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#77 アウェーで得られる学び
アウェーで得られる学びはとても大きい
という話を書きます。
外へ出るからこそ気付く
初めて上京して一人暮らしをした時のこと。
縁もゆかりもない土地で生きていく大変さを体験すると、
それまで両親に守られて生活していたのだと思い知らされました。
家を探す・契約する、
電気・水道・ガスの開栓、
生活必需品をそろえる。
そんな生活基盤を整えるだけでも大変。
また、海外へ出てみると、
外国での発見以上に日本の素晴らしさを知りました。
相手を思いやる気持ち(いわゆる「おもてなし」)や、
細やかな気遣いなど。
日本の産業や文化は、
日本人の強みで成り立っていると知りました。
外へ出てみたからこそ、
より内(私が住む世界)が明確になって、
当たり前に過ごす日常への感謝の気持ちが湧く。
外へ出てみることが私を大きく成長させてくれる。
そして、広い世界に触れると充実した気持ちになります。
だから、私はいつも「外へ出てみたい」欲求?があります。
他宗を学ぶ意味
私は浄土真宗のお坊さんですが、
他宗から学ぶことが沢山あります。
先日、東大寺長老のお話を拝聴しました。
毎年この時期に行われる修二会(しゅにえ)についてです。
鎮護国家・五穀豊穣など人々の幸せを願って、
11人の練行衆(れんぎょうしゅ)が参加して
法要が行われます。
752年に始まってから1200年以上、
一度も絶えることなく続いています。
練行衆(れんぎょうしゅ)は
お昼12時から夜中3時まで休憩はあるものの、
お勤めを続けられるそうです。
「すごい」しか出てこない。
他宗での厳しい修行を知るたび、申し訳ない気持ちになります。
というのも、浄土真宗には厳しい修行がなく、
他宗と比べるとかなり特殊です。
自力の修行ではなく、他力(阿弥陀如来)によって救われる。
自力に頼らない、他力に頼る。
それが浄土真宗の教えだからです。
他宗の方々の中へ入ると、ある意味アウェーです。
同じ日本仏教でも教えが全然ちがう。
だからこそ、他宗のことを知ると、より浄土真宗への理解が深まります。
外から見るからこそ、内がより解像度高く見える。
そして改めて感謝の気持ちも大きくなる。
内と外を行き来する
浄土真宗の世界にいると、それが当たり前になります。
お坊さんとして暮らしていると、仏教が当たり前になります。
その世界にどっぷり浸かっていると、
使う言葉や世界観が限られます。
ごくごく小さな世界に住んでいることを忘れてしまいがち。
そして、小さな自分の世界の尺度で物事を見てしまう。
だから、勇気を出して外へ出てみることを心がけていきたいです。
いかがだったでしょうか。
アウェーに出ていくことは勇気がいる。
でも、自分の住んでいる世界から外へでてみると、
学べることが沢山あるという話でした。
内ばかり見ていると行き詰るけれど、
外へ出て違う空気を吸うと気持ちも入れ替わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。