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第7話:失恋の傷心

「おはよう、ひかり。調子はどう?」

同僚の山田さんが、ひかりのデスクにコーヒーを差し出した。
ひかりは、無理やり笑顔を作って答える。

「おはよう、山田さん。おかげさまで、元気だよ」

しかし、ひかりの心は晴れない。

田中さんから連絡が来るのを、毎日心待ちにしていたが、
一向に連絡は来ない。

「もしかしたら、あの日のことは、ただの社交辞令だったのかも…」

ひかりは、そう思うと胸が締め付けられる。
期待していた分、落胆も大きかった。

仕事中も上の空で、ミスを連発してしまう。

「桜井さん、大丈夫?最近、ミスが多いけど…」

上司の言葉に、ひかりはハッとした。

「すみません、ちょっと最近、寝不足で…」

ひかりは、適当な言い訳をしてその場をしのいだ。
しかし、このままではいけない。

「一晩寝たら立ち直れ」

ひかりは、自分のモットーを思い出した。
いつまでもクヨクヨしていても仕方がない。

「よし、今日は早く帰って、ゆっくりお風呂に浸かろう」

ひかりは、仕事を早めに切り上げ、家路についた。

アパートに戻ると、ひかりはまずお風呂を沸かした。

湯船にゆっくりと浸かりながら、目を閉じる。
温かいお湯が、ひかりの疲れた体を優しく包み込む。

「もう、田中さんのことは忘れよう」

ひかりは、心の中で決意した。

お風呂から上がり、ひかりはベッドに寝転がった。
すると、スマホの通知音が鳴った。

「もしかして、田中さんから…?」

ひかりは、慌ててスマホを手に取った。
しかし、それは田中さんからの連絡ではなく、
友達からの飲み会の誘いだった。

「ああ、やっぱり…」

ひかりは、スマホをベッドに投げ出し、天井を見つめた。

「こんな時こそ、やらかしを多くの人に語れ、だよね」

ひかりは、「やらかし名人7か条」の6つ目を思い出した。
自分の気持ちを誰かに話すことで、少しは楽になれるかもしれない。

ひかりは、友達からの誘いに返信した。

「うん、行く!今日はとことん飲もう!」

ひかりは、そう返信すると、少しだけ気持ちが軽くなった気がした。

小さな恋の終わりは、ひかりにとって辛い経験だった。
しかし、これもまた、彼女の人生の大切な一部となるだろう。

「明日は、また新しい一日だ。笑顔で頑張ろう!」

ひかりは、そう自分に言い聞かせ、眠りについた。

※この物語はフィクションであり、
    登場する人物や団体、場所はすべて架空のものです。
    実在の人物や出来事とは一切関係ありません。


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