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キーエンスは何故、管理を徹底するのか

今回はキーエンスの仕組みの一つ、"管理"について解説をしていきます。
入社前には様々な噂があり、下記のような記事があり、戦々恐々としていたのが懐かしいです。

・分刻みで管理がされる?
・車にGPSが付いていて管理されている?
・虚偽報告をすると降格する?

もちろん噂なので一部を切り取って大げさに書かれていますが、全て理由があります。今回は、その背景を解説できればと思います。

何故この記事を書くのか

自己紹介の記事でも言及しているように、キーエンス・Salesforceの強さの源泉が"仕組み"にあると思っています。
その"仕組み"をスタートアップ企業の自社にもインストールすることで、強い組織づくりを行いたいと思っています。
まずはその強さの源泉である仕組みから解説を行っていきます。

キーエンスの管理は具体的に何が行われているか

1. 外出報告書

外出報告書とは
営業訪問の結果を記載し、報告するための書類です。
具体的には、いつ、誰と、何のために、どのように、どのくらいの時間営業していたかを全件記載します。

この書類に1分単位で時間を記載するため、分単位で管理されると言われているのではないでしょうか。
上司に訪問の前後に1on1で訪問内容の確認を行い、個別にアドバイスやフィードバックを行います。

その後、外出報告書に検印をもらい、事務の方にSFAへ転記入力をしてもらいます。

チェックと処罰
この内容を定期的に社内監査がチェックを行い、虚偽があると処罰対象となります。
この監査時にETCの通過時間から明らかな虚偽や誤りが無いかどうかを確認するため、GPS監視などとも言われているのではないでしょうか。
そして虚偽がひどい場合には、処分対象となります。

但し、体力的に辛く仮眠を取る場合などは、しっかり記載すれば問題ありません。これはキーエンスの噂を聞いている人からすると、意外なのではないでしょうか。

下記の記事でも外出報告書について、訪問前後の報告内容についての記載があります。

2. 週報

各事業部の販売促進を担う部隊がSFAのデータから週次の報告書を作成します。
営業の各指数(訪問件数/PR件数/打合せ件数/ターゲット顧客別/商談件数etc)の最新状況が確認出来ます。

週報はいわゆるSalesforceのレポート/ダッシュボードのようなものです。
各事業部毎に異なる切り口で施策が行われているため、その施策の項目が、前述の外出報告書フォーマットにも反映されて定期的に変更されます。

この週報を確認しながら週次の会議を行い、営業活動の確認をしていきます。
各メンバーの進捗を確認しながら、営業活動の修正を行っていきます。

3. ASIST(ASSISTではなくASISTという自社開発のSFA)

▽ASISTとは
キーエンスではASISTと呼ばれる社内SFAを利用していました。
実は前職のSalesforceが創業(1999年)されるよりも前から自社で開発し、利用していたと聞いています。

▽ASISTが無い頃はどうやっていたか
ASIST導入以前は名刺の裏にいつ面談を行ったか、その内容などを書き連ねていっていたようです。そして、書き切れなくなったら紙を足していく。
当時は、出社したらまず名刺カードが入ったBOXを取り、1枚1枚めくりながら、誰にどのようにアポイントを取得していくか、など考えていたとのことです。

しっかりと顧客情報を管理し活用する、その時代からSFAの価値を理解していたキーエンスだからこそ、SFAの活用を徹底し、ここまで伸びているのではないでしょうか。

下記の記事でも、ASISTに入力された情報が非常に重要なものだと言及されています。

キーエンスでよく使われる言葉「ありのまま」

全ての行動データを元に営業個人の施策・事業部の施策・全社の施策を決めることから、もし虚偽の報告があれば、誤った経営判断をしてしまう。そのため、ありのままの報告をすることが重要でした。
結果として、1分単位での記載や、社内監査を行うということが一人歩きして、噂になっているのでしょう。

まとめ

ここまでで、キーエンスの管理についてご紹介しましたが、外出報告書・週報・SFAと全てが一つの目的に連動していることが分かるのではないでしょうか。
外出報告書の内容がSFAに入力され、週報となり、今後の営業の活動の方針を決めていく。
この循環がいわゆる営業のPDCAサイクルを回す礎となっています。これを非常に高い精度で行うことから、キーエンスの営業の生産性は非常に高くなっています。

正しい情報を入れる仕組みを作ることが重要

SFA/CRMは最初はデータも少ない状態から始まりますので、分析にはなかなか使えません。そのため、営業がしっかりと入力してくれてくれないことも多いのではないでしょうか。
ただ、このデータが少ない頃から活用出来るデータをしっかりと入力していくことが営業組織としての強みになりますので、非常に重要です。

会社全体もそうですが、営業がそれぞれ自分の数字を分析し、最適な施策を考え実行することでしか営業の数字は伸びません。
伸びたとしてもそれは運と勘にしか過ぎませんので再現性がありません。
そのような仕組み作りに関しても今後、記事として書いていくつもりですので、ご興味ある方はぜひフォローしてください!


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