-新装版-外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント 山口周

第1章 プロジェクトは始まる前にすべてが決まる


①人選、並びに関係者の事前期待値を調整しておく
→プロジェクトを成功させるためには優秀な人材が不可欠であり、その人材の見極めと調整が必要。
 また、関係者と事前に見通しを説明することで、事前に成功の期待値を測ってもらうことも必要である。

②明確な目的・目標を持つ
→その中で「合理的計算型」、「ビジョン型」、「ランダム試行型」の3パターンがあり、
 この3パターンを組み合わせることが必要。
合理的計算型…合理的な思考をベースに具体的な数字で表現することができる
ビジョン型…大きなビジョンを標榜する
ランダム試行型…不確定要素を組み込んだ形式

③些末な問題の決定はリーダー自身で行う必要が無いよう、決定権をメンバーに委譲する
→そのためには、チーム内で判断基準や優先順位を明確化させていくことが必要である

④排除できるリスクは予め排除しておく

⑤リソース(金、時間、人)を確保する
→70%くらいの稼働率で回る程度。余力を残す。

⑥プロジェクトメンバーの力量をはかる
 ・その人に直接聞いてみる
  →回答そのものより、答え方や考え方を読み取ることの方が大切である。
 ・期待点・懸念点について把握しておく

⑦返報性を活用する(貸し借りを活用する)
返報性 = 相手に何か借りを作るとお返しをしなくてはいけないと感じる人間の性向

第2章 プロジェクト序盤に注意すべきこと


①ことあるごとに「目的」に立ち返らせる
→質問を通じて、「自分で答えに至る」感覚を覚えさせる必要がある

②何を言っても許されることを保証する
→チーム憲章を策定するとが望ましい

③チーム内の情報流通量を増やす
→プロジェクトの成功には、
 個々の能力の高さよりもチーム内の情報流通量の方が必要である

④横同士のコミュニケーションを取らせる
→横連携をすることで、リーダーの判断を仰がずとも
 現場で決定できるようなケースが増える。
 つまり、チームメンバーの自立性が高まる

⑤プロジェクトオーナー(キーアクター)と個別で会わない(話合わない)
→キーアクター同士で意見の矛盾や食い違いが発生しうるので、
   個別にヒアリングせず組織としての決定をしてもらう

第3章 プロジェクトをうまく着陸させる


①時間リソースの適切な配分に留意する
→1週間程度といったある程度固まった単位でのリソース活用を把握し、
 必要があればアドバイスをする
 →1日単位といった細かい単位だとマイクロマネージになってしまう

②聞く
→メンバーは小さな懸念点等がある場合、
 エスカレーションするのを忌避する傾向がある
 →リーダーの方から積極的に心配事が無いか聞く必要がある
  ・これはメンバーと2人きりの時など、タイミングを見て行うこと
   (1人の心配が他人の不利益になってしまうことがあるから)

③プロジェクト初期の仮説に固執しない
→真に強いPMは事実に屈せず、常に現実を直視する。
 →つまり、元の仮説が違っていた場合は、
       その事実を素直に受け止めて方針転換する事が大切
 
④意味合いを常に明確にする
→仕事のモチベーションを維持するために、
 いまやっている、その仕事の意義を感じてもらうことが必要

第4章 計画を成功に導くリーダーシップ


①「慕われるリーダー」と「恐れられるリーダー」
→この二律背反すると思われるリーダー像は、両立することができる

②「脳」をコントロールする
→人間は理性的な判断を下す際に、
   大脳新皮質という場所を介して判断をしている
 →対して反射的な反応の際にはこの個所を迂回して行動をする
  →迂回して判断してしまう前に、
           自分のことを客観視してみることが大切
(自分は今、大脳新皮質を迂回して判断している≒突発的な判断や感情に支配されていると自覚する)

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