第4話:週末の小さな挑戦
「よし、今日は料理教室だ!」
週末の朝、ひかりはエプロン姿でキッチンに立っていた。
今日は、ずっと気になっていたイタリア料理教室に参加する日だ。
「パスタなんて、普段は茹でるだけだし、大丈夫だよね!」
ひかりは、レシピ本を片手に、意気揚々と材料を準備し始めた。
しかし、料理教室が始まると、彼女の自信はすぐに打ち砕かれた。
「え、玉ねぎってこんなに細かくみじん切りにするの?」
「トマトソースって、こんなに手間がかかるんだ…」
「パスタを茹でるタイミング、全然わからない!」
次から次へと出てくる難題に、ひかりはすっかりお手上げ状態。
周りの参加者たちは、手際よく料理を進めているのに、
ひかりの作業台の上は、散らかったままだった。
「ああ、もうダメだ…」
ひかりは、思わずため息をついた。
しかし、次の瞬間、彼女は顔を上げた。
「やらかしから学べ」
これは、「やらかし名人7か条」の3つ目だ。
失敗は、次に繋がるための大切なステップ。
ひかりは、そう自分に言い聞かせた。
「よし、諦めないぞ!」
ひかりは、先生や周りの参加者に積極的に質問し、アドバイスを求めた。
最初は戸惑っていた先生も、ひかりの熱意に押され、丁寧に教えてくれた。
「桜井さん、トマトソースはもうちょっと煮込んだ方がいいですよ」
「パスタは、アルデンテになるまで茹でるのがポイントです」
先生や周りの参加者の助けを借りながら、
ひかりはなんとか料理を完成させることができた。
「わあ、美味しそう!」
出来上がったパスタを一口食べて、ひかりは目を輝かせた。
自分で作ったとは思えないほど、本格的な味がした。
「今日は本当に楽しかった!また料理教室に参加しようっと」
ひかりは、笑顔でそう呟いた。
初めての料理教室は、失敗続きだったが、ひかりにとっては、
これもまた貴重な経験となった。
「今日のブログネタも、これでバッチリだな!」
ひかりは、満足そうにキッチンを後にした。
小さな挑戦と失敗が、ひかりの週末を彩った。
※この物語はフィクションであり、
登場する人物や団体、場所はすべて架空のものです。
実在の人物や出来事とは一切関係ありません。