#42 📷 トリミングとクロップズーム、レンズ交換やズームレンズについて

2024年10月1日 01:26

撮影した画像をトリミングする事と、クロップについて気になったので調べてみた、という記事である。
X100Fを手にした時に初めて使った機能となる。
Leica Qでも現在使っていて便利だなぁと感じるものの、詳しくない為気になってしまった。
撮影時にクロップしてズームするのと、ズームレンズでズームするのでは何が違うのか？
クロップすると画角が変わるけれど、パースは変わるのか？
いろいろ気にはなるけれど、あまり聞かない気がするのである。
昨今はセンサーが高画素化していき、ズームレンズが無くてもある程度、画角を変えて撮影をする事が可能で、SNS程度であれば画質の劣化も気にならない程度となっている。

個人的には、ズームレンズとクロップの違いって何なのか、モヤモヤとする気持ちがあったので、この記事でそれが晴れればと思う。

有識者にとっては、割と当たり前な事だと思われるのでスルーして頂けたらと思う。

①トリミングとは

撮影した画像の一部を切り取ってしまう事である。
抜き取るという方が良いかもしれない。
これは、カメラ趣味であれば殆どの人がやった事があるのでは無いだろうか？
水平を出す為に、トリミングしてから傾きを修正してたりするだろう。

トリミング中の画像
白枠外を切り取る形となる
白枠内を抜き取るという方がわかりやすいかも？

②クロップとは

撮影時に、センサーの一部を使わない事でセンサーサイズを変更するような形で画角を変える事である。
例えばフルサイズセンサーで1.5倍クロップすると、APS-Cセンサーサイズにて撮影が出来る。
そうなると焦点距離も1.5倍に、絞り値も1.5倍となる。

こちらは、X-PRO3なのでAPS-Cサイズのセンサーとなる
例えるならば、センサー真ん中の部分を使用して
周りの部分を使用しなくする形となる
先ほどのトリミングと同じである。

撮影時にトリミングしていると言った方がいいかもしれない。
細かいかもしれないが、センサーの真ん中を使っている為、レンズの性能が良いところを使っているとも言えるかもしれない。
同じサイズでトリミングする場合、場所によってはこちらの方が良いかもしれない。とは言っても微々たるものかも。
基本的にレンズは中央部が解像力が高い為、端の部分を使うトリミングの場合、という意味である。

また、クロップする事で1枚のデータサイズが減る事により連射速度が上がったり処理速度が上がったりするという利点もあるようだ。
Leica Qシリーズは、RAW撮影の場合クロップ前のデータも保存されるので、ここは機種や保存形式によると付け加えておく。

③デジタルズーム（画像の拡大）

デジタルズームでは、画像の拡大を行なっている為画像が劣化する。古いコンデジ等に使われていると思う。光学ズームが何倍まで、デジタルズームが何倍まで、合わせて60倍ズームが出来ると言った形のカメラは何台か見た事がある。
以前に所有していた、SX700HSというコンデジがそれに当たると思う。ズームテレ端では画像の劣化をかなり感じた。
クロップは、画素密度がそのままだがデジタルズームは画素密度も拡大してしまう為こちらの方が画質の劣化が大きくなる。
トリミングする時に、等倍以上に拡大した場合もこれと同じような事が起こっていると思う。

ちなみにピクセル等倍を調べたところ、デジタルカメラなどで撮影した画像を、ディスプレーと同じ解像度で表示すること、つまり画像の1ピクセルがディスプレーの1ピクセルで表示される。
というのが1番しっくりきた。

④レンズ交換、ズームレンズ（光学ズーム）

こちらは、レンズの交換やズームレンズを使用してズームする。
光学系を用いてのズームとなるので、センサーをフルに使用できる為、画素数の低下等の画質の劣化はないと言える。

レンズの交換や、ズームレンズは大きい為携帯性に欠ける分、画質は1番良い。

⑤パースペクティブ（遠近感、圧縮効果）

広角レンズでパースが効いている、望遠レンズで圧縮効果を出す、なんて言葉を聞いた事はないだろうか？
これらは、レンズの焦点距離でだいたいイメージされると思うが、ズームやクロップするとどうなるかご存じだろうか？

例えば望遠レンズで圧縮効果を出した写真があるとする。
そして、同じ被写体を広角レンズで広く写した写真があれば、同じ画角になるまでトリミングした場合パースは同じになるということである。
前提として、被写体と撮影者の距離が同じである、という事。
これは、クロップでも同じことが言える。

パースという観点から見ると、ズームレンズは無くてもある程度の画素数とクロップ機能があれば、ズームレンズを付けなくても、コンパクトに収まるのである。

以下は、X-PRO3+XF18-55mmF2.8-4.0にて撮影。
三脚は据えて無いので、多少構図のズレは許してもらえたらと思う。

換算50mmになるように狙って撮影した
またまたずれている
35mm→50mmなので、F4.0→F5.6と
ボケ感が同じになるように絞り値を調整

換算80mmになるように狙って撮影した焦点距離の指標があったのだがやはりズレている
50mm→80mmなので、F5.6→F9.0とボケ感が
同じになるように絞り値を調整
この3枚までは、光学ズームなので画素数は同じとなる

換算35mmを狙った写真を換算80mm狙いの写真ぐらいになるようにトリミングした
トリミングをしている為、画素数は落ちている
解像度は落ちていると思うが、パースは同じになるはずだ
絞り値も調整しているので、ボケ感もほぼ同じだろう
マニュアルモードで絞り値だけを変更したので、
露出は違うかもしれない

⑥クロップがあればレンズ交換やズームレンズは不要？

デジタルズームは別として、クロップとズームレンズで比較してみようと思う。
前項で、画素数とクロップ機能があれば、ズームレンズを付けなくても良い、という風に書いたが実際はどうなのだろうか？

パース的には同じなのだが、クロップすると画素数が減ってしまう。それと、ボケ量も減ってしまう。
センサーをクロップした分、焦点距離と絞り値も変化する事になるのである。
つまり、6000万画素のカメラに50mmF1.4の単焦点レンズがあるとすると、フルサイズからAPS-Cへクロップで、焦点距離が1.5倍になり絞り値も1.5倍される。画素数は、2400万画素（メーカにより異なるのでだいたいの値である）となる。
つまり、2400万画素のカメラに75mmF2で撮影した事と（画角、ボケ量）同じとなるはずである。
6000万画素のカメラに、75mmF1.4のレンズを付けていればそのままの画角とボケ量になるので、より良く画像を残したい場合はレンズを交換した方が良いだろう。
また、ズームレンズであれば画素数はそのままに画角を変える事ができる。

どちらが優れているかではなく、ここは取捨選択となる。

⑦まとまらないまとめ

Leica Qの28mmレンズで撮った写真を35mmの画角にクロップしても、28mmのパースになるのでは？と思った疑心感から調べてみて何となく納得出来るような気がしてきた。
パースペクティブは、撮影者と被写体との距離で決まるので、画角や焦点距離はあまり関係がなさそうである。
ただ、あくまでクロップしたものとしてないものとの比較という意味なのでご理解して頂けたらと思う。

なんとなく、クロップ機能は、F値が可変のズームレンズで、ただし画素数も減ると言う風に言えばわかりやすいかもしれない。
コンパクトさを取るか、画質の良さを撮るかで運用を選ぶべきだろう。
日常使いで、SNSに上げるくらいであれば元々の画素数次第にはなるがクロップで満足できそうである。
逆に野鳥撮影や、引き伸ばしてプリントする事を考えているのであればなるべく光学側で対応して、画質の劣化を防ぐべきだと思った。

あとは、広角レンズで撮影した後のトリミングの場合だと、写真端のパースが効いて歪んだ部分を抜き取ってしまったりした場合は、パースがおかしくなる事もあるだろう。
パースが撮影者と被写体との距離で決まるので、画角や焦点距離はあまり関係がない、というのはクロップの場合や歪みのないレンズ中央部での話になると思うので注意して貰えたらと思う。

例えば魚眼レンズと言われる程、広角なレンズで、撮影後にトリミングしたとしても端の方はかなり歪んでいるので、今回の限りでは無い。
あくまで、撮影時のクロップとして歪みの無い中央部を使わないいけないという事である。

いろいろ書いたのだが素人調べなので、もし間違えていたら教えて貰えると助かります。

まとめなのにまとまっていないので、クロップと光学ズームを比較した時のメリットデメリットを書いておこうかな。

クロップのメリット

1.ズームレンズや単焦点レンズを何本も持ち歩くより、システムが小型で済む。また、鏡筒が伸びたりする事も無いのでコンパクトである。
2.構図をある程度習性できる。
3.データ量が少なくて済む。
4.コンパクトデジカメの場合はレンズを買い足す必要がない。~~レンズ沼からの脱却。~~

クロップのデメリット

1.画素数が落ちるので解像度が下がる。
2.クロップしたら、ボケ感はクロップ前のレンズより換算のF値としては大きくなる。
3.画素数によりクロップできる範囲は決まっている。もしくは、許容できるクロップ範囲が決まっている。
4.クロップの為の高画素化により、暗所時のノイズが増してしまう可能性がある。

光学ズーム(ズームレンズ、レンズ交換)のメリット

1.画素数の低下や画質の劣化を最大限に抑えられる。
2.レンズ交換式カメラの場合、ズームレンズや単焦点レンズ等、選択肢が豊富である。多彩なシーンに対応できる。

光学ズーム(ズームレンズ、レンズ交換)のデメリット

1.クロップと比較すると荷物が多くなる。また、レンズ鏡筒が重くなったり、インナーズームでは無いズームレンズでは鏡筒が伸びる事で取り回しがしにくくなる。
2.レンズを買い足す必要がある。もしくは、シーンに合わせてレンズを選ぶ必要がある。

上記はあくまで、私が思い付くクロップと光学ズームを比較した時のメリットデメリットとする。
それぞれを単体で考えた時のメリットデメリットとは別なので注意していただきたい。

⑧終わりに

簡潔に言うと自分の中で疑問に思っていたを調べてみた、という記事となる。
元々はフルサイズとAPS-Cサイズで、同じレンズを使っても画角が変わるところを記事にしようとして派生した形となる。
センサーが小さくなる分、写真が狭くなる＝画角が狭くなる。
撮影距離が同じだと、写真が狭くなった分被写体の大きさが変わる。(被写体の割合が大きくなる)
写真の中で被写体の大きさを合わせると撮影距離が変わるのでボケ量が大きくなる。(被写体が大きくなるのでその分離れる＝撮影距離が遠くなるからボケ量が減る)
みたいなところも別で記事として書ければと思う。

画素数の低下とボケ量の低下にさえ目を瞑れば、高画素単焦点レンズでクロップすればズームレンズは不要という時代なのかもしれない。
もしくは、ズームレンズのズーム域を拡大出来ると考えるべきなのだろうか。
LUMIXのカメラでは、まさしくハイブリッドズームという名称を使った機能も存在している。

調べながら書いたコタツ記事のようなものに近いので、間違えているところがあるかもしれない。
変なところがあったら教えてもらえると助かります。

今回も読んで頂きありがとうございました。