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「冷焔」 4年 小林快

好きで始めたサッカー


いつしかプロを目指すことを辞めてもサッカーを辞めたいと思う日はなかった

「サッカーが好きだから」
それだけでどんなに苦しい日があってもここまでやってきた


そんなサッカーもあと2週間で終わる





よくアマチュアに引退は無いと耳にする



社会人サッカーの誘いも受けるし魅力的に思うこともある




しかし自分の場合、完全にサッカーを引退する


おそらく2度とボールを蹴ることはないと思う



なぜか




それはサッカーに対する心の炎があと2週間で完全に消えるから





3度目の前十字靭帯断裂から復帰を目指すと決めた日から心の炎を燃やし続けた


手術がどれだけ痛くても


リハビリが上手くいかなくても


親からサッカー辞めろと言われても


「身体のキレは戻らない」と言われても



どんなに逆風が吹いても心の炎を燃やし続けた



自分だけは自分のことを信じ続けた



これだけ苦しい期間は人生で2度とないだろう



そしてサッカーに復帰することができた



サッカーできる喜び、幸せをこれでもかと感じた


復帰戦のゴールも駆け寄ってきた原の嬉しそうな顔も忘れることはないだろう



多分その時が一番燃え盛っていたと思う





そこからどうしたことか今に至るまで炎は弱まり続けている


今までと異なるボールタッチの感覚


前まで攣る感覚すらわからなかったのに60分で攣る足



恐怖感で100%でいけないディフェンス


全体練習後だと痛みでできない自主練


「最近、調子悪いですか」と聞かれたり



嫌になることばかり




正直サッカーをプレーすることに対しての炎は消えかかっている


今はみんなで勝利の喜びを分かち合うためだけに頑張れている


サッカー自体に楽しさを見出すことができない


良いやめ時だなと思う


でもサッカーを続けたことに後悔は微塵もない


出し切ったから


細部にこだわり続けたから


できること全てを本気で取り組んだからだと思う



サッカー漬けの日々もあと2週間


残り2試合勝てば一部昇格が決まる


最後の10月20日にAチーム、Bチーム関係なく横国のグラウンドでみんなと昇格の喜びを分かち合いたいと思う


その瞬間までは心の炎を燃やす




 

最後に

まずは主治医の大野先生
計4回もの手術ありがとうございます。
怪我するたびに本当に残念そうな顔をするのでとてもこっちも心が苦しかったです。サッカーを続けたい旨を伝えると「目指すところはだいぶ低くなる」と何度も言いおそらく自分のことを想ってサッカーを何とか諦めさせようとしてくれてたと思います。でも最後サッカーできて良かったです。
あとは検診と抜釘手術の連絡を無視し続けてすみません。10月下旬に早急に病院に行きます。


次に同じ境遇にいた方々
怪我の性質上、復帰できるかわからないことと長すぎるリハビリ期間のせいで何度も心が折れかけました。でもピッチで躍動する人、SNSで発信してくれる人、相談に乗ってくれる人が本当に力になりました。ありがとうございました。


そして支えてくれた全ての人へ
こんな自分を応援してくれたり、復帰を一緒に喜んでくれたり、筋トレのモチベーションを上げてくれる人がいたおかげでここまでやってこれました。
本当に全ての人に感謝しかないです。



復帰した3月から引退までの8ヶ月間は18年近いサッカー人生の中でも特別で夢のような時間でした。

ありがとうございました!

横浜国立大学体育会サッカー部4年 小林快






































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