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「最期を看取る」看護師の仕事

わたしは看護師になって、10年以上経ちました

看護師という仕事の内容は、
患者さんからの目線だと、
熱や血圧を計ったり、
点滴をしたり、
ナースコールを押したら来てくれて、
困っていることを手伝ってくれたり、
などその他にも色々と行っています。

仕事内容のひとつに
「最期を看取る」という看護があります

患者さんの、
その人の最期に直面するということです

病院に入院していれば、
最期は看護師が付き添います

そのため、最期は一人なんてことはありません。

状態が急変し、家族が来るまでに時間がかかり、
家族がそばにおらず、
心臓や呼吸が止まることもあります。

その間、患者さんに声をかけて
「ご家族さんもう来ますからね!向かってますよ!
もうちょっと頑張ってください!
まだダメですよ!」

看護師によっては、声かけの仕方は違います。
でも、わたしは、家族が到着するまで、
患者さんに頑張ってほしいので、
なんとか引き留めます。

最後まで聴覚は働いていると信じているので、
意識がなくても、
呼吸が止まっても、
声をかけ続けます。
聞こえているはずだから!!!

身寄りが居なくて、
家族と折り合いが悪くて、
最期はだれも来てくれないことも多々あります。

それでも、看護師はそばに居ます
「頑張りましたね!ゆっくり休んでくださいね」 

心臓と呼吸が止まるまで看護師はそばで見守ります

業務が忙しくても、なんとか他のスタッフに任せて、
病室の中に籠ります。
患者さんを病室に一人にはしたくないのです。

わたしは、最期を看取るという場面に
何度も経験をしました。
もう3桁なのでは、、、
それくらいの経験数を重ねました
経験を重ねても慣れるものではありません

最期に立ち合うことは、
心臓、呼吸が止まっていることを確認したら、
医師が死亡確認をし
そのあと、家族に葬儀社に引継ぐまでの流れを説明します
点滴やモニター類などすべて取り外し、
体を拭いて、髪を洗って、口の中を綺麗にして、
浴衣に着替えて、
女性でも、男性でも、
化粧をして血色良く、見た目を整えます
すべて終わった後に、葬儀社へ引き継ぎます

まだ、経験が浅いときには
患者さんの最期に立ち会うのか、、、
死亡確認後に、体を綺麗にしていても、
患者さんは寝ているような表情で、体はまだ温かいよ、、、
死をすぐに受け入れられず、
涙を堪えながら、看護をすることが必死でした
家に帰っても虚しい気持ちは、続いていました。

転職先では、最期に立ち会うことの回数が増えていき、
自分の勤務時に、毎回立ち会うという時期もありました

でも、それは病院が重症患者を受け入れて
重症患者が入院することが多かったからなんです。

それでも、人の最期に何度も立ち会うと、
精神的にもダメージはあって、
しんどくなるときもありました

今回もわたしが看取りだ、、、
なんで、わたしばかり立ち会うのだろう、、、
毎回わたしの時に亡くなる人ばかりで、、、

先輩にも「お祓いにいきな」
と冗談混じりで言われることもありました

何かに取り憑かれている。
そう思うほど、毎日ネガティブな感情で、精神的に参ってしまいました。

そんなあるとき、先輩に
「いつも最期に立ち会うね!
今日もだね。頑張ってね。
あなただから、選んでいるんだよ」
と言われたんです。

この言葉の意味、、、

患者さんが、
あなたに最期を看取ってほしいと思っているんだよ


そういう風に聞こえたのです!

わたしが受け持つことを
患者さんは待っていたんだな。

わたしの何かが患者さんを
惹きつけていたのかもしれない。

わたしに最期を看取ってほしかった?


先輩の何気ない一言のお陰で
捉え方がかわり、今まで悩んでいたことが嘘のように、
ネガティブな感情がなくなりました!

わたしを選んでくれているのだ!

状態が悪い患者さんを受け持つときは、
いつも以上に丁寧に、優しく声かけをして、

最期に立ち会った際には、
“わたしを最期に選んでくれて
ありがとうございます。
ゆっくり休んでください”
と、心の中で声をかけてるようになりました

これまでの人生で関わりがない人でも
最期に関わることができたこと

看護師をしていなければ、経験できないことです

最期に関わることが少ない看護師もいます
その中でわたしは、経験数が多いこと、
最期に私を選んでくれること

わたしで良いのだろうか、、、
やはり、時々、そう思うときもあります。

看護師は天使ではありませんが、
わたしで良かったと思えるように。

だから看護師の仕事は好きですし
その人の人生に関わることもできて、
やりがいもあります。

家族の死に目にも会えない方がいる中
看護師はいろんな方の最期を看取るという
貴重な仕事をこれからも誇りに持って働きたい

一つだけ知ってほしいのは、
最期は一人ではなく、看護師がそばにいること
最期の最期まで、看護師が優しく、丁寧に接すること

これが、
「最期を看取る」という看護師の仕事。

私にとって、一番の誇りのある仕事。


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