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#32 🎞️📷 初心者向けにフィルムカメラを使う時に知っておきたい、と私が思う事。

大した事では無いけれど、フィルムカメラ初心者の方が居たら、これは知っていても良いのでは無いだろうかという事を私なりにまとめてみました。

有る程度フィルムカメラをして来た方であれば常識の話だと思うので、有識者の方はスルーして頂けたらと思います。
初心者向けと言う事でいつもより噛み砕いた文章にしてみたいと思う。




フィルムカメラのブーム来ていたのですね

今回の記事を書くキッカケとなったのがこちらの動画である。

少し前に若者にフィルムカメラが流行っているような話を聞いて、もう過ぎ去ったのかと思っていたのだけれど、まだまだフィルムカメラのブームが続いているのであれば嬉しい事である。

少しでもその力になれればと思う。

フィルムの基礎知識

フィルムカメラで使われる一般的なフィルムは、光が当たる事で像をそこに写すのである。(感光と呼んでもいい)
そして、現像する事によってその像を固定する。
その為、現像するまでは光が当たるたびに像が写され続けるという事は覚えておきたい。
つまり、撮影途中で裏蓋を開けてしまうと撮影した写真が真っ白および真っ黒に飛んでしまうという事だけは気を付けなければならない。


意図していない感光の例
左側はわざとエフェクトとして出しているわけではない
デジタルだとわざとこういう処理をするのを見かけますね



現像後のネガは、光が当たっても感光する事はないけれど劣化していくので涼しい暗所で保管するのが良い。

ちなみに、感光したところにもう一度像を写して重ね合わせる事を多重露光ともいい、これは意図して行われるもので撮影方法のひとつである。

フィルムの区分、種類

フィルムカメラと言えばまずは、フィルムである。
このフィルムには、サイズや写真としての出来上がり方に種類の違いがあるので簡単に説明したいと思う。


現像代だけどれだけの費用がかかるのか
考えるのが恐ろしいがきちんと撮影していこうと思う


フィルムサイズについて

これは文字通りフィルムの大きさを表している。
この記事を見てくれている殆どの方は35mmフィルム(135mmフィルムとも呼ぶ)という物を使用すると思う。
それより小さなものだと110mmフィルムでワンテンフィルムと呼んだりもする。大きなものだと120mmフィルムでブローニーフィルムと呼んだりする。

ハーフサイズのカメラであっても35mmフィルムを使用する。但し、半分にして写す為倍の数写真が撮れると言う事になる。

デジタルカメラのフルサイズセンサーは、35mmフィルムと同じ大きさのセンサーである。



恐らく初めての方は使う事はないであろうフィルム
左から、APS-C、120mm、110mmフィルムである


上から見るとこんな感じ
今回はこちらの35mmフィルムについての記事となる
12枚、24枚、36枚と同じ形でも
撮影枚数が違うのに注意しよう

フィルムの種類について

フィルムには大きく分けて3種類ある。
また本記事では、現像後のフィルムについてはすべて”ネガシート”という名称で統一する事にする。


左からネガフィルム、ポジフィルム、黒白フィルム

1つ目がネガティヴフィルム、カラーネガフィルムやネガフィルムとも呼ぶ。


出来上がった物を見ると色が反転している為茶色や黒っぽい物となっている。
ラチチュードという、明るいところから暗いところまで写せる範囲が広めとなっている。デジタルカメラでいうところのダイナミックレンジが広いといっても良いだろう。

追記20241013
ラチチュードはダイナミックレンジとは別物で、適正露出から外れても許容できる範囲、の事なので表現としてのニュアンスは問題無いけれど、厳密にはデジタルカメラのダイナミックレンジとは違う事を一応記しておく。、

一部改造されたフィルムもあるので注意が必要である。富士フィルムやコダック、ロモグラフィー等の大手メーカー以外のフィルムを使う場合は購入した店舗での現像をおすすめする。
改造フィルムだった場合現像店に迷惑が掛かるので気を付けよう。


こちらがネガフィルムのネガシートである
色が反転している為このままではどんな色味かわからない

2つ目がポジティヴフィルム。


別名リバーサルフィルムやスライドフィルムと呼ばれていて、出来上がりがそのまま写真の様な色が出てい物となる。ネガシートの時点で出来上がりが出来る利点と、ネガフィルムよりはラチチュードが狭いという欠点がある。
また、ネガフィルムより高価で現像に時間がかかる。


ネガシートの状態で綺麗に色味がわかる
実物はもっと鮮明で綺麗なのだがぼんやりして見えるのは
私が撮影を適当に済ましているからである


デジタルカメラで言うと、ネガフィルムはRAW、ポジフィルムはJPEGと例えられる事が多いように思う。なので、ポジフィルムはネガフィルムよりは露出には気を付けて使う必要がある。

私は、ポジフィルムを陽射しに透かして見るのが好きなのでネガフィルムよりポジフィルムをオススメしたい。
データ化して使う事がメインになるのであれば、ネガフィルムの方が良いかもしれない。

3つ目が黒白フィルム、一般的にはモノクロフィルム。


字の如く、黒と白に加えてその、グラデーションの灰色のみのフィルムとなっている。 
ネガフィルムやポジフィルムに比べると現像がやり易いらしく自家現像(自分の家で現像処理する事)に挑戦してみても良いかもしれない。


黒白フィルム。

フィルムカメラのISO感度について

露出という写真の明るさを決める要素の1つとなるISO感度だが、デジタルカメラと違ってフィルムカメラは使用しているフィルムで決まってしまい1枚1枚変更することはできない。
撮影するシチュエーションによって選んで使おう。

数値が低い程、明るい場面での使用に向いている。
加えて、数値が低い程、粒子感(粒状のノイズのようなもの)が少なく綺麗に写る。
小慣れてきたら、あえて高めのISO感度の物でわざと粒子感を出すのも面白いかもしれない。

100〜200は天気の良い日中。
400は日中から夕方。
800〜1600は夕暮れから夜。
この位を目安にしてもらえたらと思う。


パッケージに書いてある事もあるので参考にしよう
パトローネに書かれている数字がISO感度となる
写真だと左から、100、400、800、1600

パトローネの返却

撮ったフィルムはカメラから取り出した後に、現像が必要になる。
カメラのキタムラやパレットプラザ、他のカメラ写真のお店にて現像をお願いする訳だがその際にパトローネの返却をお願いしてみるのも良いだろう。
ネガフィルム以外は返却してくれないかもしれないが、ここら辺は店次第だろう。


お店で現像する際には

フィルムを現像に出した際には、どのような形にするかを選ぶ事ができる。プリントアウトして紙媒体の写真にするか、スマホに転送や、CDに焼き付けしてもらう事が可能だ。
またデータ化する際には、低画素、高画素でのデータ化によって写真の解像度は変わるだろう。

私のおすすめは、高画素データ化とCD焼き付けである。
また、ネガは捨てずに保管しておくと後々に良いことがあると思う。記事の最後にそれについては書いてみるので出来ればこのままお付き合い頂きたい。

ちなみに、私のオススメの現像屋さんは奈良写真現像屋様である。
ステルスマーケティング、所謂ステマでは無いのだが勝手にお勧めさせて貰おうと思う。
カメラのキタムラ等お店より安い事と、リバーサルフィルム等の現像の際にパトローネの返却もしてくれる。ブローニーフィルムも現像して頂けるので、私としては最高の一言に尽きる。

カメラのキタムラ様やパレットプラザ様での店舗だと、35mmのネガフィルムに限り当日受け取りが可能だと思う。
35mmフィルム以外や、ポジフィルム、黒白フィルムに関しては1〜2週間後の受け取りとなる事が多いだろう。

対してネットで現像してくれるお店の場合、送料が掛かるし時間が掛かるけれど安く済む事が多いので、慣れてきたら数を撮ってまとめて現像に出すのが私のお勧めである。
ただし、現像していないフィルムというのは時間が経てば経つほど劣化していくものなのでなるべく早く現像に出した方がいいことだけは覚えておいて欲しい。

期限切れフィルムを使う時の注意点

フィルムの高騰や廃盤により、期限切れのフィルムに手を出す人も居るだろうから、私の経験を書いておく。
ISO感度が低い物で期限切れ8年未満であればまだ使えると思うが、それ以外は手を出さない方が良いだろう。使えると書いたものの多少の劣化はあるので注意だ。
また、8年未満でも保管状況で大きく変わるので参考までにして欲しい。
そもそも私の経験論なので、絶対ではない。
あとは、期限切れフィルムはなるべく使わない方がいいという前提である。

期限切れフィルムを使う際は一段低めのISO感度として扱う事を推奨する。
例えば、ISO感度200のフィルムであれば100感度のフィルムとして露出を決める、と言った感じである。

フィルムカメラにフィルムを入れたらISO感度を設定する事も忘れないようにしよう。
自動で読み込みしてくれるタイプもあるので、その時は手動でISO感度の設定をやり直す必要があるかもしれない。
もしくは、露出補正で少し明るめに撮影するようにしよう。(+1〜2を目安に年数が経てば経つほど明るめにしよう)


あまりにも期限が切れているフィルムだと、
色がおかしい事があるという例
露出が適正でも色味がこうなると使えないのがわかるだろう
こちらも期限切れフィルム
これはこれでエモいと思う人もいるかもしれない


せっかくお金を掛けてフィルムカメラで写真を楽しむのであれば、写りがイマイチな期限切れフィルムより、やはり新品で期限内のフィルムを私はオススメしたい。
あくまで期限切れフィルムで撮影する時の小ネタとして紹介したという事はご理解頂きたい。

中古カメラを購入する時に気を付けたいこと

フィルムカメラは沢山の種類があり、高い物から安い物までピンキリである。フィルムが高くなっていくのでカメラの値段をなるべく抑えておきたい気持ちもあるだろう。

フリマアプリでのカメラ購入について

数年前であれば、フリマアプリでの購入は良いと思っていたが最近は転売ヤーの台頭によりおすすめはできない。
ちゃんとしたお店で買うのはフリマアプリより値段が高いが、フリマアプリで不良品を買ってしまい修理費や追加で同じ機種を買う等して結局高くなる可能性があるので、お店で買う事をおすすめする。

少し前までは、フリマアプリには稼ぐより不用品の処理の意味合いでの出品が多かったのだが、今は稼ぐ事を重きにおいた出品が多い印象なので、使用していたカメラというより安く仕入れたカメラを点検せずに売り捌いているように見受けられる。
知識が無い初心者にはオススメできない。


カメラの不調によりシャッタースピードが
きちんと出ていないと思われる例
(シャッター幕の動作不良)
フリマで買うカメラだとこのような
不具合があるかもしれない


古いカメラを狙うという事

それでももし、フリマアプリなどで安いカメラを狙うのであればまず欲しいカメラの事を調べる事をオススメする。使い方とかではなく、故障や修理と言ったワードを入れてそのカメラにはどんな欠点があるのかを調べておこう。
私が知る限りだと、電池室の劣化、露出計の故障、ミラーアップの不具合等壊れやすい場所は決まっているのでその部分に注意していれば安く手に入る可能性もある事は記載しておく。
おすすめはしないがもし買うなら、という程度に留めておく。なるべく信頼できる店舗で買う事を私はオススメする。

オススメのフィルムカメラ

出来れば新品のフィルムカメラがおすすめなので、PENTAX17が良いのだけれど、私が使って来たフィルムカメラの中で安くて使いやすいカメラをオススメしたいなと思う。
完全な独断と偏見なので参考にして頂けたらと思う。

なお、あくまで正常品を手に入れる前提のおすすめということで了承頂きたい。

1.PENTAX me super

以前にも記事で紹介しているので詳しくはこちらを読んで頂きたい。

簡単に説明するのであれば、安くて小さい一眼レフフィルムカメラである。
それでいて露出は自動でしてくれるので、ピント合わせさえマニュアルでしていれば、何も考えずに目の前の景色に集中してシャッターを切れるカメラである。
レンズのマウントがKマウントなので、選択肢が多いのも魅力的だと思う。


一眼レフにしてはコンパクトだと思う
あとは何より使いやすい



2.YASHICA  ELECTRO 35

こちらは、まだ記事にしていないので使い方は各自で調べて欲しい。
その内記事として書きたいとは思っている。

簡単に説明すると、レンズ固定式のコンパクトフィルムカメラとなっている。
露出は自動出会わせてくれるので、ピント合わせさえ手動ですれば難なくシャッターを切る事ができる。
それでいてレンジファインダーなので、ライカには手が出ないけど、という人にはおすすめである。


なかなか可愛いカメラだと思う
デジタルトイカメラとして復刻版も出ているカメラである


3.CONTAX TVS


こちらも記事に出来ていないので、使い方は調べてもらう事になる。
人気のCONTAXシリーズの為、少し値が張るもののCONTAX T1やT2よりは安く済む筈である。
ズームレンズ搭載のオートファーカスが付いたレンズ固定式のコンパクトフィルムカメラである。


見た目も可愛いし、オートフォーカスなので使い易い

4.rollei35

こちらは、以前記事にしているので詳しくはこちらを読んで頂けたらと思う。

小さくて写りも良いレンズ固定式のコンパクトフィルムカメラである。
ただし、このおすすめの中では1番扱いが難しいので初心者向けかと言われると微妙なのだが、せっかくなので機械式フルマニュアルカメラを体験したい、小さくオシャレなフィルムカメラを使いたいという人にオススメしておく。
  


デザインも良いがコンパクトさと実用性の
性能美を体現したカメラだと思う


5.写るんです

1番手軽にフィルムカメラを体験したいのであればコレだろう。
正確にはレンズ付きフィルムという分類になるのだが、細かい事は気にしない。

ちょっと値段が上がり過ぎている感じがしなくも無いけれど、お手軽なのは間違いない。
でもできれば、使い捨てのカメラよりは、愛着を持って長く使えるようなフィルムカメラを選んで欲しいと思う。

終わりに

フィルムカメラ初心者の方がこの記事に辿り着くのかわからないけれどこんなところだろうか。

途中で期限切れフィルムについて記載したが、出来るのであれば新品のフィルムをおすすめする。
フィルムカメラは、デジタルカメラより画質甘いように書かれる事が多いが、意外とそんな事は無いと私は思っている。
ネガにした後にスキャンする機械の性能で左右される事も考慮しなくてはならないからである。
600万画素のスキャナーでスキャンする限りは、写真は600万画素止まりという訳である。
6000万画素のデジタルカメラでスキャンすればもっと綺麗な写真として残せるだろう。
ただ、フィルムで撮った写真を結局デジタルにするのであればそれはデジタルカメラで最初から撮れば良いという人もいるかもしれない。


逆に考えると、ネガシートで残しておけば遠い未来でスキャン技術の進化により今のデジタルカメラで撮る写真より綺麗になる可能性もある、という訳である。
なので、ネガシートは出来るだけ大切に保管しておく事をオススメする。


ポジフィルムなら、ネガシート単体でも楽しめる
また、スキャン技術が上がった未来では
もっと綺麗な写真に仕上がるかもしれない

ネガシートをデジタルカメラでスキャンするデジタルデュープというものもあるので、コストを抑えたい人はそちらも調べてみて欲しい。
初心者には難しいと思うけれど、挑戦してみるのは面白いかもしれない。




今回はこんなところとする。
フィルムカメラがもっと盛り上がりを見せる事を祈る。
今回も読んで頂きありがとうございました。


ちなみに、私のイチオシポジフィルムはエクタクロームである。



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