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存在意義 2年 鮫島汰希

平素よりお世話になっております。2025シーズンの主将を務めさせていただきます、教育学部2年の鮫島汰希(さめしま たいき)です。11月より首脳として活動させていただいておりますが、多くの皆さまのご支援のおかげで私どもが活動できていることを日々深く実感しております。今後とも変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。



さて、長きにわたって続いてきた2024シーズンのブログもついに最後になります。先輩方の文才溢れるブログを読んでは、普段はあんな感じなのに(悪口じゃないです)やっぱり根は賢い人たちだなと改めて実感させられました。ブログ自体は一か月くらい前から書き終えていましたが、自分の番が近づくにつれなんだか薄っぺらいことしか書いてないような気がしてきて、神山のブログを読み終えついに書き直すことを決意しました。だいたいこういうものは元のやつの方が出来がいいことが多いですが、まあ何とかなると勢いに任せて書いていこうと思います。是非最後までお付き合いください。




自分の存在意義とは何だろうか。



高校に入学したときくらいからそんなことを考える瞬間が時々ある。
せっかくこの世に生まれてきたのだから、何か後裔語り継がれることを成し遂げて死んでいきたい。あわよくば教科書やお札なんかに載っちゃったりしたら最高じゃないか。アホっぽいことをつらつらと綴っているのは重々承知の上だが、このブログを読んでいる男性諸君も一度くらいは思ったことがあるのではないだろうか。では、あの教科書に載っている禿げた将軍たちや今をときめくスーパースターたちが、世界に名を轟かせ時代を超えて称賛され続けるのはいったいなぜか。それは「他を寄せ付けない自分の武器」と「有無を言わさぬ結果」によって他に影響を与えたからであり、それこそがその人の存在意義だと私は考える。


例えば大谷翔平。彼が盗塁を決めれば全米が沸き、トラウトを打ち取れば日本中が歓喜の渦に包まれ、ホームランを打てばそのボールには6億6000万円もの値打ちがつく。いやはやとても同じ人間だとは思えない。ファンや家族が笑顔や幸せに包まれ、莫大な経済効果さえもたらす。彼は世界中の人にとって自分の存在意義を示している。




では私はどうか。もちろん大谷翔平と比べるなんておこがましいにも程があるが、私レベルなりの存在意義を見つけられているのだろうか。いや、全く感じられない。ここでは国大サッカー部における私の存在意義について考える。
国大サッカー部には「~挑戦~世界を楽しくする」という理念が存在している。ここで言う“世界”とはグローバルという意味ではなく、自分たちを取り巻く周りの環境という意味であり、平たく言えば自分たち自身や応援してくれる方々、地域の方々のことである。まさにこれこそが我が部の存在意義であるといえる。しかし、その部に所属している当人である私はというとそれを果たしているとは全く言えない。



私のコンプレックスは「武器」がないことだ。小さいころから「あなたは器用貧乏ね」と言われ育って、実際私もそうだと思っていた。きらりと光るパスセンスも、観客を魅了する華麗なドリブルも、強靭なフィジカルも、豪快かつ正確なシュートも何も持っていない。今シーズン(昨シーズンもだが)何度もポジションをコンバートした。周りはユーティリティ性があるとか、なんでも卒なくこなせるとか言ってくれた。監督の翼さんもその柔軟性がチームにとって重要だとも言ってくれた。それが嘘だとは全く思わないし、意味も理解している。しかし、私に言わせれば、それは私に突出した武器がないからであり、そこに他の圧倒的な特徴を持った奴が来ればすぐに代替されてしまう。今シーズンも自分の立ち位置を確立できないまま、存在意義を示すことができないまま終了してしまった。




そんな中、来シーズン主将になることが決定した。首脳を決める学年ミーティングでは、主将を任せたいと言ってくれる人もいた。面と向かってそんなことを言われたら、中途半端に肩書きだけを背負うことは許されない。そんなキャラじゃない、などという無責任な言い訳は通用しない。推薦してくれたあいつらの顔に泥を塗るわけにはいかない。覚悟を持ったとともに、来シーズンこそはこの部に自分の存在意義を示すチャンスでもあると感じた。プレーはもちろん運営で、行動で、言葉で…。部員やOBの方々、応援してくれる人たち全員に、最高の思い出や資金や環境が遺せたら、この部における自分の存在意義を見出すことができるのではないか。「鮫島ってやつがいたあの代が…」っていう会話がいつか行われたらこんなに嬉しいことはない。今一緒にプレーしている仲間が「あいつと一緒に活動できてよかった」って言ってくれたら教科書に載らなくたって大満足だ。自分の武器はいまだ見つからないけれど、今では器用貧乏は器用貧乏なりになんでも全力で取り組もうと思えている。なんなら器用貧乏を極めてそれを武器にすればいいじゃないか。




先日行われた関東リーグ3部参入戦の結果、来シーズンは東京都・神奈川県リーグ1部で戦うことが決定した。自力での昇格を果たせなかったことは悔やまれるが、1年での1部復帰を果たすことができた。昨シーズン、自分が出場した試合で降格の引導を渡された私には、1部リーグの厳しさは痛いほどわかる。勝ちが確約されている試合などない。我々は毎試合チャレンジャーであり、自分たちの120%の力を出し続けなければならない。今年以上に厳しいシーズンになることは言うまでもない。しかしそれと同時に、昨年のリベンジを果たすチャンスでもある。むしろ私はまたこのステージに戻ってこられたこと、あの強い相手たちとリーグを戦えることにわくわくしている。一筋縄ではいかないからこそ、必ず去年の雪辱を果たす。





5歳から始めたサッカー。おそらく今年がプレイヤー人生最後の1年になると思う。始まりは家でダラダラばかりしている私を見兼ねた両親に無理やりスクールに入れられたことだった。しかしそのおかげで多くの仲間と出会い、多くの刺激をもらい、高校の特待までいただいて、数えきれないほどの貴重な経験を積むことができた。私の人生は間違いなくサッカーによって彩られてきた。いっぱい怒られていっぱい叩かれて蹴られたけど(今だったらアウト?笑)、大好きな監督の下でプレーできた小学生時代。この時期がなければこんなに楽しいサッカー人生はなかった。県内有数の選手たちが集まり、九州リーグや全国大会を戦った中学時代。純粋にサッカーがめちゃくちゃ楽しかった。理不尽に耐えながらも、全校応援・リーグ優勝・プリンス昇格を果たした高校時代。きついこともすべてが青春だった。そのほか、ここには書ききれないくらい濃いサッカー人生の集大成がこれから始まる。元チームメイトをみてみると、高卒でプロ入りして過酷な舞台で格闘してるやつ、大学サッカーで活躍してるやつ、腹をくくり単身海外に羽ばたいたやつら、自らチームを作って奮闘してるやつ。もうサッカーを辞めちゃったやつもいるけれど。あいつらに俺まだ頑張ってるよって胸を張って言えるように。





私の人生をこんなに豊かにしてくれてサッカーで、最後に自分の存在価値を。




残された期間はあと1年間。
舞台は整った。
あとはやるだけ。





3年生の皆さん。
是非、力を貸してください。
一緒に戦ってほしいです。
普段は敬語も使わない生意気な後輩ですが(ほとんど同い年だけど)
絶対後悔させないと断言できます。
グラウンドで待ってます。




同期のみんな。
みんなといると自分の考えの浅はかさに気づかされます。
俺にない深い考えや柔軟な意見にはいつも感心させられます。
このチームの発展のためには絶対にみんなの力が必要です。
これから苦楽を共にしていくことが楽しみで仕方ない。
一番信頼しています。
この1年間共に戦おう。




後輩のみんな。
もしかしたら頼りない先輩だなって思ってるかもしれないけど
1年間ついてきてください。
のびのび活動してください。
どんどん先輩に噛みついてきてください。
来年、君たちにいろいろなものを「遺す」ことを約束します。





このチームに関わる全員が、国大サッカー部を誇りに思えるように1年間邁進します。






勝とう、次こそは。




横浜国立大学体育会サッカー部   鮫島汰希

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