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「4年間の記憶」 木谷竜三

色々とお世話になっております。
横浜国立大学経済学部4年の木谷竜三です。

また部員ブログを書くことになるとは思っていませんでした。どんな未来になるかなんて本人でさえ完璧には予想できないものです。


それでも確実に、引退まであと少しになりました。

今後サッカーを続けたとしても、このチームメイトと勝利の喜びを分かつことはないでしょう。時間の過ぎていくのを骨身にしみて愛おしく感じます。


別に、4年間全てが良い思い出ではありません。当然です。どちらかと言うと辛い思い出の方が多いかもしれません。思い通りのプレーが出来なかったこと。首脳や監督に怒られたこと。夏の日差しが刺すように痛いこと。総じて部活動を辞めたいとも思いました。



失敗や後悔、羞恥、加えてランメニューといった嫌な記憶は些細であっても、忘れたくてもいつまでも忘れられず、今さっきそこにあったかのように、はっきりと浮かび上がります。



常に試合に勝つ喜びだけで帳消しになるわけではありません。そもそも試合に出られないかもしれません。些細でもいいから、何かもっと、楽しかったことや嬉しかったことが必要です。しかし、良い記憶は嫌な記憶を覆い隠すほどあるはずなのに、古めかしい写真のように朦朧として思い出せなくなっていくのです。



嫌な記憶だけを理由に物事を判断してしまったこと、皆さんもないですか?



嫌な記憶ほど忘れられないというのは、命の危機に関するミスを繰り返さないための人間の生存本能だそうです。確かに多くの場合、大きなミスをしたあとは後悔と対策をして次に同じミスをしないように改善しようとします。車に轢かれそうになってヒヤッとしたら、次からは車道を通る前に首を振るでしょう。生きる上で必要な理に適った性質なのです。


でもだからこそ、良い記憶は意識して尊重する必要があります。そもそも、性質だからといって忘れてしまうのはやるせないでしょう。良い記憶は前向きな選択や行動の理由、大袈裟に言えば生きる理由にだってなりえます。些細なことで構いません。


雲が太陽の前に割り込み、グラウンドに涼しさを届けてくれたこと。


帰り道に今日のプレーや自身の考えを熱く語り合ったこと。


最高のパフォーマンスを発揮できたこと。


「サッカー楽しい」試合後に後輩が呟いたこと。



部活動を続けて後悔はありません。



ここまでご覧いただきありがとうございます。皆様も日々の幸せを感じる一瞬を大切にしてみてください。


私もあと少しの部活動も出来る限り良い記憶で埋めるために、走り切ります。サボって歩いていたら背中を押してください。








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