Cryptic Memories stats talk - 02
シャードナイトについて語ろう
記事を書くのに手間取っていたら次のシリーズ(BuriedMemories)のルールも出てきてだいぶ色々変わって驚いていますが、その話は振り返りを終わらせてから改めてということにして、2回目は少々看板に偽りありな感じで話をしていこうと思います。
今回はCryptic Memoriesで初採用となった新形式のイベント:シャードナイトについて話して行くのですが、実のところこのイベントはスコアだけ見ても話をできることがほとんどありません。
ルール
Cryptic Memoriesでのシャードナイトは、以下のルールで行われました:
金曜日に開催
開催1週前に開催地の中心点にオーナメント点灯
欧州 / アジア / 米州の3回開催 各回で13都市が対象
中心点から半径1km以上3km以内がシャード発生ゾーン
イベント開始24時間前に、シャード発生地点にオーナメント点灯
シャードは19:00 (3個) / 19:15 (4個) / 19:30 (6個) の3回に分けて発生
オーナメントの色でいつ発生するかも明示される
シャードは発生15分後に1回だけジャンプする
4Lv以上のポータル同士のリンクに沿って飛ぶ
該当リンクが複数あるときは、いずれかがランダムに選ばれる
ジャンプ距離が250m以上なら成功、飛ばした陣営のスコアになる
各都市で両陣営にはジャンプ成功数の比で10点が分配される
ざっくり観戦記+α
スコアを見てもしょうがないので、これはもう実際の盤面の話をするしかありません。
と言っても(複数都市同時に見ながらだったりしたので)手元にあんまりスクリーンショットの類いも残っていないので色々と苦しいのですが。
01 ヨーロッパは開催は、ちゃんとゲームやっているなと感じられるのは開催都市の半分ぐらいで、残りはシャードは発生したけど特にケアされないまま放置されて、その場にあったリンクでたまたま250m以上飛んで成功、みたいな事例もいくつか見られました。
ただその一方でイスタンブールでは南南東のプリンスィズ諸島まで20kmほどの海上ロングジャンプで各フェーズ1個ずつ飛ばしていたり、(確か)全域ノヴァを使った完封シフトでE11-0Rのスコアを出したブカレストのような例もありました。
02 アジアでの開催については、自分も高知に行って参加してきた関係で各都市の盤面はちっとも見れていません。
ただ高知での戦いの話をしておくと、RESはゾーン南方の山頂中心ノヴァ→(直上を取りにくい)高知市野球場を基点のノヴァといった流れで事前のゾーン内の空間制圧にはかなりコストをかけてきたのですが、19時になっていざシャードを飛ばす本戦が始まってみればRESが圧力をかけてきたのはシャード発生したうちの西半面だけ。流石にそちらはRES主導で進んだのですが、残る半面はENLがイージーにジャンプを成功させることができる状況となり結局E6-3RというスコアでENLの勝利となりました。日本国内は他に富山と津でも開催されたのですが、そちらも似たりよったりな展開だったというような話を伝え聞いています。
あと盤面はちっとも見れてないのですがボゴールは39都市もあったシャードナイトの中で唯一のE1-0Rという結果、たった1個の成功でアノマリースコア10点獲得というのは強烈な効率よさにシビレる結果となりました。これはある意味完璧な、今回のルールで真に狙いたいスコアだったんじゃないかと思います。
数少ないスクリーンショットの中で面白かったのはメキシコはスンパンゴのシャード配置でしょうか。
ご覧の通りの一直線で、今回のシャードナイト全般的に「大きな通りに連続してシャード配置を並べる」という傾向が出ていたように思うんですが、それでも各都市2〜3箇所ずつぐらいのクラスターを形成させているところ、ここは完全に一直線に13個のシャードポータルが並びました。この通りを離れると特に南側はぜんぜんポータルのない地帯で、そういう状況を利用してか南に数kmに飛ばしての成功なんていうのもあって、意外にちゃんとゲームになっていたように感じます。
もうひとつ観戦図で話しておきたいのはノヴァ(スターバースト)型のリンクの使い方について。
手元に残ってるのが(いちおう非公式ツールの)IITCでしかも航空写真表示で撮ったやつしかなかったのでなんぞお叱りを受けるやつかもしれませんが、とお断りをした上で。
右上(北東)のノヴァ中心は「ゾーンから離れてて使いやすい」という理由で選ばれたポータルではないかと思います。そこに各シャード発生ポータルからリンクをつないでいく形ですね。この形は強いです。
ただこれが強いのはあくまでもゾーン内でシャードポータルをキープできたら、という話です。単にゾーン外からゾーンを貫くような放射状リンクができたからって必勝というようなゲームではない、とも思っています。
どういうゲームなの?
ということでここからは理屈の話をしていきましょう。
シャードナイトは、一見すると「アノマリーでのシャード戦(フラッシュシャード)の超短縮版のゲーム」のように思えるルールです。実際、各地ではフラッシュシャードでよく見られる戦型(ノヴァ、CFによる移動阻止、超遠方へのリンク、など)が使用されておりました。
しかしルールレベルでよくよく考えて直してみると、フラッシュシャードとは近いようで遠い関係が見えてきます。
どういうゲームなのかを理解するために、類似点と相違点のことを考えてみましょう。
わかりやすい類似点はシャードを扱うゲームであるということですね。それから、ジャンプ条件もまあシャード戦そのままです。しかし似ているのはそこまでで、それ以外の部分は似ているようでさっぱり似ていないのではなかろうか、と思います。
相違点の話をしていきましょう。
まず事前にわかる情報の範囲が違います。フラッシュシャードでは事前にわかっていることはほとんどありません。(各種報酬としての事前情報を除けば)シャードの発生位置もターゲットの発生位置も「ゾーン内」としか予測がつかず、現実的には絞り込み不能というのがフラッシュシャードの設定です。
対してシャードナイトでは、開催地が判明する1週前の時点でこそ似た状況(ゾーンだけがわかる)ですが、24時間前になると一気に情報が増えます。いつ、どこにシャードが発生するかが24時間前の点灯で全部わかるのです。
これはフラッシュシャードよりグローバルシャードに近い特性です。
いつ、どこから飛ばしたいのかは、24時間前には完全に把握できます。わかっていない / 決まっていないのは飛ばす先だけです。
ただシャードナイトでは、飛ばす先は250m以上先であればどこでもいいので、その点はグローバルシャードとは大きく違います。
ゴールが遠く、できるだけゴールに近づけたいグローバルシャードでは、遥か遠くのポータルを飛ばし先にしたくなります。そこでジャンプ時刻に向けて経路のクリアリングを進めると、そのうち敵にも意図が露見し、どう妨害をくぐり抜けるかという戦いに発展したりします。
しかしシャードナイトはそんな複雑な様相には至りません。ほんとうにシンプルに、ただ250m以上先に飛ばせばいいだけなのです。
話が少しずれました。
シャードナイトとフラッシュシャードの比較に話を戻しましょう。
フラッシュシャードでは事前には情報が乏しいため「アノマリー開催告知のあった数ヶ月前から全体のポータルキーを準備しておく」という確実性に欠ける準備しかできません。有効性は極めて低く、仮にゾーン内の数百個のポータルのキーをすべて用意したとしても「当たり」は高々数十個ですし、自分の位置取り次第で使い物にならないキーもあるので、「使える当たり」は数個ぐらいになってしまうことでしょう。
対してシャードナイトでは、24時間前には情報が開示されます。準備に使える時間自体はアノマリーに比べて短く、しかも平日なのですが、準備したときの有効度には大きな差があります。なにしろ24時間前からは確実にシャード発生ポータルの鍵を掘れるのです。
得点を得る方法もかなり特性が違います。
フラッシュシャードでは、ターゲット(ゴール)という特定の場所にシャードを動かす必要がありましたが、シャードナイトでは250m以上先ならどこに移動させても得点になる、というところの話です。
フラッシュシャードが「特定の2点間にリンクを結ぶ」なのに対し、シャードナイトでは「とにかく遠くに飛ばせさえすればいい」のです。
「飛ばしたら得点になるポータル」のことを考えれば違いがより明確になります。
フラッシュシャードでは、ターゲットは高々10個ほどしか出現しませんし、実際にリンクが届くポータルとなると2-3個ぐらいが限界となることも多いです。
対してシャードナイトでは、250m以上先ならどこでもいいわけです。言い換えれば250m以上先の全ポータルがターゲットだということです。
フラッシュシャードでは有効なターゲットは少数なため妨害リンクを入れるのも現実的です。しかしシャードナイトで妨害リンクを機能させるには250mの範囲内でCFで囲んでしまうしかありません。少しでも隙間があれば、そこから飛ばせるどこかに飛ばしてしまえばそれでいいのです。
これらを合わせて考えてみると、実のところシャードナイトのゲームとしての本質は、シャードというよりはポータル争奪戦の方にあるように思えてきます。ルール上の勝利条件こそ「250m以上シャードを移送する」ではありますが、実質的な勝利条件はジャンプタイムに対象ポータルを自色で安定して保持していることなのではないか、ということです。
もちろん自色で保持するだけでは0点なんですが、少なくともマイナス点は避けられます。しかもCrypticMemoriesのシャードナイトの得点形式では、ボゴールでの1-0のような結果もありえたわけで、眼の前のシャードポータルの得点を(マイナスを避け)0点に抑える価値は実は大きかったように思います。