DXFファイルを開くと、何故、文字や寸法が化けるのか?
AutoCAD に関する問い合わせの中で結構多いのは、「図面ファイルを開いたら寸法や文字が正しくない。化けている。」というものです。状況として多いのは「他社からもらったDXFファイルを開いたら・・・」というものです。このノートでは、その場合の原因と対処方法について説明します。
DXFファイルのバージョンが古いのが原因
DXFファイルにはバージョン大きく2種類あります。R12形式と呼ばれるものと、それ以外のものです。R12形式というのは、AutoCAD R12 という1992年(30年前!)にリリースされたAutoCADに対応したものです。
そんな古い形式が未だに使われるのは何故でしょうか?
それは、R12からR13へバージョンが変わるとき、AutoCADは アーキテクチャを大きく変更した(作り直した)からです。
AutoCAD は、 R13 からオブジェクト指向になった
プログラム言語でオブジェクト指向言語というのは一般的ですが、30年前に、AutoCADは「オブジェクト」というもので、CADデータを表現するよう変更しました。つまり、図面は「ジオメトリデータの集まりではなく、オブジェクトの集まりとしました。
その結果、DXFファイルの中身も、これまでデータセットの集まりだったが、オブジェクトの情報も含まれるようになりました。
その結果、R13以降の形式のDXFファイルを作ることが出来ないソフトウェアが出てきました。そっちのソフトウェアはオブジェクト指向ではないからです。R12形式のDXFにならざるを得なません。
AutoCADの側から見ると、R12形式のDXFには「オブジェクト」の部分が欠けています。欠けている部分を適当に補完するのですが、その結果、寸法や文字が化けてしまうのです。
対処方法は、欠けている情報を補う事
寸法が化けた時の寸法のスタイルをプロパティで確認すると、文字高さなどがおかしな値になっています。単位系がメートルではないからです。なので、正しいふるまいをする寸法スタイルに変更すれば、見かけは多少よくなります。ただし完全ではありません。
AutoCADに変える(変えてもらう)のが、最良の解決方法
根本的に解決するには、図面のやり取りをする双方がAutoCADを使うことです。そうすれば、DXFを使うことなく、dwg形式でやり取りが出来ます。
DXFやdwg形式に変換ができないので移行が大変!というのもあると思います。その場合でも、方法が無い訳ではありません。お困りのときは、ご相談ください