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【2025年クラシック候補診断File⑥】カムニャック

少し更新をさぼっていましたが、来年のクラシックレースに向けての2歳馬診断の第6弾。
今回は今週末のアルテミスSに出走予定の大物牝馬・カムニャックを取り上げてみたいと思います。
この馬・・・すごいですよ。

【基本データ】
8月11日(日)
中京5R メイクデビュー
芝2000m 9頭 良馬場

勝ち馬 カムニャック
父 ブラックタイド
母 ダンスアミーガ(母父 サクラバクシンオー)
騎手 川田将雅
厩舎 友道康夫(栗東)
生産 社台ファーム
馬主 金子真人HD

目次

  1. 血統

  2. 厩舎力

  3. タイムレベル

  4. メンバーレベル

  5. 将来性

  6. 馬券の狙い目


血統

2023年セレクトセールで7700万円で取引。
4代母は名牝ダンシングキイ。
3代母のダンスパートナーはオークス・エリザベス女王杯勝ち馬で全妹ダンスインザムードは桜花賞馬と牝馬に大物が出る一族。
2代母のダンスオールナイトは1600~2000mで5勝。
母のダンスアミーガ(父サクラバクシンオー)は1400~1600mで4勝。

半兄キープカルム(父ロードカナロア)はマイル中心に4勝とコンスタントに活躍しているが、同馬はブラックタイド×サクラバクシンオーの配合でキタサンブラック、フェーングロッテンなど活躍馬が多数出ている黄金ニックス。
この黄金ニックスから出た牝馬で、母系からスピードも遺伝しているなら1600~2400mのクラシックで活躍できること間違いなし。

評価:8点 ★★★★★★★★☆☆

厩舎力


幾多の名馬を管理してきた『西の長距離王国』友道厩舎。
牝馬でも三冠すべて2着でヴィクトリアマイル勝ちのヴィルシーナ、秋華賞勝ちのヴィブロスなどがいて、決して牡馬だけの厩舎ではない。
クラシックに合わせたローテ選択、外厩から厩舎に早めに戻して調整する力は天下一品!
厩舎力は文句なしの10点満点。

評価:10点 ★★★★★★★★★★

タイムレベル


勝ちタイム 2:04.2(良馬場)
前半4F 50.9
上り4F 47.1(後傾ラップ)
上り3F 34.0
ラップタイム
12.9 - 11.7 - 13.3 - 13.0 - 13.2 - 13.0 - 13.1 - 12.2 - 10.9 - 10.9

前半スローペースだったため勝ちタイムだけを見ると平凡に見えるが、ラップ研究家の私は『超一流馬』と断定する。

レース上り3F34.0は平凡に映るが、ラップギアで表記すると▼9▼13±0とギアチェンジが必要な超瞬発戦であり、これを2歳牝馬がノーステッキで刻んだことには恐怖すら感じる。

そして直線坂のある中京で上り2F10.9 - 10.9(21秒8)と10秒台を連発。

この凄さは同厩舎、同馬主で同じ中京芝2000mの新馬戦を勝ったダービー馬・ワグネリアンと比較すると良くわかる。

【ワグネリアン 新馬戦】
勝ちタイム 2:04.4(良馬場)
上り3F 33.1
上り2F 21.9
ラップタイム
13.6 - 12.4 - 14.2 - 13.5 - 13.3 - 12.2 - 12.4 - 11.2 - 10.9 - 11.0

ワグネリアンの新馬戦より全体タイムは0.2秒速く、レース上り2Fは0.1秒速く、2Fとも10秒台を出す牝馬』

これを評価できないラップ研究家はいないと思う。

評価:10点 ★★★★★★★★★★

メンバーレベル


3馬身半差の2着同着の2頭はまだ勝ち上がっておらずメンバーレベルはそこまで高くはないように思えるが、5着馬が次走勝ち上がって紫菊賞で3着したのでそこそこのレベルはあったと思う。

評価:7点 ★★★★★★★☆☆☆

将来性


新馬戦で後方からレースを進めたが、ゲートの出は良かった。
先行しようと思えば位置も取れそうだし、スローで折り合えたように気性は問題ない。
2000mでデビューしたこと、そして厩舎の育成方針からも2400mのオークスは射程圏内。
母がマイル付近で走っていたのでマイルで対応できれば、来年の牝馬三冠に最も近いのはこの馬だろう。

評価:10点 ★★★★★★★★★★

馬券の狙い目


次走のアルテミスSがまず最初の鬼門。
『初輸送』『2000mから1600mへの距離短縮』
この2つの問題をクリアして、好メンバーのアルテミスSで好走すれば、この馬の将来は明るいだろう。

私の見解では『差して勝ってきたブラックタイド産駒牝馬の距離短縮』というのは馬券的には狙いにくい。
そして、アルテミスSには1600mがギリギリっぽいスピード馬が何頭か出てきそうなので、ペースが速く流れることが予想され、カムニャックがペースに戸惑うことは誰でも想像できる。

アルテミスS2着 ⇒ 阪神JFで勝利

というリバティアイランドのパターンが嬉しいが・・・

今回、前半の追走スピードに力を分散させて末脚が斬れるかどうかが鍵だが、色んなマイナス面を考慮しても、それを補って余りあるスケールの大きさをカムニャックから感じる。

注目ポイント


私の勝手な注目ポイントとして、この馬は2024年6月1日に開場した『社台ファーム鈴鹿トレーニングセンター』を外厩として使用している点を挙げたい。

今年の社台系生産の2歳馬がその一期生にあたるので、カムニャックが活躍すればその宣伝効果は絶大だろう。
社台としては久々の大物牝馬候補であり、超・お得意様の金子真人HD、GⅠ請負の友道厩舎と力が入る条件は揃っている。

とりあえず、今週のアルテミスSの結果には注目したい。


サポートしてもらうようなこと何も書いてませんw