#37 浄土真宗の学びノート 龍樹菩薩①難行と易行
お坊さんとして勉強中の私が学んだことを書きます。
浄土真宗に興味あるよ!とか、
只今勉強中!という方、
隣に座ってる友達のノートを覗き込む感覚でお付き合いください。
前回は七高僧について書きました。
今回はその第一祖 龍樹菩薩についてです。
龍樹菩薩
西暦150年頃、南インドにお生まれになりました。
真宗ではお馴染み、正信偈のこの部分に龍樹菩薩が登場されます。
龍樹菩薩は広く教義を説かれたため、「八宗の祖師」と言われます。
つまり、浄土真宗だけでなく、
真言宗や天台宗などでも大事な祖師とされています。
龍樹菩薩の教えのうち、
浄土真宗では「難易二道」「称名報恩」「現生不退」の
3つが特に大事です。
どれも、浄土真宗の根幹となる教えですね。
今回はそのうちの「難易二道(難行と易行)」について書きます。
龍樹菩薩のここがスゴイ!
浄土真宗と言えば、お念仏。
「ナムアミダブツを称えることは、
誰でも、いつでも、どこでもできる!」
というお手軽さが浄土真宗の最大の推しポイント。
このお手軽な易行の道を整備されたのが龍樹菩薩です。
仏教は「八万四千の法門」と言われます。
たくさんある中で、易行という道があるよ!と発見された方です。
例えば、「覚り」という山の頂上を目指すとします。
岩がゴロゴロ転がっていたり危険な崖だらけの山道。
「険しい道しかないのは辛すぎる・・・」
そんなあなたに朗報!
「険しい道が無理って人!こっちに登りやすい道あるよ!」
って教えてくれた人。そんなイメージでしょうか。
難行と易行
「陸道の歩行は則ち苦しく、水道の乗船は則ち楽しきがごとし。」
陸路を遠くまでひたすら歩くのは苦しいですが、
水路を船に乗せてもらう方法は楽です。
足腰丈夫な若者でも赤ちゃんでも老人でも船に乗るだけ。
自分の体力や気力は問題になりません。
難行(=陸道)とは、持戒や禅定など自力の修行です。
難行は
・覚りまでに長〜〜〜い時間がかかる
・高い精神性が必要(心が丈夫でなければ耐えられない)
易行(=水道)とは、称名念仏です。
阿弥陀如来のお力によって極楽へ往生することができます。
称名念仏が易行である理由について、
法然上人が『選擇集』に分かりやすく書かれています。
いかがだったでしょうか。
龍樹菩薩の難行と易行について書いてきました。
私は浄土真宗のお寺に生まれて、
心底「易行で良かった」と思っています。
他宗のお坊さんから、
「修行中、五体投地を100回やったら膝の皮がズルズルにむけました」とか
「座禅の修行を背骨が覚えています」とか
そんな話を聞くと、震え上がる私です。
易行があって良かった。
ありがとうございます。南無阿弥陀仏
最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。
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