デジタルマーケティング『CVR改善の鉄板施策』〜コミュニケーション設計 攻略編〜
デジタルマーケティングで再現性高く成果を上げていくには、どうすればいいでしょうか?
デジタルマーケティングには、「守破離」があります。まず取り組む守の型としては、①クイックに成果があがる鉄板施策の実施です。
すでに高い確率で成果を上げられることが実証済みの定石を活用して、短期的に成果を上げることができます。
続いて、破の型としては、②仮説に基づく独自施策の実施です。
定石が反映された後に、さらに成果を伸ばすために、顧客理解を深めて独自施策をうって拡大させます。
最後の、離の型としては、③ナレッジの横展開+PDCA体制の構築です。
デジタルマーケティングの水準を高めるために、PDCAで施策を洗練させ、再現性の高い体制にします。
今回は、守の「クイックに成果があがる鉄板施策」の中でも、まず最初に取り組む施策、「獲得」の鉄板施策の一部を紹介します。
集客先である「WEBサイト」や「ランディングページ」などの成果を如何に最大化するかが「獲得の鉄板施策」のメインテーマになります。
獲得効率(CVR)を改善する鉄板施策とは
こちらの記事「デジタルマーケティング『CVR改善の鉄板施策』〜入口設計攻略編〜」では、「入口設計」の鉄板施策をご紹介しました。
ただ、WebサイトのTOPページやランディングページなどにおいて獲得効率(CVR)を改善するには、「入口設計」だけでなく「コミュニケーション設計」「出口設計」という3つの設計が重要になります。
今回は、顧客のニーズや障壁となる不安を把握して、ゴールを達成してもらうまでのコミュニケーションを作り込む「コミュニケーション設計」について説明します。
コミュニケーション設計①顧客視点で優先順位の高いものから説明する
ひとつめの鉄板施策は、「顧客視点で優先順位の高いものから説明すること」です。
顧客は見たいものしか見ず、ましてや顧客の優先度を変えることはできません。
事業者が伝えたいことではなく、顧客にとって優先度の高い情報から載せることが重要です。
サービスの基本情報を知りたいのになかなか見つからない、費用感を知りたいのに見つからない、むしろブランドストーリーが全面に出ている!
といったフラストレーションがある瞬間に、顧客は離脱します。
そのため繰り返しになりますが、ページは最後まで見てもらえると思わず、優先順位の高いものから設置していくことが重要です。
また、ユーザ行動観察調査を行うことで、顧客が検討するうえで何を優先しているのか、目的や文脈を把握することで、さらに精度を上げることができます。
このユーザー行動観察調査については、後ほど説明いたします。
コミュニケーション設計②不安払拭コンテンツを設ける
続いての鉄板施策は、「顧客の不安を払拭させるコンテンツを設けること」です。
例えば、
・専門コンサルタントが無料の相談対応します!
・導入後のサポート体制が充実
といった訴求は、導入から運用までの安心感を得ることができます。
特にBtoBにおいて顧客が気にすることは、細かい金額よりも、失敗しないことや面倒なことを避けたいという心理です。
発注して導入した後で、失敗して上司に怒られるといった事態を避けたいものです。
顧客は購入検討するうえで、多くの種類の「不安」を感じます。
もちろん、商材や検討者のリテラシーにもよりますが、代表的な例では下記のような顧客が抱える「6つの不安」があります。
・どんなサービスなのかな?という「信用」に関する不安
・面倒ではないかな?キャンセルはできる?という「契約」に関する不安
・再現性はあるかな?という「普遍性」に関する不安
・私にも使うことができる?という「使用」に関する不安
・納品が間に合うかな?という「納品」に関する不安
・アフターケアは?という「保守」に関する不安
これらの不安を丁寧に解消することで、顧客の背中を押すことができます。
そしてここで重要なのは、事業者側が当たり前と思っていることでも、初めて検討する顧客は不安に感じるということです。
例えば、「初期費用が0円」のような内容は、当たり前のことでも顧客はポジティブに反応するため、省かないようにしましょう。
事例_不安払拭のコミュニケーション設計
介護サービス「不安払拭のコミュニケーション設計」の事例です。
介護サービスは、検討者と利用者が異なり、利用者との関係性も影響します。
そのため、
・「これなら安心」となる不安払拭のコミュニケーション
・選択の理由づけや納得感の醸成
は不可欠となリます。
例えば、「月額料金が安い」とうたっていると、安いとサービスが悪いのではないか?と、むしろ不安を与えてしまうケースです。
そこで、低価格サービスである理由について詳しく解説し、低価格であることの納得感を醸成させることが大切です。
また、送迎距離や施設概要などの基本情報だけでなく、料理の献立やスタッフのホスピタリティ精神なども情報発信されていると、安心して親に紹介できます。
「検討者の都合」だけでなく、「利用者の目線」のメリットに留意したメッセージングが非常に重要になります。
コミュニケーション設計③導入事例コンテンツを設ける
続いての鉄板施策は、「決裁者への説得材料となる導入事例コンテンツを設けること」です。
入口設計の鉄板施策で「導入実績」については説明しましたが、さらに導入事例のコンテンツは決裁者への説得材料となり得るので、見せ方にも工夫したいところです。
導入事例コンテンツが少ない場合や、キラーコンテンツとなる企業が少ない場合もあると思います。
そうなった場合にも工夫は必要です。
・業種別に導入企業を掲載するなどして対応範囲の幅見せる
・中小企業から大手企業まで〇〇社導入と規模感を記載する
・某飲食メーカーに導入して、〇〇の効果を達成など、
など、具体的な効果を記載し、実績の豊富さのアピールを検討してください。
コミュニケーション設計④知りたい情報への導線を整える
続いての鉄板施策は、「知りたい情報へすぐにアクセスできる導線を整えること」です。
知りたい情報にアクセスできる、丁寧な説明があるといった、見やすさ・探しやすさを馬鹿にしないことがとても重要です。
顧客は目的を達成するためにサイトに訪問しているため、目的の達成できるメニューがないと離脱してしまいます。
こちらのサンプルサイトの上部にナビゲーションがありますが、人によっては「導入の流れ」、人によっては「強み」を知りたい場合もあります。
比較検討するものであれば、まずは「料金」について知りたい場合もあります。
このように顧客が知りたい情報に、すぐにアクセスすることができる導線を設計します。
逆にいうと、サイトに来訪したときに、いきなり見たいかもわからない動画を見せるなどは、即閉じられることが多いです。
補足ですが、今やネット・SNS・YouTubeなどで、多くの情報を得ることができます。
顧客は店舗で接客を受ける前に、既にWEB上で情報収集・比較検討しているケースがとても多いです。
実際のユーザー調査の声では、
・実店舗に行く前に、ネットで分かる情報はある程度調べていくようになった
・コロナの影響もあり、とりあえず店舗にはいかず、ネット上であたりを付けて訪問するようになった
といった声はとても多いです。
要するに、ユーザに対していかにWEB上でサービス(商品)の理解度を深化させられるかが重要になってきています。
顧客が来店や商談するまでのプロセスにおいて、情報収集・比較検討のしやすいWEBサイト設計を行い、ユーザビリティ向上を目指す必要があります。
事例_写真・動画の視覚情報の重要性
これまで説明したような顧客の検討行動の変化を踏まえた上で、特に写真や動画などの視覚情報で検討度合いを高める施策が増えてきています。
こちらは、中古車・インテリアショップの事例です。
こちらのインテリアショップや中古車の商品ページでは写真を非常に多く掲載しており、さらに中古車は汚れが目立つ部分の写真も掲載しています。
私自身も年間数百人レベルで調査を実施していますが、写真が少ないといった理由で離脱するユーザーを何度も見てきました。
当たり前かもしれませんが、商品情報が充分に開示できていないと、比較検討の段階で他社と比べて足切りされる可能性があります。
特に写真での情報量やバリエーションは一定量担保することで、WEB上での情報収集・比較検討において、購買意欲を醸成することが可能になります。
以上が、Webサイトの獲得効率(CVR)を改善する、コミュニケーション設計の鉄板施策です。
すぐにでも使うことができるので、今一度自社のWEBサイトの現状を確認し、改善してみてください。
最後に。日経ビジネススクールの講座紹介
日経ビジネススクールのオンデマンド動画講座では、「デジタルマーケティング戦略立案」について、より詳細を解説しております。
デジタルマーケティング戦略立案において、概念的な基礎知識だけなく、実践的で再現性の高い「戦略立案方法」を解説しております。
ご興味があれば是非試聴してみてください!
講座の想い
「未経験でもデジタルマーケティングを活用してもらいたい!」
私自身は、営業出身で新規開拓営業からソリューション営業まで多くの企業様への営業経験をさせてもらい、そこで強烈に感じたのは、ほぼ100%に近いクライアントがデジタルマーケティングに課題を感じており、「事業を生かすも殺すも、デジタルマーケティングをものにできるか否か」といった現実でした。
そこから、デジタルマーケティングの必要性を強く感じ、未経験でデジタルマーケティングのコンサルティング業に思い切って転身。
そして、BtoC、BtoB問わず、大手企業からベンチャー企業までデジタルマーケティングを活用した事業成長支援を、通常の倍速以上で濃縮に経験させていただいております。
もちろん、クライアントへバリューを提供するために、ご飯を食べるように書籍や動画など、デジマケ関連の情報は読み漁りました。
そこで感じたのは、WEB広告、SEO、SNS、LP改善などなどなど施策単位のナレッジ・方法論は人生賭けても読みきれない程解説されていますが、「何をすべきか?」の戦略的な問いに対して理解することが難しいと感じました。
というのも、デジタルマーケティングは、「施策メニューが多い!分析データ量も多い!」と「忙殺の沼」にハマるといった落とし穴が多いからです。
今回の日経ビジネスクールの講座は、デジタルマーケティングは何から始めるべきか?といった問いに対して、「顧客文脈」と「競争環境」から紐解いていけるように解説した講座になります。
デジタルマーケティング特有の横文字が多いのはご容赦いただきたいのですが、デジタルマーケティングに関わる方には、お役に立てる講座です!
僕自身がそうであったように、未経験でも体系的に理解できるように、出来る限り解説しております。
是非、ご興味あればご試聴ください。拡散も嬉しいです。
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