【その1】「接待は是か否か?」お客様と、良好な関係を築くには・・・
「接待問題」は営業職をやってると、いかにお客様と良好な関係を
構築するかで重要になってきます。
接待は、しばしば問題となり話題として取り上げられています。
官僚との接待や、民間企業と取引先との接待問題など、例を
挙げればきりがありません。
接待でこちらに有利に取り計らってもらうと言うのは、古くからある
問題点です。
お客様と、どう良好な関係を構築していくかは、突き詰めると企業の
死活問題に関係し、将来への持続性の問題になります。
現代であれば、携帯電波の使用権を許可してもらうとか、携帯料金に関する情報交換など、さまざまな場面で接待問題や、しばしば贈収賄問題として取り上げられます。
お客様とより深く良好な関係を持つには、テレワークでは限界があります。
私は40数年営業をやっていますが、テレワークだけでビジネスができるとはまったく思っていません。では、どう理想的な関係を構築して行けばいいのか?
ビジネスは、やはりWin-Winです。
日本語的に言えば、双方で利益交換を行うと言うことです。
私のお付き合いした会社とは、年間数十億円のビジネスを展開していましたが、会食ひとつとってみても、「前回は御社が持ちましたから、今回はうちが・・・」ということで、平均して割り勘になるように会食を実施していました。そういう関係になるように、お互いが理解し合っていたのです。
相手の会社も、「ビジネスは人と人との交流で成り立っている」と理解されています。日中に会議もすれば、夜に会食で交流することは自然の行動になります。外人もいれば、異文化との交流と言う観点もあります。
「なんで会社のお金で会食をするの?」と私に聞いてくる経理部門の社員がいましたが、これは会社のため、ビジネスのためにやっている仕事
(営業行為)ですから、自分のお金で接待なんて出来るわけないと言って
いました。
そもそも経理の人たちは、営業の現場を知りませんから
「あなたは給料は誰からもらっているんですか?」という質問に、
「会社からです」と平然と言う人達です。
給料はお客様からいただいている、と言うことが分かっていないのです。
ビジネスは生きるか死ぬかなのです。
二番ではダメなんです。
なんだか、古臭い話しのように感じるかもしれませんが、
「ビジネスは、製品やサービスを通じての、人と人との交流」なのです。
それに、会食が伴うと言うことです。
ある会社で品質管理の方(女性)が非常に厳しいと、社内で問題に
なりました。
品質問題ですから、こちらに100%責任がありますが、
「そんなことも不具合にする?」のような小さな案件もあり、
毎日海外の工場と遅くまでやりとりをして、残業が続いて
いるということがありました。
製品の品番の印字が少し見えにくくなっていても、「これは不良品です!」と剣もほろろに言われるのです。
海外では、「印字が見えなくたって、動作に問題はない!」という
認識ですから、なかなかスムーズにことは解決しません。
お客様からも、「すぐに受け取りに来て、直ぐにレポートを提出して」
という依頼が連日続きます。
私は、「品質の方は、結婚されているから、夕ご飯はむりでもランチして
少しは打ち解けた話をしたら?」と担当者に言ったら、早速実施しました。
担当者は、「ランチで話してみたら、優しい感じの普通の人でした。
品質問題になると、目の色が変わり仕事に燃える人なんですね。
なんか旦那さんとレースを見にいくのが好きみたいです」というので、
当時あるレースのスポンサーになっていたので、招待券を差し上げました。
そんなに何度も招待券を差し上げてはいませんが、感謝されて担当者とは徐々にいい関係ができて行きました。
ある時、担当者から「品質の人から、不具合が出たけどたいしたこと
ないからこちらで処理しておくわね」と言われましたと。
彼は、喜んでいました。以降は不具合が出ても、いちいち新幹線に乗って
不具合品を取りに行くことが、激減したそうです。
心が通じあったということだと思います。
過度な接待や、高額なものを贈るとか、ゴルフ接待三昧するとかは
不健全ですし、度を越していますからやらないほうがいいです。
私がゴルフをやっている時も、ゴルフ接待は一切お断りしていました。
それで、失注につながることはありませんでした。
接待(接待費を使う)は必要です。
それによって人間関係の改善が期待されることは間違いありません。
ただ、そこには「節度が必要」ということです。
次回【その2きづく】に続きます。