ミシュランへの道 やきとりや人生13
いくつものトラブルを乗り越えてきた。お店の経営が順調にいっていたので、どこか?2号店を出そうと考えていた。そしてこの話に乗ってきたのが、生活保護の保証人になっている、おばさんの息子だった。
自分より年下のいとこだった。昔は家を行き来して遊んだりして楽しい経験がある。ホス狂になるくらいのおばさんの素質を持つ体質なので、いとこもおばさん遺伝子を持っていた!?
いとこが考えたのは、焼き鳥と高級ワインを組み合わせたお店というコンセプトだった。
それも銀座!?銀座はバーやクラブ、料亭が数多くあり、銀座に通う客層も一般人とは違い、富裕層狙いの計算しての出店計画だった。
詳しい場所は知らないが、銀座の奥まったとこに出店した。隠れ家的焼き鳥とワインを楽しめるお店で、開業当初のコンセプトそのものだった。いとこは〇〇○銀座店として、華々しく開業した。
その後Oさんは、銀座店の経営が気になり、いとこに会うとめんどくさい感じで、まともに話すと話をはぐらかすのだ。
経営は、いとこがやっているから問題はないのだが〇〇〇銀座店という名前を使っているし、常連客の「Oさんがオーナーだから安心?」新宿店と同じなんだろう?と当たり前だがそういう認識だった。
しかし!!新宿店と銀座店は焼き鳥のメニューから、地酒も違っていた。〇〇〇本店の地酒からワインになっていた。
Oさんは口癖のように
「焼き鳥に合うのは、日本酒しかない」と
口酸っぱく言っていたのにも関わらず、勝手にお店のコンセプトを変えてワインに変更するなど、数々の名物メニューを変えていた。
お客さん的には、新宿店のような雰囲気と焼き鳥を期待しているので、本店と内容が違うというのは、大問題だった。銀座店のいとこに、この件を話すと
「キレたような感じで嫌になる」
と言っていた。
まあ「自分の経営方針は正しい?」と言いたいのだろうが、いとこの経営センスは素人の発想だった。
常連客の話によると、本家を名乗っている!?という噂もあって聞き捨てならなかった。これが他人なら、手を切ればいいだけだが、相手はいとこ…という面倒くさい立場なのだ。
だからOさんは、強く言えなかった。これがその後の〇さんの地獄への入り口となった。
つづく