あなたと会っている時だけ、私はあの頃のままでいるだけです。

長い付き合いの友人と会うとよく言われる言葉
「お前は本当に変わらないねぇ。」だとか
「俺たちあの頃と何も変わんねぇなぁ。」だとかを人はどうして言いたがるのだろう。

共に飯を食らい 旅に出かけ ケンカし
辛いとき(stand by me)も 嬉しいとき(stand by you)も
お前は側にいてくれた
お前のことは俺が一番分かってて 俺のことはお前が一番分かってくれる
あの頃みたいに いつも一緒にはいれねぇけど
お前と会っているとき 俺たちはあの頃に戻れるんだ
(陽気な人/BESTEST FRIEND)

思い出話で盛り上がるとどうしてもチープなクソJPOP歌詞ばりにノスタルジックな気持ちになるのだろうか。
私はその場がどんなに盛り上がっていても「お前は変わらない」系の話になると一気に冷めてしまうのです。
だって私もあなたも間違いなく変化しているんですもの。
(「いや!!!!みんな変わっている!!!!」なんて水を差すことはしないけれど笑)

自分自身のことは自分が一番分かっている(これまたクソJPOP表現)とも限らない。人に言われて初めて自分の側面に気付いた経験は私にもある。
ただ友人たちと毎日のように同じ環境で過ごしていた頃の自分と、今の私を比較すると絶対的に変わっている。
考え方や人との付き合い方、そして性格さえも変わった。

例えば私はかつて、かなりお節介な性格だった。
困っている人も困っていない人にさえもあれやこれやと世話を焼いてきた。しかし特に理由があったわけではないのだがそれが急にしんどくなり、徐々に私はいらぬ世話はしないようにした。そしてそれが常となった。
以前の私はどちらかというと熱い人間だったが現在の私は間違いなく冷たい人間だ。

それからもちろん友人も変化している。
あの頃より、色々と自身の話をしてくれること、社会に対して器用に接することができるようになったこと、無縁だった恋愛を楽しむようになったこと。
結婚含め人間関係や仕事、優先順位もそれぞれ変化しているだろう。

私はお節介をやめて非常に楽になった。だから自分自身の変化についてあまりネガティブなイメージはない。むしろこれから自分がどう変わっていくのか、また友人がどうなっていくのか楽しみでさえある。

それなのにどうして、彼らは「変わらない」と言いたがるのか。
変わることに対して後ろめたい気持ちがあるのだろうか。

今後もし「お前は変わらない」「俺たちは変わらない」等の話題になったら
今度は恐れず
「俺たちは変わったよ!!!!!!!!!」
と口角泡を飛ばし、今までとは違った会話を楽しみたい。
ただそのとき限定で、私の発言によって友人との関係が変化(終焉)しないことを祈る。



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