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Inventor / ダイナミックシミュレーション / Box and Plate 1 / ジョイント
「ジョイント」は、ダイナミックシミュレーションを使う上で、とても重要な概念です。Inventorの拘束にもジョイントという機能があり、概念はよく似ていますが、違うところもあります。
Box and Plate という簡単なアセンブリを例に、一番基本のジョイントである「空間的ジョイント」を使って、ダイナミックシミュレーション (DS) の基本を説明します。
Box and Plate
STEP 1 : START
図は、ボックスとプレートの2部品のアセンブリモデルです。プレート部品を基準とし、ボックス部品を DS を使って動きを与える手順を消化します。
![](https://assets.st-note.com/img/1721200183137-UWimV0qwrP.png)
2部品とも固定拘束されています。
この状態で、ダイナミックシミュレーションを開始します。環境タブから、ダイナミックシミュレーションを選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1721200548566-tLXA4YKguL.png?width=1200)
ダイナミックシミュレーションが開始され、ダイナミックシミュレーション要のタブが新規に表示されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721200702321-3RWi9aIEA1.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721200603841-RjHtn1rkIJ.png)
2部品はともに固定状態にあります。この状態では、部品に自由度がないので設定ができません。
STEP 2 : ボックスの固定拘束を削除
次に、ボックスのコンポーネントの固定拘束を解除します。
![](https://assets.st-note.com/img/1721200897966-wKu4TnCJ6O.png)
これで、ボックスは、Inventor で、自由に移動回転できます。ドラッグすると自由に回転、移動して姿勢を変えることが出来ます。
しかし、ダイナミックシミュレーションを開始しても、2部品とも固定フォルダに入ったままです。
![](https://assets.st-note.com/img/1721267170556-Xyyq0eI8Qt.png)
ダイナミックシミュレーションで、動きを与えるには、2部品の間に関係が必要で、それがジョイントです。
STEP 3 : 空間的ジョイントの挿入
ジョイントというと、メイトやフラッシュ、回転など、2部品が、物理的につながっていなければいけない、という思い込みがあると思います。 アセンブリ拘束が、モデルがばらばらにならないように、コンポーネントの自由度を規制するものだからです。
ダイナミックシミュレーションのジョイントは、そうでは無く、2部品の間に関係を持たせるものです。部品が離れていても構わないジョイントもあります。
ジョイントには、Inventorのジョイントと同様に、いろいろな種類のジョイントがあります。ここでは、一番条件のゆるい「空間的ジョイント」の挿入を行います。
![](https://assets.st-note.com/img/1721268174951-ShjKXrF1Fe.png)
以下が手順です。
2部品固定の状態でダイナミックシミュレーション環境に移動します。
環境タブからダイナミックシミュレーションを実行します。
固定フォルダに配置されていて、ダイナミックシミュレーションの設定が出来ない状態です。
次に、ボックスの固定構想を外して、ダイナミックシミュレーション環境に移動しますが、まだ、固定のままです。
ジョイントを挿入します。
空間的ジョイントを挿入し、プレートとボックスの間にジョイントを挿入します。ダイアログボックスの指示にそって行います。
固定側のコンポーネント上の基準面を選択、続いて、基準点と、X軸の方向を指示します。
同様に、動作側のコンポーネント上の基準面を選択、続いて、基準点と、X軸の方向を指示します。
挿入が終わると、ダイナミックシミュレーションのブラウザの表示がかわります。
![](https://assets.st-note.com/img/1721268571628-mKbyOWgoMy.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1721268665404-N3ciNl5YCF.png?width=1200)
ボックスをドラッグをすると、自由に移動回転します。移動と回転が同時に出来て、Inventorのドラッグとはちがう動きだとわかります。
STEP 4 : 空間的ジョイントの編集とプロパティ
ブラウザ上でジョイントを選択し、コンテキストメニューを表示します。ここでは、編集とプロパティの説明をします。
![](https://assets.st-note.com/img/1721269023162-NDvHOhnL7x.png)
編集を実行すると、ジョイントの設定時と同じ画面が表示され、内容を修正することが出来ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721269979459-uja6BPJlLb.png?width=1200)
プロパティを実行すると、図のダイアログボックスが表示されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721270128214-oOKGhqK8Nv.png)
自由度のタブが6から1まであることがわかります。
ドラッグをすると、自由に移動回転したのは、このジョイントには自由度が6個あるからです。
自由度が多くあると、機械の振る舞いとしてはよろしくありません。 なので、実際のダイナミックシミュレーションでは、自由度をコントロールを制限して使います。
ちょっとした裏技 1
ダイナミックシミュレーションを開始したり、Inventorに戻ったりすることが多くなります。いちいち、タブを切り替えるのが面倒くさくなります。その時は、リボンメニューをカスタマイズし、Inventorのアセンブリタブに、ダイナミックシミュレーションのリボンを追加すると良いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1721270666302-sxbW3RaAex.png)
ちょっとした裏技 2
ドラッグして移動回転した後、元の位置に戻したいですが、簡単ではありません。そこで、コンポーネントを原位置に再配置するルールを iLogic で作りました。
Dim Base_Plate_1 = Components.Add("Base Plate:1", "Base Plate.ipt", grounded := True)
Dim Box_1 = Components.Add("Box:1", "Box.ipt")
動画
空間的ジョイントの挿入までの動画を用意しました。以下のリンクからダウンロードしてご覧ください。
データセット
Box and Plate の 01-03 各アセンブリのデータセットへのリンクです。適当なフォルダに解凍して、プロジェクト Box and Plate.ipj を使って、開いてください。
※ ジョイント(1)終わり
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