Erased Memories Preview talk
明日、日本時間の日付的にはもう今日ですが、Ingressの大規模(戦闘)イベント : XMアノマリーの2024Q4シリーズ、Erased MemoriesのDay1が開催されます。
場所は台南とバレンシア…だったのですが、前者は台風、後者は豪雨による洪水に見舞われ、幸い前者は(交通便の乱れこそあるものの)開催はできそうですが、後者については多数の死者を出す災害となってしまい状況を鑑みて開催中止の判断に。
そんなわけで明日は台南1都市だけでの開催となりましたが、昨年あたりからあまりいじっていなかったXMアノマリーのルールが、2024年最後となるこのシリーズで大き目の変更が加えられました。
その変更内容の話をするにあたってまずは枕として直前に書いた前シリーズの振り返り記事を:
こちらの振り返り内でロッテルダムRESが先手を取り続けたという話をしれっと書いていますが、実は前シリーズまでのここしばらくのXMアノマリーには、バトルビーコン・シャードの発生にある規則が(ルールに書かれないまま)設定されていました。
そしてロッテルダムRESの先読みは(おそらく)この規則に気付いたことで行われ、続く函館・シアトルでもこの知識は各陣営内では密かに伝えられて活用されていたのではないかと思います。
変更点1 : クラスター規則の明示化
で、今回のErased Memoriesではこの発生規則がなんとルールに明記されました。しかも大変わかりやすく色分けされたオーナメントでの事前告知付き!
アノマリーゾーンはオレンジ・ピンク・紫の3クラスターに分けられて、「シャード発生」「ボラタイルBB発生」が各waveでこの3クラスタを順繰りに周回するのを2周、都合6waveで本戦は行われることとなりました。
前シリーズではなんか周回してそう、というぐらいは各陣営内がそれぞれ秘密として抱えていたんじゃないかと思われますが、今シリーズでは事前に具体的なクラスタまでもが明示されるようになりました。
この変化によって各陣営の動きがどのように変わっていくのか、というのはちょっと興味深いポイントになるんじゃないかと思います。
変更点2 : 最終得点の不明確化 - Covert Cache
もう1つの大きな変更点がCovert Cacheという新ルール。
アノマリーゾーン内でのポータルハックで得られる10種の「Covert Cacheエンベロープ」というゲーム内アイテムを閲覧するとパスコードが得られ、このパスコードを最初に引き換えたプレイヤーの陣営はCovert Cacheという追加得点を獲得する、というルールです。
Covert Cacheにはコモン / レア / ベリーレアの3段階のレアリティと、得点型「シーズンポイントドロップ」もしくは割合型「パーセンテージブースト」のどちらかの種別が設定されています。
コモンは (得点型)1点 もしくは (割合型)都市スコアの1%
レアは (得点型)2点 もしくは (割合型)都市スコアの2%
ベリーレアは (得点型)5点 もしくは (割合型)都市スコアの5%
ただしCovert Cacheを除く都市スコア合計が多い陣営は、Covert Cacheから得られる得点が半分になる、というとのこと。
1都市に与えられるCovert Cacheの最大値は得点型が最大20点、割合型が最大20% これを両陣営で取り合うことになります。
Covert Cacheの働き方予測
このルール、個人的にはあまりよくないルールだと思っています。
あまりに一方的なゲームで劣勢側が実質ゲームを放棄してCovert Cache集めに集中するようなケースに対しては対策されている(あまり効果が出ないようになっている)のですが、問題は僅差のゲームのときです。
秘匿化することで最後まで結果が見通せないようにするのを狙っているのだと思うのですが、基礎点が多い側のボーナスが半分になるというルールが露骨でこれによってほぼ確実に点差を縮めるように作用します。
最大20点/20%を分け合うので各陣営が綺麗に分け合ったとして10点/10%、かつ基礎点勝利側は効果が半分なので期待値としては「負けた側に5点/5%のボーナス」なのですが、最大10個、早いもの勝ちという設定により期待値通りの結果が出ることは少なく、どちらかにもう少し偏った結果が出ることでしょう。
両陣営が100点前後を取る僅差のゲームであれば5% + 5点で負けた側に10点ほどのゲインの可能性があり、ここにもう少しの偏りが味方すれば105-95で負けたはずのゲームに勝てる、ということが起こり得るということです。
これは正直「不愉快なランダム化」として働いてしまうのではないかと思います。
XMアノマリーの構成ゲームがBB戦 + シャード戦になったことで結果が高精度で予想できるようになったことに抵抗したいのでしょうが、それを覆い隠すための手段としてはちょっと雑すぎるのでは、と。
大差が見込めるゲームではCovert Cacheを無視して圧倒するという選択肢が採れる(大差がつけば割合点は効果がそのぶん弱まる)のですが、僅差になればCovert Cacheが無視し難くなってきます。しかしCovert Cacheに力をかければ基本点の奪い合いの方が疎かになる…と現場のジレンマは確かに増えるのですが、ジレンマが増えれば良いゲームになるとは限りません。しかもそのCovert Cacheにどれほどのボーナスが設定されているかも終わってみるまでわからないのです。
アノマリー時間中、Covert Cacheを求めて断続的にハックするというタスクが増え、仮に手に入っても大半は既にボーナスを手に入れられないハズレであることが見込まれます。
Covert Cacheルールはあまりに不透明を重ねすぎており、プレイヤーからすればまったくコントロールができる要素ではありません。
かと言って無視するには(最悪の場合に)敵に与えてしまうものが大きくなりすぎるかもしれないので、消極的な気持ちで対応をせざるを得ず、アノマリー時間中にはただただ不愉快が増え、最終結果では「勝ったせいで負けた」になるかもしれない、というのでは体験としての質はむしろ悪化してしまいかねないのではないでしょうか。
まあ蓋を開けてみたらこれが非常に面白かった、となることを祈りたいものですが、果たしてどうなることでしょうか。
他:(VR)BBスカーミッシュ
他にもスカーミッシュイベントがシャードだけではなくBBスカーミッシュなる新競技も増えたのですが、元々シャードスカーミッシュが「計測1回のBB戦」みたいなものだったので実はそんなに変わってないんじゃないの? というのが個人的感想。
と全体的には不安なルールなんですが、変化が良い刺激として作用してくれることを祈りたいと思います。