20/21EPL 第4節アストンヴィラVSリヴァプール
いちファンとしてこの試合を見ているのは辛かった。数的不利やPKなしで7失点。昨シーズン、プレシーズン、そして今シーズンが開幕してからの不安要素がすべて露出してしまった。
まずはアストンヴィラをほめたたえたい。彼らが勝利したのは補強が上手くいっただけだではないだろう。しっかりとリヴァプールの穴を研究していたように感じる。それが感じられたシーンが2得点目だ。アーノルドが前に出、空いた右のスペースにグリーリッシュが裏へパス。そこからワトキンスがゴメスとの一対一を制してゴール。リヴァプールは昨シーズンから右サイドが穴だといわれ続けている。その原因がアーノルドの守備意識の低さと、定まらない右CBだ。ヴィラはグリーリッシュを中心に右サイドを制圧していた。そしてもう一つこの2点目から分かったのがゴメスの弱点だ。ゴメスは縦へのスピードはめっぽう速い。しかし、切り返された時の対応が遅く、相手と距離が開いてしまい、シュートブロックが遅れてしまう。この失点はコミュニティシールドでオーバメヤンに振り切られたときと全く同じだ。
次に4失点目。これは昨シーズンからひやひやしていたが、セットプレーのラインがかなり高い。オフサイドトラップと、アリソンを信用しての作戦なんだろうが、最近のリバプールの最終ラインはオフサイドトラップを仕掛けて終わり。失敗したときを想定してラインを下げるということをせず、足が止まってしまっている。そしてこれはインプレーにも見られた。試合終盤の92分45秒、グリーリッシュがロバートソンの裏にロングボールを通した時、ロバートソン以外の最終ラインは完全に足が止まっていた。もしクロスでもあげられていたらフリーでシュートを決められていただろう。実際、4失点目は大外にFKを放り込まれ、足が止まり、ラインが崩れ、走りこんだワトキンスに決められてしまった。このセットプレーの対応は早いうちに改善してほしいと願う。
ほかに気になったところはプレシーズンからファビーニョのコンディションが芳しくないところ、全体的にパススピードが弱く、シュートへのプレスが甘いところ。ディフレクションが多かったが、中途半端なプレス、距離でシュートに対応するとああいった形になってしまう。そして何より最終ラインが高い。クロップのゲーゲンプレスをするには全体をコンパクトにする必要があるが、今シーズンはさらに高くなっている。チェルシーのヴェルナー、アーセナルのラカゼットらにいとも簡単に裏を取られていたシーンからラインの高さとずれが顕著になってしまっている。
インターナショナルウィークを挟んで因縁のライバル、エバートン戦だが、一つでも今回の試合から改善が見られないと今季ブレイクしているエバートンに苦しめられるだろう。この試合で攻守にわたり走り続けファイトを見せていたロバートソンと、マネほどではないが今までより守備意識が高まっているサラーに期待したい。