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第11章:真実と決断の時
「…ついに、最後の島に着いたわね!」
アトリエ号は、地図に記された最後の島、
その名も「宝島」にたどり着いた。
名前からして、いかにも宝が眠っていそうな島だ。
「…でも、この島、なんだか不気味じゃない?」
詩織は、少し不安そうに周囲を見回す。
鬱蒼とした森に覆われた島は、
昼間だというのに薄暗く、
何やら得体の知れない雰囲気が漂っている。
「…大丈夫だよ、詩織。
私たちには、源さんの護符があるじゃない。」
杏奈は、首から下げた小さな木彫りの護符を握りしめる。
源さんが、「この護符があれば、どんな魔物も寄せ付けない」
と言って渡してくれたものだ。
「…そうね。それに、私たちはもう、怖いものなんてないわ。」
真紀は、力強く言った。嵐や黒岩との遭遇など、
数々の困難を乗り越えてきた三姉妹は、
以前よりもたくましく成長していた。
三姉妹は、地図を頼りに、島の奥深くへと進んでいく。
険しい山道を登り、深い谷を下り、滝の裏側を通り抜け…。
まるで、RPGのダンジョンを探検しているようだ。
「…もう、疲れた…。」
杏奈は、息を切らしながら、地面にへたり込んだ。
「…あと少しで、目的地よ。頑張りましょう。」
真紀は、汗を拭いながら、励ます。
「…ねえ、見て! あれ…!」
詩織が指差す先には、巨大な岩山があった。
岩山には、大きな洞窟が開いている。
「…あれが、海賊船の隠し場所…?」
三姉妹は、期待に胸を膨らませ、洞窟へと駆け寄った。
洞窟の中は、ひんやりとしていて、神秘的な空気が漂っていた。
奥へと進むと、そこには、驚くべき光景が広がっていた。
「…うわぁ…!」
三姉妹は、息を呑んだ。
洞窟の奥には、巨大な海賊船が、まるで幽霊船のように鎮座していたのだ。
「…これが…、伝説の海賊船…!」
三姉妹は、興奮を抑えきれない様子で、船へと近づいていく。
船内は、当時のままの姿で残されていた。
豪華な装飾が施された船長室、大量の金銀財宝が積まれた倉庫、
そして、海賊たちの生活の跡が残る居住区…。
「…すごい…! まるで、タイムスリップしたみたい…!」
詩織は、目を輝かせながら、船内を探索する。
「…宝はどこかしら…?」
杏奈は、宝箱を探して、キョロキョロと周囲を見回す。
「…ちょっと、杏奈! まだ、宝のことしか考えてないの?!」
真紀は、呆れたように言った。
その時、真紀は、船長室の机の上に、一冊の航海日誌を見つけ
※この物語はフィクションであり、
登場する人物や団体、場所はすべて架空のものです。
実在の人物や出来事とは一切関係ありません。