クリスマスの食卓に寄せて

12月上旬のこと。下の娘が5歳になり、少し落ち着いて料理ができるようになってきたので、今年は家でチキンを焼いてみようかな？と宅配注文のカタログを見ながら夫と相談していると、骨つき肉の写真の隣に鶏丸ごと一匹、すなわち丸鶏の肉の写真が。「どうせチキンを焼くなら、こっちのほうがいいんじゃない？食育にもなるし」と言い出す夫に、「おいおい本気？冷蔵庫に入るの！？」と驚きましたが、値段的にはそう高くなかったのと、何とか冷蔵庫とオーブンに入る大きさだと分かったため、まあ一度くらい冒険してもいっか…と思い直して、生まれて初めて丸鶏を買うことにしました。

丸鶏が届いたのがクリスマスイブの二日前。この時点では冷凍されていましたが、二日前から解凍せよと付属のレシピに書いてあったので、そのまま冷蔵庫に入れることにしました。

一日経って半解凍の状態の丸鶏を、今度は前日の夜からタレに漬け込んでおかねばなりません。そのタレのレシピはこちらです。

ちょうど梅シロップを漬けるのに買った大きなジプロック袋があったので、それに丸鶏を入れて調合したタレを注ぎ、口を閉じました。本当は肉を軽く洗うと良いようですが、大きくてシンク周りを汚染せずに洗うのが難しそうだったので、キッチンペーパーで血の気を拭き取るに留めました。また袋に肉とタレを入れるとかなりの重量になり、内圧で袋の口が開いてしまうのが心配だったので、たまたまあった米の空き袋(チャックつき)に入れたところピッタリおさまり、安心して冷蔵庫に収納することができました。それで一晩経ったのがこの状態です。

タレを切り、足を付属のタコ糸で縛って、いよいよオーブンへ。160度に余熱したオーブンで腹側を40分焼き、ひっくり返して背中側を40分。途中焦げそうになったら足先や手の先にアルミホイルを巻きます。レシピ通りの時間で串を刺してみると肉汁がまだ微妙な色だったので、アルミホイルを全体に被せてさらに10分焼きました。そして焼き上がった状態がこちらです。

我が家の電子レンジのオーブンでも、ちゃんと焼けました！！

焼きたての鶏肉はジューシーで柔らかく、味加減もちょうど良く、焼く前は「可哀想…」と同情していた子供達も「美味しい！！」と叫びながら骨までしゃぶっていました。

何しろ大きくて量があるため、翌日の昼と夜、そして翌々日くらいまで余裕で食べられます。さらに、所々肉のくっついた骨を捨てるのが勿体無いので鍋で煮て出汁をとり、野菜スープに加えたりラーメンに使ったりと、何度も楽しめました。大きくて重い肉を扱うのは少し大変ではありましたが、経済的にも労力的にも十分モトが取れたなあと感じるほどのご馳走でした♪

クリスマスというと、いつも思い出すのが子供の頃のこと。母が毎年作ってくれる定番料理が、オーブンで焼く蒸し焼きハンバーグとマッシュポテト、それに焼きリンゴでした。あまり料理が得意なほうではない母でしたが、クリスマスだけはいつも頑張って作ってくれました。その味は今でも覚えています。

そして、朝起きると枕元に置かれているサンタさんからのプレゼント。父か母か、あるいは交代で置いてくれていたのか…。今思えば寝ないようにだったのかもしれません、クリスマスイブはいつも父と母で夜遅くまでお酒を酌み交わしていました。

今自分達が娘達にプレゼントをあげる側になり、当時の両親の気持ちを想います。子供達に夢を与えたい、プレゼントを通して愛情を伝えたい、子供達の喜ぶ姿が見たい…。娘達が目を輝かしてプレゼントを開ける時の笑顔を見る喜びを、父と母も感じていたのでしょう。父と母が元気だった頃の幸せな記憶はいつも温かく、懐かしくて恋しくて、子育てしながらも無性にあの頃に戻りたくなる瞬間があります。

いつか娘達もこうして、今日のクリスマスの夜を幸せな気分で思い返す時が来るのかもしれません。今日という日は一度だけ、もう二度と戻ってくることはない。そう思うと、何気ない家族の時間がたまらなく愛おしく、かけがえのないものに思えてきます。

毎年クリスマスになるとかける我が家のお気に入りのCDがこちら。松本雅隆さん率いる古楽器合奏団「ロバの音楽座」のCDです。

ロバの音楽座の拠点、ロバハウスという小さなコンサートホールが玉川上水にあります。いつか娘達を連れて行きたい憧れの場所です。毎年クリスマスコンサートをやっていて、定番のオリジナル曲「ロバのクリスマス」は、大人も子供も耳に残ってつい口ずさんでしまう、とても魅力的な歌です(5分42秒あたりから)。

ロバの音楽座「18 ロバのクリスマス」

コロナ禍の今では考えられないような、親密で温かな音楽空間。こんなふうにクリスマスを祝うことができる日が、早く戻ってきますように。

🎄Merry Christmas🎄

♪コロナ禍で会えない母を想って作ったオリジナル曲を、医療介護現場に寄付するチャリティーのため、音声記事(300円)にて販売しています。温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。
https://note.com/yo_ssy/n/neb1b472923fc

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