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産業用ロボットが普及しない本当の理由

産業用ロボットを導入するまでに様々な選択肢が出てきています。

2016年にはユニバーサルロボット社の協働ロボットをオリックスレンテックから月額11万で半年間レンタルできるプランや、2020年8月からは高島ロボットが5稼働日8.5万円でレンタルするなど導入に至るきっかけ作りのサービスが増えてきました。また、今までは安全面からロボットの周りに柵を取り付けて人とロボットを隔てる事が求められていましたが、協働ロボットの誕生により多彩な場目で導入が進むようになりました。更に中国もロボットアームを自国で製造するなど、産業用ロボットのコモディティー化も進んできています。ソフト面に於いても画像処理装置の機能向上や、一部では、AIとロボットが組み合わさる事により今まで以上に活躍の幅が広がっています。

これらの状況から今まで自動車、半導体業界が中心だった産業用ロボットの活躍の場面は広がりを見せる物と容易に想像できますが、実際はそうはならない実情があります。

今まで産業用ロボットが広がりを見せた業界と言うのはロボットと製造現場を橋渡しする部門、いわゆる生産技術部門、またはそれに準ずる現場を俯瞰して見ることができる部門が当たり前のように有った業界でした。

生産技術部門は省人化、新製品の導入に於いて既存設備とのマッチアップ、新たな新製品開発に設計部門と共に外部の装置メーカーと折衝し工場に橋渡しする部門となります。直接製造部門とは別でそれらに日々の業務の時間をメインで使う部門です。よって、生産量や設備の数などが多くない中小企業や、製造技術による製品の差別化にメリットの薄い業界においては必ずしも必要とされてきた部門では有りません。

今後、産業用ロボットの裾野を広げるべき現場と言うのは3品業界(化粧品、医薬、食品)や中小企業といった今まで産業用ロボットに馴染みの薄かった場面では必ずしも生産技術という部門が存在しないという事があります。

では、現在そういった部門の無い工場が省人化や新規設備の導入をどのように対応をしているかというと、直接製造部門がを担っている事が多いのが実情です。直接製造部門のメインの業務は製造ラインのマネジメントが主体になります。機械オペレーター、品目切替、ワーカー、生産量管理などにほぼほぼの時間を使っている人達になります。同じ製品を毎日製造しているような現場では朝、出勤し電源を投入すればあとは、作業日報を作れば終わりという工場もありますが、そもそも単品多量製造であれば特注の自動機を製造すれば事足りるので、そんな場面で産業用ロボットは必要ではありません。ようするに多品種生産に於いて実力を発揮するはずの産業用ロボットを導入する部門の人も目の前の業務に追われてしまっている。。。

そこに

私「産業用ロボットどうですか?」

と営業にいくと、マスクをつけたラインオペさんが

オペさん「ちょっと待って、実はかくかくしかじかで。。。。。。」

と組織体制に関する愚痴が延々と始まります。。。涙

また、これらの解決策についても私見ながら日々、更新してまいります。

よろしくお願いします。

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