#48 📷 Leica Q コンパクトデジタルカメラ

以前に、”私にとって必要なカメラとは？”題した記事にて欲しいカメラとしてLeica Q2を候補としていたのだけれど、結果は表題の通りである。
購入に至った経緯と、購入してみての感想をまとめてみようと思う。
今夜もゆっくり書いていこうと思うので、宜しければお付き合いして頂けると嬉しいです。

①Leica のカメラとは？

カメラを趣味として続けている人なら絶対聞く名前…とは言わないが、写真を撮る事と同じくらいカメラ自体が好きで沼にズブズブハマっていく系のカメラ好きならば目にも耳にもする名前だとは思う。
現在のフルサイズセンサー、いわゆる35mm判を使用し始めたウルライカ、バルナックライカからM型ライカ。
日本の一眼レフが猛威を振るうまでレンジファインダー機としては名高いカメラメーカー、レンズメーカーとしての伝統と地位を築いてきた会社名でありカメラ自体である。
（最初はライツ社という名前だったというのは補足しておく、また35mmフィルムを使って写真を撮るカメラという意味で始まりのカメラと言える）
一眼レフが勢力を増してきた後他のメーカーがレンジファインダーを手放す中、レンジファインダーを貫き通して、現在ではデジタルカメラでもレンジファインダーを作り続けており、カメラメーカとしては老舗のよう形となっている。

大量生産してコストを下げるというよりは、高くなっても良いから職人の手で高品質のカメラを作り上げるという生産体形を利用している為、価格が高い事でも有名である。その為、価格＝性能と単純に考えるカメラでは無いように思う。（性能が価格に見合っていないということでは無い）
日本の高性能、高コストパフォーマンスなカメラとは別の世界線を行くカメラと言っても良いかもしれない。

②Leicaのカメラ分類　

今回はデジタルカメラにのみ焦点を当てて書いていこうと思う。

歴史が長いので、簡単に簡潔に説明できればと思う。
私はM型とQシリーズ以外は正直全く知らないので、本当に軽く触りだけという感じ。

　Leica Mシリーズ
　

ライカと言えばこのシリーズが有名だと思う。フィルムカメラ時代から続くレンジファインダーを引き継いでいる。M1~M7(M3からスタート)までがフィルムカメラであり、M8~M11までが今まで続いているデジタルカメラである。M8~M11意外にもMtyp240、typ262等色々存在している。全てマニュアルフォーカスしか使えないし、動画撮影もMtyp240以外は撮影できない。
M-Pというプロフェッショナルモデル（ロゴ隠し）とM-Dという背面液晶を廃止したモデルもある。
レンズマウントは、Mマウントと呼ばれる物を使用する。ストリートスナップで使われる事が多い機種ではなかろうか。

　Leica SLシリーズ

一眼レフタイプのミラーレスカメラシリーズである。
パナソニック、シグマとの3社協業のLマウントアライアンス、ライカLマウントと呼ばれるマウントを使用している。
もちろんオートフォーカスが使える。

    Leica Qシリーズ

フルサイズセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラのシリーズである。
Q、QP、Q2、Q3、Q3 (43)とシリーズ展開されているのに加えて、様々なコラボモデルが限定として出ている。
オートフォーカスに加えてマクロ、動画撮影、いろいろ出来てしまう。Q2、Q3、Q3(43)は防塵防滴にもなっている。シリーズを通してレンズは同じで、summilux 28mmF1.7。
つい最近発表された、Q3(43)のみ、APO-summicron43mmF2.0となっている。

　Leica Tシリーズ

APS-Cサイズのセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラで、ライカLマウントを採用している。
おそらくもう後継は出ないシリーズなのでは無いかと思う。
フィルムカメラのライカの試作機、ウルライカ100周年記念で作られたカメラらしい。
調べてみてもらえるとわかるが、独特なデザインだと思う。

　Leica CLシリーズ

フィルムカメラにも似た製品があるが、デジタルのライカCLは、APS-Cサイズのセンサーを搭載してライカLマウントのレンズが使えるミラーレス一眼カメラとなっている。ファインダーが無いモデルだ。

　Leica Xシリーズ

ライカ初の自社開発コンパクトデジタルカメラで、APS-Cサイズセンサーを搭載している。
X1、X2、X vario、XE、Xと展開されていてそれぞれズームレンズだったり単焦点レンズを搭載している。

　Leica D-LUXシリーズ

最近D-LUX8が発売されたと思うが、M4/3（マイクロフォーサーズ)サイズのセンサーとズームレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラのシリーズである。パナソニックのカメラがベースとなっている為パナライカと呼ばれたりもするらしい。
ベースとなるパナソニックのカメラとの違いまでは私は詳しくないけれど、新しく出たD-LUX8は前機種よりライカらしく、Q3に似せたデザインとUIを取り入れているようだ。

　Leica Sシリーズ

一眼レフタイプのミラーレス一眼カメラであり、フルサイズセンサーより大きな中判デジタルサイズのセンサーを搭載している。

③購入した経緯　決め手とは？

その1マニュアルフォーカスも楽しみたい

X100Fを購入して、ほぼほぼ満足していたのだけれど、一点だけ不満があった。それは、マニュアルフォーカスである。フォーカスリングの感触がメカ直結ではない為モーターの駆動音が気になったのだった。

ファインダーを覗いているとカメラと顔が近くなるので
音が気になるのと、リングのトルク感がイマイチだった

そこで、いろいろ調べたところLeica Qシリーズだとマニュアルフォーカスもメカ直結のように感触がよく使える事に気が付いたのだった。
というか、メカ直結でマニュアルフォーカスができるコンデジってたぶんこのカメラしか無いのではないだろうか？他に知っている人がもし居たら教えてほしいくらいである。
一応、店舗にてフォーカスリングの感触を確認してから購入したのが経緯となる。

その２防塵防滴を諦めれた理由

本当は防塵防滴は欲しくて、Leica Q2が欲しかったのだが、QとQ2でもけっこう値段に差が開いている。
その上で、Leica Qシリーズの防塵防滴について調べてみたところIP52という事で、防滴については、以外とそこまで高くないようだ。
防塵性能は7段階中の5、防滴性能は9段階中の2となり、数字が高いほど性能がいい。防滴性能としては思っているよりは弱い為、厳密には雨水がカメラに直接当たらないように注意が必要である。

パッと調べたところこんな物が出てきたので見てもらえたらと思う。

詳細はタップしてもらえたら

ライカQ2の防水性能は、雨の日にぜんぜん安心じゃないといえる理由

その3レンズは同じ

あとは、Leica Q3までレンズが同じという事も決め手となっている。レンズの性能は変わらないのであればコスパは良いよな、と思った次第だ。
レンズは同じなのだが、Q2以降では、防塵防滴仕様の為レンズ鏡筒は太くなっている。
最近発売されたLeica Q3 43はレンズが新しくなっている。

F2より明るいレンズに冠される
summiluxのレンズ銘
でもたぶん、パナソニック製という噂も

その4この手軽さがいい

Leica QはLeica Q2以降と比べると外装がアルミで質感が良く、さらに軽いというところで天秤に掛けた結果となった。Leica Q2以降はマグネシウム合金外装で重さは718g、Qの重さは640gというカタログスペックとなっている。（両者バッテリー含む）

あとは、単純に良い点では無いのだが、日常使いのカメラとして買うのだから、データ容量が少ない2420万画素というのも地味に決め手に貢献していたりする。
私に撮ってのLeica Qはサブ機としての運用という事で、気楽に使える事が大事である。
何も考えず枚数を撮るのでデータは小さい程いい。
まあでも、トリプルレゾリューションがあるLeica Q3系は少し羨ましいところである。

JPEGでの使用で、さらに600万画素でも
SNSくらいなら問題ない

④ライカQの基本情報

2420万画素のフルサイズセンサーを搭載し、28mmF1.7の広角レンズが付いてあるコンパクトデジタルカメラである。シャッタースピードダイヤル、レンズ側に絞りリングとフォーカスリング、露出補正が出来るコマンドダイヤルが付いていて、ボタンでぽちぽち設定するよりは、ダイヤルを使って露出を決めていくような操作系統となっている。
ISO感度だけは、背面のボタンを押してからダイヤルか十字キー、はたまたタッチパネルにて操作して変更するようになっている。
個人的にはISOも独立ダイヤルにして欲しかったなぁとは思う。
背面液晶はタッチパネルにはなっているがチルト機能は無い。
ファインダーも付いていて、操作感は一眼カメラそのものである。

Qシリーズの中では1番背面のボタンの数が
多いモデルだと思う

オートフォーカスも使用できて、最短撮影距離が0.3mで、レンズ根本のマクロリングを回す事で0.17mからのマクロモードに切り替える事ができる。

通常時

マクロ撮影時
このギミックが好きな人は多そうだ
単純に、ライカのカメラで近接撮影というだけでも
価値があるだろう

また、マニュアルフォーカスも可能で、距離指標が付いていてMマウントレンズのような操作感とトルク感で使う事ができる。
ただし、他のカメラのようにオートフォーカスで合わせた後にマニュアルフォーカスで微調整するような使い方は出来ないので要注意。

Mマウントレンズを彷彿とさせてくれる
フォーカシングノブ（指掛けレバー）

Q2、Q3と比べると防塵防滴機能が無く、画素数も少ない。JPEGの画質設定で選べるパラメータも少なく、ファインダーも綺麗では無い。
その代わり、レンズも少し細くて、トップとボトムのカバーがアルミで出来ていて1番軽いモデルとなっている。（Q2、Q3は剛性を上げる為マグネシウム合金を使用）
あとは細かい点だけれど、初代Qだけ天面に動画撮影のボタンが付いていて、すぐさま動画撮影に入れるというのも違うところである（人によっては、デザインを損なっているので良い点なのかは微妙だが）

唯一の懸念点

私も購入する前に調べて知ったのだが、一応注意する点として防塵防滴が無い事とコンパクトデジタルカメラということで、レンズへのチリ埃が入った際に自分では掃除ができないという口コミを見かけた。
つまり写真にチリ埃の写り込みがあった場合、ライカ社へ清掃の依頼を掛けないといけなくなるので出費がかさむと言うことである。
もしこれから購入を検討していて、Q、Q2、Q3で迷っている人がいるのであれば頭の片隅に置いておいても良い情報だと思う。

⑤手にして使用しての感想

レンズ交換をしないで済むのはやはり楽で、それでいて搭載されているレンズがかなり良いものだというのは撮影していて良く感じる。
そして、28mmという画角は、日常使いにはちょうど良い。ポートレートやボカして使うには広過ぎるけれど、家族の写真やマクロモードでのテーブルフォト等を考えると常に持っておくには最適かもしれない。

オートフォーカスについては、普段からマニュアルフォーカスしか使わない事もあり、最新機種と比べて遅かったとしても私としては不満が無いレベルである。暗い時はかなり遅くなるけれど、そんな時の為のマニュアルフォーカスである。
ちなみに動体は試した事は無いのだが、オートフォーカスはコントラストAFのみなので、AF-
S、AF-C共にたぶん向いていないと思う。

動体撮影と言えるかわからないけれど、鳥を少しだけ撮ってみたので貼ってみる。

気に入った点

1.レンズ一体型故の写りの良さに対してのコンパクトさ、荷物の少なさ。

2.レンズの描写力の良さと、オートフォーカスとマニュアルフォーカスどちらも楽しめる撮影体験。
マニュアルフォーカスの感触がここまで楽しいコンデジを私は知らない、と言っても良いくらいだ。

3.Leicaのカメラでありながらマクロ機能が付いているのは違和感を感じてしまう程魅力的だ。

4.28mmF1.7とフルサイズセンサー搭載なので、広角レンズな割にはボケ感もそこそこあり、綺麗で広く写せる汎用性も高い。

5.カメラデザインの良さは人それぞれだとは思うが、私はけっこう気に入っている。
角形フードもカッコよくて良い。

X-E4との比較①
レンズがやっぱり大きい
その分描写は良い

X-E4との比較②
センサーサイズが違うからとは言え、X-E4が小さ過ぎる
この写真だけ見ると左の方がコンデジっぽい

気になる点

1.JEPG撮って出しの色味

個人的な意見にはなるが、JPEG撮って出しはX100Fの方が良いと感じる。特に室内での撮影など、日光と室内灯が混在すると好ましく無い色味になる。
解像感は高いのだが、オートホワイトバランスがイマイチで、JPEGでの画質設定を左右するパラメーターに関しても設定できる項目が少ない。
ホワイトバランスは、FUJIFILMにあるような色を振る機能が欲しいところ。
逆に、オートホワイトバランスがうまく機能している時はかなり気持ちの良い絵が撮れる。

X-PRO3のホワイトバランスシフト機能
これがあるだけでもだいぶ違う

Leica Qは、JPEG設定できる項目が少な過ぎる

でも、Raw現像はしたく無いのでJPEGで使っている。日常使いしている事から枚数だけは撮ってしまっているので、Rawで撮影しているとデータ容量も食うし現像する手間をかけたくはない。
せめて、スタンダード、ビビット、みたいなフィルムモードくらいあれば良かったのにと思う。
（Leica Q2からは搭載しているようだ）

2.ファインダーの色味

ファインダーの色が明らかに青色に振っていて、背面液晶と撮影された画像と色味が違い過ぎる。

マニュアルフォーカスのピント合わせにはファインダーの色味は関係無いのでそのまま使っている。
ちょっと我慢している感は否めないので、我慢の限界に達したら手放してしまうかもしれない。

ファインダー
背面液晶と比べるとなんだか青白っぽい

背面液晶
こちらは古いカメラにしては綺麗だと思う

『QのEVF』 ライカ LEICA Q Typ 116 のクチコミ掲示板

同じように思っている人はいるようである。
どうも、ファインダー内部の上部から白色で照らしている模様。

上から照らしている？

3.充電、他

あとは、古いカメラなので不満と言うとおかしいかもしれないが、バッテリーの充電に充電器が必要な事も、コンパクトさを優先して買ったのに荷物が増えてしまう矛盾を抱えている。
これは私個人の判断の問題である。

シグマ製のバッテリーに互換性があるので
純正でなくとも使用できる

それと、動画機能はおまけ程度に考えた方が良いと思う。私は割り切って、完全にスチル機として使用している。
4Kの撮影やスローモーションの撮影は出来ないのは、Q2以降と比べると素直に羨ましいところである。

まとめーLeica Qは2024年も買いなのか？

2015年発売のカメラを2024年の今使ってどうなの？という点からまとめてみようと思う。
Leica Ql3 43の発売によって多少値段が下がってきている感じはするので気になってる人もいるだろう。

例によってこれは私個人の意見であるので押し付ける気はないし、これが全てではないことを注記しておく。

私のように普段使いのコンデジにマニュアルフォーカスの使用感を求めるみたいな変な拘りがないのであればわざわざ今これを買う事をおススメしたりはしない。他社のコンデジで充分だと思う。
中古カメラであるのにスペックからするとまだまだ値段が高いように思う。

ただ、どうしてもLeica Qシリーズに拘るのであれば、値段が上がるが、Q2かQ3をオススメする。
理由としては、ファインダーの綺麗さが違う事と防塵防滴はやっぱりあった方が良いと思うからである。
動画性能からしても、Q2以降の方が良いかもしれない。

ただ、写真の画質に関してはRAW現像前提での運用とするならば、今使っても全然問題ないどころかかなり良いカメラだと思う。
Qは画素数が一番少ないのでクロップ機能が他と比べて弱いけれど、SNSくらいであればまあ大丈夫かなと思う。
なので、写りだけで考えるならばQでも全然いいとは思う、というどっちつかずな感じになってしまう。

良いように言えば、不便でも写りが良くて取り回しを優先するならLeica Qもまだ使えるよ、という感じになるかな。
値段が安い事も場合によっては取り回しが軽くなる要因と言える。（あんまり高いカメラは持ち出すのに億劫になるのは私だけだろうか）

私の肌感だと、フリマアプリではLeica Qは35万前後、Leica Q2は50万前後、Leica Q3は80万前後で中古価格が落ち着いているように思う。
お店で買う場合は、はLeica Qは35万前後、Leica Q2は60万前後、Leica Q3は90万前後といったところだろうか。
高い買い物になるので、なるべく保証付きのお店で買う事をオススメする。
ちなみに、Leica Q-Pとの違いは殆ど見た目だけのようで、ライカロゴが無くなり天面に筆記体ロゴ、シャッターボタンのデザイン変更、くらいだったように思う。

しかし、コンデジとは言えレンズ部分の出っ張りが大きいのでX100Fの感覚では持ち出せない。
このカメラを買ってから、X100シリーズは本当に、画質と持ち出しやすさのバランスが絶妙に良いんだなと思わされた。

写真

手にしてからそんなに日が経っていない為、良い写真はないのだけど、とりあえずで貼り付けておく。
以下はすべて、JPEG撮って出し。
画素数は落としてあったり、落としてなかったり、クロップもしてたりしてなかったりでバラバラである。

今回はこんなところとする。
読んで頂きありがとうございました。