ARCANA PROJECTワンマンライブ「Eureka!」感想戦
9/16、ARCANA PROJECTのワンマンライブ「Eureka!」(ユリイカ)に行ってきました。
ほぼ一年ぶりのワンマンは声出し解禁によって生まれた熱気に溢れ、一方で世界観をしっかり構築するセトリが組まれ、何より3年半の間に培ってきたもの全てをぶつけてきた、今のARCANA PROJECTの集大成とも言えるライブでした。そんなライブの感想を書き残しておこうと思います。
本編
会場が暗転して、東京キネマクラブ特有の階段上のサブステージに1人の女性が現れる。メンバーではない。そして左手にはバイオリン
………バイオリン!!??
奇しくもこの前日、BS11の番組「AnisonDays」にARCANA PROJECTが出演し、グループ初のバックバンドありのパフォーマンスを披露したばかりだった。
ARCANA PROJECTのライブを生音ありで聴きたいなー、という需要が発生したタイミングでドンピシャでぶつけてきやがった。ずるい。
そしていつものSEにバイオリンの音が乗っかる。この時点でこのライブへのワクワクは最高潮になった。
1曲目はウラハラセカイ。
以前うーちゃん(桜野羽咲)が「アイドル曲的な感じかと思ったけど、ストリングスが入って一気にボーカルユニットっぽい曲になった」と確かラジオで語っていたけど、生音が加わってよりそんな感じがした。とにかく一曲目からかましてやるって感じが出てるの最高だった。
そしてイントロからメンバーが煽る煽る。呼応してフロアも声が出る。声出し禁止もあったけど、これまでのアルカナのワンマンは徹底して世界観に没入するものばかりだったから、すごく新鮮だった。
幕開けの熱狂そのままにもののがたりを彩った2曲が続く。
革命的レイメイの間奏のシンガロング、あまりに会場内で声が響きすぎていて泣きそうになった。アルカナでもこの景色をめちゃくちゃ待っていた。
あと革命的レイメイの終わりが恋衣の1番最初の陣形、ポーズになってて沸いた。こういう繋ぎこそがライブの醍醐味なんだよな。
先に明かしておきますが、今回のライブ、本編は一切ノーMCで進行していきます。
恋衣まで終わってMCだなと思っていたらそのまま迷わないConquestへ続いてもしかして?となり、厭世的ストレングスで確信へと変わった。
この観客側がざわつくようなタイミングで放たれる歌詞が「どんな無謀だって飛び越えてゆけ」「歌こそが力」なの、この後に起きることを匂わせてるみたいでよすぎる。
ここで初めてメンバーに水分補給するための暗転。暗転中もバイオリンの演奏で全く中弛みがない。そして思いっきり声を出すパートから一変しそうな空気感も漂う。(これ考えた人天才か?)
この3曲固まってきたの、ARCANA PROJECTのストーリーテラー的側面が一気に出てきた感じがした。
再び暗転してバイオリンのメロディーが流れる。
なんかこの時のメロディーは今でもはっきり覚えてるし、聴いている途中で自分のペンライトを赤に変えたくらいには、絶望の音色だった。
案の定次に来たのは慟哭のトルメンタ。気迫はもちろんだけど、洗練された感じも出ていたのがよかった。ストリングスに合わせて歌い方ちょっと変えてた?
その後、ボイスオーバーが流れる。
誰も見えないし、光もない、何もない世界の中で歌だけは残っている。だから歌わなきゃ。
ここからはメンバーソロパート。
1人ずつ歌という明かり(ランタン)を灯していく。
アルカナの楽曲をソロで歌うのは去年7月の歌劇以来。ひかるちゃんのAce of Pentacles以外は曲も一致していたので、メンバーごとの歌い方の差を感じることができたのもよかった。
特に前3人は得意とする楽曲とは違う選曲だった気がする。しおぴがOpheliaの主旋律を歌ったり、
パワフルな歌声のハナちゃんがサビでも抑揚の激しいToW歌ったり、以前感情を込めるのが苦手と語っていたひかるちゃんが、5人の時に落ちサビのうーちゃんの気迫がすごいペンタクルス歌ったり。それぞれの持ち味が活かされた歌劇の選曲とは対照的な、挑戦的な選曲だなと思ったし、しっかりとよかった。各メンバーの歌の引き出しが増えてるなと感じたソロパートだった。
あとさすがにペンタクルスソロはえぐい。ひかるちゃんが歌唱力お化けの域に片足突っ込んでる。
歌で明かりが灯って流れるは希望の歌と、(歌で)君を見つけたという歌。トルメンタの絶望が歌の力で希望になって、ユリイカにつながる流れが本当に綺麗。
何気に初めて肉眼で見たユリイカ、すごいよかった(リリイベ等撮可で画面越しでばっかり見てたので)。5人の凛とした振り付けが本当によく似合うし、グループ1複雑なハモリがこの終盤で綺麗に決まってるのかっこよすぎる。
この2曲の順番、多分アニサマセトリ再現だよなーとか思ったりした。ARCANA PROJECTがたくさんの人にみつけてもらった2曲をユリイカの直後に持ってきたのすごくいい。個人的に1番好きなセトリパート。どっちもよかったけど、たゆたえのストリングスが特によかった。サビの雄大さが限界突破していた。
まだまだ畳み掛ける。ノンタイアップ曲だと随一の人気を誇る星影のファンタジア。曲は言わずもがなだけど、間奏でハナちゃんが、みんなに出会えて幸せ、って言ったのもよかったですね。歌詞になぞらえた思いを叫んでくれるのが大好きなので🫶
キミトナラの\Loveってこと!/もバッチリ決まったのでは??落ちサビオレンジリウム追い焚きももっと浸透するといい景色になるよねー!
5人の人柄のおかげで恥ずかしいくらいストレートな歌詞が好きになれたし、現場を重ねていくごとに好きが増していく曲。
ここまでノンストップで20曲をやりきって本編が終わった。
アンコール
(ライブとは直接関係ないけど、あの日のアンコール、一切先走ることなくほぼ一定のテンポで続いてたの地味にすごいなってなった。)
アンコール1曲目はARCANA PROJECTの切り札的存在になりつつあるthe Sunlight。
この日はつい、今のあおにゃんに歌詞を重ね合わせてしまった。このライブの5日前に、兼任するでんぱ組.incの卒業という重大な発表がありまして。
https://twitter.com/ao__sky/status/1701216929497919838?s=46&t=UwakuC2C1Kord-Oud-0sag
2グループとも自分のできる範囲で全力で追いかけてたからこそ、大変なのがファン目線でもわかってたし、これより最悪な事態になる可能性も頭の中でよぎっていた。そうなる前にこの決断をしてくれたのがホッとしたし、個人的にはアルカナであおにゃんの物語を続けてくれるのが嬉しかった。
後半以降歌詞が刺さりまくってたけど、最後のところがまさにあおにゃんが言ってるように聞こえて、ステージ見れないくらいに泣いてしまった。
めくり巡る運命の中物語は続いていく 信じた光を今追いかけて僕らだけの軌跡を描くよ
あおにゃんがこれからアルカナでどんな軌跡を描いていくのか、ソロ時代のオタクもでんぱ組のオタクも、みんなに見てほしいなって思う。アルカナのあおにゃんも最高なんよ。
そしてここでようやく自己紹介&MCへ。バイオリンを担当された小林修子さんにも色々話をお聞きして和やかな空気に。(終わってから調べたけど、小林さんとんでもない経歴の方でしたね……アルカナのライブを彩ってくれて本当にありがとうございますの気持ち)
その後、各々が今の思いを語った。そしてうーちゃんが現在のタイアップ作品「SYNDUALITY Noir」の主人公が目指すものになぞらえて、ARCANA PROJECTがライブができて見にきてくれるみんながいるこの場所が楽園だと語り、君と明日を見に行こうという言葉からナニモノローグが始まる。
ソロパートのみで構成され、ユニゾンの一切ないこの曲だからこそ、「今2人孤独になろう」「君と明日を見に行こう」の歌詞が1対1でぶつけられるとめちゃくちゃに刺さる。ここまで歌詞がスッと体に入っていく体験が初めてで鳥肌が立った。いつまでもアルカナと明日を見に行きたいし、この楽園が続いてほしいなあと思う。
そして最後の曲は始まりの歌ことデビュー曲のACE of WANDS。勝手な解釈だけど、「今年は辿り着けなかったあの舞台」とか「これからのアニメタイアップ」とか、これからARCANAPROJECTとして達成したいたくさんのこと全部「この手で掴まなくちゃ」っていう、デビュー3周年を経て改めての決意表明なのかなって思った。
アルカナのワンマンのアンコール、毎回5人の思いを歌に乗せて届けてくれる時間だから大好きなんだよな。
ソロパート含めると過去最多の23曲をほぼノンストップでやりきった、まさに「歌こそが力」なライブだった。
セトリ、プレイリスト↓
感想
新版アルカナ概論で使った小道具を用いてのパフォーマンス、歌劇で挑戦したソロ歌唱、創世記ツアーでもやったボイスオーバーの使ってのライブストーリーの構築など、今までライブでやった様々な仕掛けを全て詰め込み、生音の導入とノーMCでのライブという新しい試みにも取り組んだ、今のARCANA PROJECTの最大出力が間違いなく出せたライブだったと思う。
声出し解禁後初のワンマンということで若干の不安もあったけど、ステージ側の熱気が伝播してそれに呼応するようにフロア側も盛り上がる理想的な声出しライブだったと思う。3月に対バンした草野華余子さんが語っていた、アーティストとファンの想いが増幅しながら旋回していく関係、っていうのはこういうことを言うのかなと思った。
何より、5人が本当に楽しそうでよかった。8月にリリイベでゲストで来てくれたZAQさんが話していた「自分がまず楽しむこと」がしっかり果たされていた。諸先輩方の金言をしっかり吸収する貪欲さも、この5人が信頼できるポイントなんだよな。
また、去年の同会場でのワンマンと比べても、ライブに来ていた人は格段に増えていたのが嬉しかった。曲中のコールとか開演前に聞こえてきた雑談とかからして、多分色んな界隈から集結したんだと思うけど、全員がアルカナの音楽を大切に思っているフロアだったなと思う。こういう人たちが少しずつでも増えていって、将来ARCANA PROJECTが大きなステージに立てるようになればいいなって思う。
毎回期待以上のものをワンマンで見せてくれるアルカナちゃん本当に信用しかない!全員1回は「今」見るべきグループだと思う。次回のワンマンも待ち遠しい!!
P.S あまりによすぎたんで、このライブそのまま引っ提げてツアーやりません?←
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