社労士試験の不合格体験記(2024年度)
2024年8月25日、社会保険労務士試験を受けた。自己採点の結果は選択は26点(労一足切り)、択一は30点と惨憺たるものだった。
春に思い立って勉強を始めて5ヶ月。もともと法律にすら縁がなかった(理系で人事や総務の経験もない)のに独学という明らかに無謀なチャレンジだったが、今まで漫然と保険料を支払い時々利用するだけだった様々な制度や労基法を体系的に知ることができ、個人的にはやってみてよかったと思っている。
今回受験するにあたっては、過去の受験者の体験談が合格不合格を問わずかなり役に立った。なので、私も今回の不合格体験記をまとめておこうと思う。
使った教材
テキストと問題集
TACのみんなが欲しかった!シリーズ(2024年度版)のみを使った。なお、iPadで勉強するつもりだったので、TACで販売しているダウンロード版(PDF)を購入した。
独学で合格したという体験の多くで使われているテキストとあって、内容はかなり充実していた。初学者にとっては大量の本文だけでもかなりキツく、問題集と併せて周回して、なんとか知識を詰め込んだという感じ。
問題集に関しては、上記の基本問題集だけで合格レベルに達するには難しいと思われる。しかしながら、初学者にとってはこの問題集のレベルでさえかなりキツいものがあった。本当は同シリーズの合格のツボもやりたかったが、残念ながらそこまで手が回らなかった。
直前対策にはTACの無敵の社労士シリーズの3だけ7月の終わり頃に購入した。なお、こちらは書籍版しか販売していない。法令改正や白書・統計に関する問題演習も充実していたので、もっと早く買えば良かったと後悔した。
ところで、テキストと問題集のPDF版はとても便利だった。私は元より電子書籍派で、資格試験の重い本を持ち歩くのも読むのもどうにも苦手感があった。とはいえ、資格試験の勉強にKindleはどう考えても不向き。だから今回はPDFを購入しFlexcilというアプリを使って勉強したが、これは本当に良かった。
最近は出版社が独自のアプリを作ってテキスト販売するケースも見られるが、絶対にPDFの方が便利だ。TACもLECもPDF版のテキストや問題集をもっと積極的に売ってほしい。どちらも多くのテキストや問題集をKindleに出しているんだから、どうか公式でも売ってほしい。
アプリ
社労士試験向けのアプリは色々とあるが、私が使っていたのは秒トレだけだ。選択式問題の勉強は直前までこれのみでいけると思う。
なお、このアプリは一度問題を購入すると、その年度の試験が終了しても引き続き使い続けることができる。便利。
過去問
過去問は過去問ランドをメインに勉強していた。このサイトは本当に便利で、毎日の繰り返しに苦手分野の割り出しにと本当にお世話になった。
また、過去問については実際の試験に近い形でも勉強したかったので、TACの問題集を購入した。
直前期は過去問に力を入れていた。しかし今思えば、過去問より基礎問題集に戻ってテキストの周回をもっと進めるべきだったと思う。
というのも、今年の択一式問題はこれまでのものと少し傾向が違っていたからだ。社労士試験は範囲が広い上に法改正なども勉強する必要があるので、過去問だけでは全範囲をカバーできない。その上出題傾向まで変更になったら…。テキストで基礎知識の定着に時間を割くべきだったと思う。
模擬試験
本当はTACかLECの会場模試を受けたかったが、諸事情で一度も受けられなかった。そのため予想模試を購入し、時間を測って問題を何度か解いた。
この試験は長丁場なので、可能なら模試を一度は受けておいた方がいいと思う。私はいきなり本番だったため、午後の試験で眠気に襲われるという失態を犯した。試験の日に向けて体調を整えるのも大切な準備だ。試験当日に何を食べるか、休み時間をどう過ごすかということを考える上でも、やはり模試は受けるべきだったと思う。
試験当日のこと
2024年8月25日の試験当日についてはこちらの記事でも書いたが、正直ひどいありさまだった。
午前中の選択問題は比較的サクサクと解けて、終了30分前に途中退室した。そして午後の試験開始、強烈な眠気に襲われた。トイレに行き、水を飲んでなんとか意識を保ったものの、まともに試験問題に取り組めたとは言い難い。
今思うと、昼食の内容が本当によくなかったと思う。食べたのは甘い菓子パン2つとジュース。糖分の多い組み合わせは、緊張による寝不足と合わさって午後の眠気を招いたに違いない。
過去問や予想模試の経験から、択一問題は労働基本法から一般常識までを1時間かからず、健康保険法から国民年金法までは1時間ほどで解け切れると考えていた。しかし、結局一般常識まで終わらせるのに1時間以上かかってしまい。その後も健康保険法から最後まで解くのにやはり1時間半はかかってしまった。
眠気と戦いつつなんとか全問の見直しを終え、回答用紙のチェックを済ましたところで時計を見ると残り30分。あとは試験終了まで寝ていた。
これで受かるなら格好もつくが、そもそも予想問題ですら合格点など一度もとれなかったのだ。翌日に恐る恐る行った自己採点は当然不合格。
当日のコンディションを整えることの重要さを試験当日に知るとは、本当に本当に情けない。
もしまたこの試験を受けるなら…
今の所リベンジは考えていないが、もしまた社労士試験を受験するならば、今度はどこかのスクールの講座を受講することを検討するだろう。
この試験はとにかく範囲が広いし、初めて聞く単語やよくわからない概念も多かった。私のような初学者には特に、専門家に質問できる環境が必要だった。
逆にいえば、問題集やテキストの解説を読んですんなり理解できるレベルの人ならば、無理に高額なスクールに行く必要もない気がする。しかし法改正などの対応や、モチベーション維持なども考えると、やはり受講するのがベターではあるのかもしれない。
まとめ
初心者では、社労士試験は5ヶ月500時間ぐらいの勉強量では歯が立たない。
独学はやはり厳しいので、質問ができるスクールを受講した方がベター。
過去問偏重の勉強は危険。
模試は可能なら受けた方がいい。
試験当日の体調を整え、最後までベストコンディションで受験できることが何より大事。
労基や年金などの知識は結構役立つので、勉強して後悔することはない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?