナギの絶滅を危惧し、種の保全に努める方々から見たら不愉快極まりない行いだったに違いないと反省している。
ウナギ、できれば完全養殖が安定するまで食べないようにしたい。これはあくまで自粛であり誰に強制するものでもないが、絶滅という問題をちょっと真剣に考えてみた私の結論である。モラルとも言うかもしれない。
しらねーーーーつって食べ続けることもできるけど、多分ウナギ絶滅するし、その前に「ウナギ食うな」って法律ができる(世界的にはとっくに規制が始まっているようです)
そうなれば好きなウナギ屋さんも全部強制廃業。ひとかけらもウナギが食えない世界になるその前に。
ウナギを愛好する方法を真剣に考える。
とりあえず暴食はやめる。
絶滅という問題を茶化すのもやめる。
自分なりにちゃんと調べてみる。
これが私の、ウナギ愛好民としての社会的責任の果たし方だ。
「ウナギ」「食う」「絶滅」好きな言葉に置き換えてくれ。
人の行いの果てに法律ができるのだ、というのも付け加えておく。誰も公道で迷惑行為をしないならば、迷惑防止条例なんて必要なかったろう。
「法律違反じゃない」という言葉を免罪符にして思考停止していたら、サクッと法律ができるぞ、いつの日か。あおり運転が「妨害運転」として道路交通法に記載されたのはつい最近だ。
表現云々に関して、多分ウナギ云々よりもよっぽど腰が軽いだろうなこの国、というのも危機として感じるところである。
もう一度提案します。とりあえず私が言いたいことはこれだ。
まずは大喜利、やめてみませんか。