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主将≠リーダー 3年 栗田寛大

平素よりお世話になっております。
横浜国立大学理工学部3年の栗田寛大です。

初めに、日頃よりご支援いただいているスポンサー様、OB・OGの皆様、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。首脳学年になりスポンサー様 No、OBの皆様と直接関わる機会が増え、皆様の多大なるご支援により私たちの活動が成り立っていることを今まで以上に強く実感いたしました。今後ともご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。

さて、今年はYouTube企画で年明け早々に全世界に寝顔をさらした私ですが、それももう9ヵ月前になるということで時間の流れを感じています。まだ全体の構成など何も浮かんでいないまま書き始めていますが、主将として過ごしたこの1年を振り返りながら自分の思いを綴っていきたいと思います。



主将になったがリーダーになれているか。



自分の中で今年何度も問いかけたことである。主将という肩書きはあるがそこに本質はない。本質として、リーダーとしての振る舞いはできているのだろうか、リーダーとしての役割は果たせているのだろうか。1年を通してこの問いに何度もぶつかってきた。

試合に出られなかったり、そもそもプレー自体出来ない時期があったり、思い描いていた様なチームを引っ張る姿を全く実現できなかった。毎回の活動でみんなの前で話をする。でも内心ではこんな試合に出ていない人間の発言に重みや説得力などないのではないかとずっと思っていた。しかも、同期に「もっと感情を出していいんじゃない」と言われるくらい感情を出すことが下手で、特に全体の前で話すときはなかなかうまく表現できず、強く言わなければいけないと思っていても気持ちを100%伝えられていないなと感じることが多くあった。

代が替わったときのことを思い出すと、主将になるということに気合が入っていて、色々なやりたいことがあった。部のことは全部把握しておきたくて、サッカーのことも事務的な運営もたくさん気にかけてやっていた。でも上手くいかないことだらけで、たくさん失敗してきた。しかし、今思えば1番良くなかったのはその失敗を気にしすぎて色々考えすぎたことで、自分が1番自分を追い込んでいたことだ。本当に未熟だった。


そんな私が今年力を入れたこととして選手一人一人とのコミュニケーションがある。練習の前後、メニューの合間、トレーニング室など様々なところで今まで以上に部員とコミュニケーションを取ることを心掛けていた。これは私の得意であり好きなことである。全体に話すよりも個人同士のほうが話せる。そこからの信頼や関係性の形成が自分にはあっていると思っていた。長くしゃべりすぎて、同期においていかれることも多々あったが、私にとってあの時間は非常に大事な時間だった。いい迷惑だったかもしれないけど、付き合ってくれたみんな本当にありがとう。



去年のブログにこんなことを書いていた。
“来シーズンの個人的な目標の一つはシーズンを戦いきるということです。これは私にとって非常に高い壁だと思います。それでも、もしそれを達成できたなら来シーズンは人生で一番充実したシーズンになるでしょう。1年後この答え合わせをしたいと思います。”

答え合わせとしては、この目標は早々に断念となり、開幕から離脱。復帰後もなかなかコンディションは上がらず、なかなか試合には出られず、選手としては非常に悔しさの残るシーズンとなってしまった。

途中出場やサブのカテゴリーで試合に出ることが多かった。情けない。悔しい。そんな気持ちに覆いつくされていた。夏にはポジションが変更になった。ついにポジションすらも変えられてしまったのかとショックだった。でも、これが転機だったと思う。新しいポジションになって自分のプレーと向き合う時間が増えた。結果的にそれまでよりもコンディションが上がっていった。そしてこの時期はチーム全体としても前期と比べて明らかによくなっていると実感していた。

考えすぎな性格は変わらないもので、悩みが尽きることはなかったが、それでもサッカーを楽しむという部分を取り戻したと思う。去年のブログのタイトルは「楽しむための強さ」であった。ブログのタイトルにもして、自分の中でテーマとしていたことをいつしか忘れてしまっていたのだと気づいた。

このような転機を経て、後半戦にようやく出場時間が増えてきた。ピッチに立てばたくさんの声援があった。ポジションがサイドに変わってからは今まで以上に応援の人たちの声がよく届いて、本当に力が出た。何もプレーに関与していないのに私の名前を叫んでいる人もいたが、それすらも私にはとてもありがたい声だった。主将たるものみんなを背中で引っ張るべきかもしれない。けれど、みんなには何度も背中を押してもらった。つらくても、苦しくても、みんなのおかげで頑張れる。だってこのチームとこのチームのみんなが私の頑張る動機だし、勝ちたい理由だから。

私は常に何歩も前を歩いているような存在ではなかったと思う。半歩分かもしれないし、並んでいたかもしれない。それでも確実にこのチームのみんなとここまで歩んで来た。果たしてこれがリーダーの形として正しいのかはわからない。格好良くはないかもしれない。でも今はこれが自分なりの答えだといえる。



最後に少し部員へのメッセージを
4年生へ、
まずは4年生までサッカーを続けるという選択をしてくれてありがとうございました。どれくらいの人ともう1年やれるだろうと不安でしたが、みんな残ってくれて、本当に嬉しかったです。たくさん不満を溜めさせてしまって、それでもついてきてくれて、たくさん力を貸してくれて、本当に頼もしく、大きすぎる先輩方でした。
あと少しだけ力を貸してください。


1年生へ、
サッカー部に入るという選択をしてくれてありがとう。入学して色々な環境が新しくなったと思うけど、サッカー部でのこの数ヵ月がみんなにとって有意義なものになっていたらうれしいです。既にAに絡んでいる選手もBで過ごしている選手も君たちの大学サッカーはまだまだこれから。来年のさらなる成長に期待しています。


2年生へ、
一筋縄ではいかない学年。正直何度も頭を悩まされた。けれど去年よりもみんなの色々な一面を知れたし、関係は深まったと思う。プレーでは多くの選手がスタメンに名を連ね今年のチームを間違いなく支えてくれた。トップにはなかなか絡めなかった選手も、ものすごく成長をした選手がたくさんいて、その成長は私にとってもすごくうれしいものだった。
まずは残りわずかとなった今シーズンのためにもう少しだけ力を貸してください。そして、もうすぐ始まる君たちのチームにその一人一人の個性を存分に活かしてください。


スタッフのみんなへ、
毎練習、毎試合最高のサポートをしてくれて本当にありがとうございます。冬の極寒の朝でも夏の地獄のような暑さでも文句も言わずにサポートしてくれて、ここまで一緒に戦ってくれて、今のチームにとってみんなの存在は絶対に欠かせないものとなっています。プレーヤーとは違ってピッチに立つことはないけれど、みんなのサポートのおかげでプレーヤーがピッチで全力でプレーできています。
あと少し、最後まで一緒に戦ってください。


3年生へ、
一人一人書き出すときりがないのでここではみんなに向けて。
あんなにもたくさんの呼び方で俺のことを呼ぶのは君たちだけだよ。いくつ作り出すのだろうか。そんな君たちといると笑いが尽きることはない。結構みんな自分の意見は言うし、それが合わなかったりぶつかったりすることもあったと思う。けれど、次の日にはもう笑いのネタになっているなんてことも少なくない。逆にそんな感じだからみんな言いたいこと言っているのかもしれないとも思ったりする。今年たくさん悩んできたけど、みんなといると考えすぎている自分が馬鹿に思えるくらいだった。

そんなみんなは今年しっかりと首脳学年として成長を見せてくれて、チームのことをたくさん考えて行動してくれたと思う。日々の活動はもちろん、地域の祭りや合宿などそれぞれが部のために動いてくれて、活躍している姿はとても頼もしかった。俺ももっと頑張らなきゃと思えた。お互いがお互いを支えあって、誰一人として欠けてはならない大事なピースだった。
プレーでもたくさんの成長を見せてくれた。些細なプレーでもあいつ上手くなったなと感じることが増えた。Aチームに同期が増えたらとてもうれしかったし、同期が点を取ったら自分のゴールと同じくらい喜べる。これは当たり前のことでは無い。そう思えるような仲間に出会えた俺は最高に幸せだ。
残り僅か、最後まで力を合わせて、俺ららしくやり切ろう。





前半はネガティブな内容が少し多くなってしまったが、それも含め、これまでの良いこと悪いこと全てが糧となって今この瞬間を作り上げている。
残り1試合。
これまでの戦いに、そして主将としての1年にどんな意味を付けられるか。

すべては最高の仲間と最高の瞬間を分かち合うために。



横浜国立大学体育会サッカー部74期主将 栗田寛大

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