見出し画像

アルカナ創世記ツアー名古屋公演感想戦

9/18、ARCANA PROJECT東名ツアー「アルカナ創世記ツアー」の名古屋公演に行ってきました。

1stワンマン、東阪ツアーと素晴らしいライブを重ねてきたアルカナのワンマンにはもう心配なんて何もしてなかった。今度はどんな仕掛けでワクワクさせてくれるんだろうという期待しかなかった。
さて、そんな創世記ツアーは名古屋公演と東京公演で一続きの、ARCANA PROJECTのこれまでの軌跡を描いた物語形式となっている。今回はその前編。ストーリーを軸にセトリを構築し、世界観を創り上げていく様はまさに創世記で、この日の彼女たちはアイドルやアーティストというより、ストーリーテラーという肩書きの方がふさわしいように思えた。そのくらいにこのワンマンを細部まで作り込んでいた。そのライブの感想を書き連ねていく。

1.お城に招待されたお姫様

普段とは違う、おとぎ話風なSE、そしてメンバーのナレーションからこのライブの幕が開ける。
招待状が届き、お城にやってきた5人。彼女たちはアルカナのお姫様と呼ばれ、お城の中で自由気ままに歌っていた。

1.たゆたえ、七色
2.キミトナラ
3.カンパネラ響く空で

お城に招待された5人が名刺がわりに披露したのは代表曲であるたゆたえ、七色。アルカナ初見勢は1番知ってる曲が最初に来て多分びっくりしたと思うし、これからの展開に期待しか持てない幕開けだった。
そこからキミトナラ、カンパネラ響く空でと、まっすぐで明るい曲が続く。その姿はまさしくお城で自由に歌うお姫さま。今回のツアーで創り上げていく物語にグッと引き込まれる序盤の3曲だった。
今回、1番下手の最前で見ていたので、個人的アルカナのあおにゃんで1番可愛いと評判のカンパネラの決めポーズが目の前だったの最高だった。あと、キミトナラはハナちゃんが近かったんだけど、表情めっちゃコロコロ変わっててかわいい……
そしてこの3曲が終わった時点で感じた。「今日全員声がノってるな」コンディションが最高なのか、地の歌唱力がさらに上がったのかはわからないけど、この日の5人の歌のパフォーマンスは個人的には過去一いいなと思った。この人たちまだ歌唱力伸びるんか……(ドン引き)(褒めてる)

(めっちゃ神々しいのにLOVEってこと!なのじわる)

2.歌う中で芽生えた葛藤

お城の中で自由に歌うのを楽しんでいたアルカナの5人。しかし、このままでいいのだろうかという葛藤も同時に抱えていた。

4.Echochrome
5.TWO of WANDS
6.夢で世界を変えるなら

ここのパートはその葛藤を表すかのような不思議な雰囲気の曲が続いていた。新曲のEchochromeはまさに無限回廊に迷い込んだかのような世界観。振り付けも変わっていて瞬きすらできないくらい釘付けになった。

3.城を飛び出す


そして5人は決心した。城を飛び出してもっとたくさんの人に歌を届けにいく、君に会いにいく、と。

7. 快晴のエスタリスタ
8. とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか
9. Dawn of the Future
10.星影のファンタジア

夢せかの「会いたい人に会いに行こう」→エスタリスタの「君に会いにいくんだ」の流れが鮮やかすぎてこの日1番鳥肌立った。
快晴のエスタリスタ本当に大好き。希望に満ち溢れた歌詞に次々変わる曲展開、何より2人、3人、5人といろんな組み合わせで重なっていくユニゾンが聴いてて気持ちいい。あとサビの「希望と呼ぼう、呼ぶんだよ!」のうーちゃんが左手を胸の前でグッとしながら満面の笑顔で歌う姿が印象に残ってる。なんなら今思い出して泣きそうになってる。(※筆者はあおひか推しです)
続けてとめ潮。あたらしい世界に一歩踏み出す人の背中を押し出すこの曲はエスタリスタの次にピッタリだろう。アニサマを通して歌詞の説得力が増してさらに大好きになった。何人か落ちサビUO勢もいた。個人的には解釈不一致なんだけど(笑)、それでもアニサマ以降興味を持ってみにきてくれたのかなと思うと嬉しかった。
Dawn of the Futureはアルバムから漏れた中で1番大好きな曲(なんなら全体でも2番目)なのでイントロの瞬間からすでに半泣きだった。この曲も選んだ未来を信じて物語を描いていくという歌詞がつながりが感じられる。そして、2Bのところで先日のしおぴの配信がフラッシュバックした。前までは自分は歌が下手で、自分の歌声はアルカナにいらないと思っていた、とまで言っていたしおぴ(とそれに続くハナちゃん)の歌詞がリンクし過ぎてこの日1番涙が止まらなかった。より思い入れの深い曲になってしまった。
そこからの星影!はい!やっぱりDawnと星影は運命共同体です!!!ライブで披露するたびにハモリが洗練されており、この日も最高を更新する星影のファンタジアだった。この日はAメロであおにゃんが涙で声が詰まってしまう。その様子をあらあらって感じで受け止めるメンバーの絆いいなって思った。

11.革命的レイメイ
12.迷わないConquest
13.ヒトリガタリ

MCを挟んでライブは後半戦へ、かっこいい曲の連続で心が躍った。
革命的レイメイの間奏でうーちゃんの煽りなしでもみんな手が上がったり、迷わないConquestの手拍子がバッチリ合うのはワンマンだからこそでいいですよね👏

4.飛び出た先で知った絶望


しかし、飛び出た先で見えたのは希望ではなかった。先が見えず、これでよかったのだろうかと思い始めた。そして、どんなに思いが強くても届かないものがあることを知った……

14.天運ヘキサグラム
15.Ace Of Pentacles
16.Ophelia
17.慟哭のトルメンタ

このライブ最後のナレーションが終わると、天運ヘキサグラムを皮切りに段々とダークな世界観が深まっていく。(ナレーションでフェイント仕掛けられて、みんな慟哭のトルメンタの赤から慌てて切り替えてたの面白かった)
Ace OF Pentaclesのうーちゃんはこの日もバッチリ決まってた。
Ophelia後のMCにて、一人一人が今の思いを語るパートでは、思わず感極まるメンバーも。それぞれが今までのことを振り返り、今後への決意を話してくれた。思えば今までこういう機会がなかったし、アルバム発売やアニサマ出演というひとつ節目を迎えたこのタイミングでそれぞれの気持ちを聞けてよかった。
そして、本編ラストの曲である慟哭のトルメンタ。アルカナの音楽が光となるように、そんな思いのこもった絶望を示すもう一つの希望の歌は圧巻だった。もう歌がうまいとかそんな次元で語るものではない。ARCANA PROJECTの音楽にかける魂の熱さをぶつけられたような、そんな感じだった。

5.物語は続いてく


ここからはアンコール。

En1 きっと、その未来にたどり着くから
En2 the Sunlight

きっと、その未来にたどり着くからはすっかりアンコールに似合う曲になったなと思う。
アンコールMCでは今後の抱負が語られた。その中であおにゃんからはZepp、武道館、東京ドームともっと大きなステージに立つこと、うーちゃんからはこの5人でアニソンを歌い続けることが挙げられた。どちらもその先にあるのは「もっとたくさんの人にARCANA PROJECTの歌を届けること」。1stワンマンの時から変わらない思いが再確認できて改めてアルカナをこれからも応援したいなとおもった。
そしてこの日最後の曲 「the Sunlight」はピアノ基調の超正統派バラードソング。「夢に届くまで掴むまで諦めたくないから」「どんな時も僕らの音紡いでいこう」「信じた光を今追いかけて僕らだけの軌跡を描く」5人のこれからへの思いを代弁するかのような熱い歌詞に、真白先生仕込みの美しいハモリが合わさって号泣必至な曲。特に大サビからが本当に良い。曲聴きながらも泣いたが、終わってからの挨拶でお辞儀した時にあおにゃんの涙が床に落ちたのが見えてこれまた泣いた。

体感10分だったのでにわかには信じがたいが、終わってみれば今までで最多の19曲を歌い上げる、笑顔あり涙ありの最高のライブだった。


考察と感想

今回のライブがこれまでのARCANA PROJECTの軌跡を物語にしたものということを踏まえると、名古屋公演はグループ結成〜有観客イベント解禁前までの軌跡なのかなって思った。〜夢せかまでが結成前、城を飛び出したエスタリスタ以降がたくさんの人に歌を届けることを決めたグループ結成後、そして天運以降の絶望のところが有観客イベントの自粛を余儀なくされ、直接歌を届けられなくなった時期、こんな解釈。エスタリスタとトルメンタでグループ結成後のストーリーで最初の曲と最後の曲になってて、しっかり希望と絶望の対比になってるなーとか感心した。
あと。名古屋の物語自体は本編で終わったと思っていて、アンコール2曲はそんな絶望の中で5人が抱えていた気持ちなのかなって思った。スーパー戦隊の最終回予告みたいな、絶望的状況だけど俺たちは絶対に諦めない、的なのを示す感じ(例えよ)。

物語に自分達の楽曲を当てはめることで世界観を構築する、というのは7月のアルカナ歌劇で初めて取り組んだことだが、今回はそれをワンマンライブに落とし込んできた。あるパートでは歌詞で物語の展開を作り、あるパートでは曲調で物語の雰囲気を形成してと、かなり挑戦的で難しそうに見えることを見事にこなして満足感しかないライブを作り上げた。こんなライブができたのは、メンバー5人の楽曲への解像度の高さと、徹底的な表現への執着に尽きるだろう。ARCANA PROJECTって本当にすごいライブをするんですよ。

この名古屋で紡がれた物語は後編の東京公演へと続いていく。ARCANA PROJECTに少しでも興味がある人にはぜひ見に行ってほしい。いまこの規模のツアーだからこそ魅せられるライブがあるし、今の5人は間違いなく最高のライブを、最高の物語を見せてくれるので。
チケットは↓から

アルカナちゃんまずは名古屋公演お疲れ様!
東京公演も楽しみにしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?