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第5章:海上マーケットでの勝負

「見て見て! めっちゃ可愛い!」

詩織は、杏奈が作った真珠のアクセサリーに目を輝かせた。
淡いピンク色の真珠と、繊細な銀細工が組み合わされたネックレスは、
まるで海から生まれた妖精のようだ。

「でしょ?
今回のマーケットのテーマは、
『瀬戸内の妖精』よ。」

杏奈は、自信満々に微笑んだ。
幽霊船騒動も落ち着き、
三姉妹は新たな挑戦を始めることになったのだ。

それは、杏奈が提案した「海上マーケット」だ。

杏奈は、アトリエ号の甲板を、
おしゃれなマーケットスペースへと変身させた。

白い帆布で日よけを作り、
流木や貝殻で作ったディスプレイ棚に、
アクセサリーや島の特産品を並べる。
まるで、海に浮かぶ小さなブティックだ。

「いいね! インスタ映えもバッチリだね!」

真紀も、杏奈のセンスに感心した。
真紀は、各島を巡って、特産品を仕入れる担当だ。
島の職人たちが作った、手作りのジャムや焼き菓子、
伝統工芸品など、こだわりの逸品が並ぶ。

「私も、何か作品を展示したいな…。
でも、どんなものがいいんだろう…。」

詩織は、少し悩んでいた。
幽霊船の話を題材に小説を書こうとしたが、
なかなか筆が進まない。

「詩織、焦らなくていいのよ。
きっと、素敵な作品が生まれるわ。」

真紀は、詩織の肩を優しく叩いた。

最初の開催地は、伝統工芸で有名な島。
三姉妹は、島の職人たちと協力して、
個性豊かな商品を揃えた。

杏奈は、インスタグラムでマーケットの情報を発信する。

「みなさん、こんにちは!
今日は、アトリエ号で海上マーケットを開催します!
素敵なアクセサリーや、島の特産品をたくさん用意していますので、
ぜひ遊びに来てくださいね!」

杏奈の明るい笑顔と、
魅力的な商品の紹介に、フォロワーたちは興味津々だ。

「いいね!」や「行きたい!」のコメントが殺到し、
マーケット当日には、多くの人がアトリエ号を訪れた。

「わぁ、素敵なネックレス!
これをください!」

「このジャム、美味しそう!
お土産に買っていこう。」

お客さんたちは、笑顔で商品を手に取り、
マーケットは大盛況となった。

「杏奈、すごいわね!
お客さん、いっぱい来てる!」

真紀は、予想以上の人気に驚きを隠せない。

「うん! やっぱり、海の上っていうのが魅力的みたい。」

杏奈も、満面の笑みで答える。

しかし、順風満帆に見えた海上マーケットに、
暗雲が立ち込める。

「ちょっと、あなたたち! 勝手な商売、
許さないわよ!」

突如、現れたのは、地元の商店会の女性たちだった。
彼女たちは、3姉妹のマーケットが
自分たちの商売の邪魔になると考えていたのだ。

「私たちは、島の活性化に貢献したいだけなのに…」

詩織は、悲しそうな顔で呟く。

さらに、別の島では、ライバルが出現する。

「うちも、海上マーケットを始めたのよ!
こっちの方が、商品も豊富だし、値段も安いわよ!」

若い女性が、大きな声で客引きをしている。
彼女は、杏奈のインスタグラムを見て、
真似をして海上マーケットを始めたのだ。

「…負けないわよ!」

杏奈は、闘志を燃やす。

三姉妹は、同業者たちからの嫉妬やライバルとの
競争という壁にぶつかることになる。

詩織は、そんな状況を見て、
新たな作品のアイディアを思いつく。

「…そうだ! 海上マーケットでの出来事を、
小説に書いてみよう!
きっと、面白い作品になるはず!」

詩織は、ノートとペンを手に取り、物語を書き始めた。

果たして、
三姉妹は、この試練を乗り越え、
海上マーケットを成功させることができるのだろうか?

そして、詩織は、どんな物語を紡ぎ出すのだろうか?

※この物語はフィクションであり、
   登場する人物や団体、場所はすべて架空のものです。
   実在の人物や出来事とは一切関係ありません。


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