Abaddon Prime stats talk : day1
Abaddon PrimeのDay1、台湾は高雄での戦いが終わりました。
まずはDarsana Primeとのルール変化を大雑把にまとめましょう:
- ロングリンク戦がなくなって、シャード戦が復活
- 3分間隔で6回ジャンプするシャードシャトルを20分ごとに9ゲーム
- アーティファクト集め(AC)は、単にメディアを持っているだけで1種毎+1点、6種で構成されるセットが揃うと+10点に。全30種5セット。
- UPH戦は配点が65点に
戦前の予想
これらのルール変更がどのように影響するか、戦前にはこのように予想してました(と今更言ってもただの後出しなんですけども):
- シャード:最初しかゲームにならない。M2以降はグダグダ必至
- AC:メディア掘るのはいいけどセット揃える価値はない
- UPH:見かけの配点下がってるけど、重要度はUP
特にACは変更の影響が大きいです。Darsana PrimeでのACはセットを揃えないと得点にならなかったため、一方の陣営が無策で挑んでしまった都市では0-100やそれに類するスコアを連発していました。
しかしAbaddon PrimeでのACは単にメディアを持っているだけでも得点になるルールになりました。そもそもゲーム放棄でもしない限りはUPHをやっているだけでそれなりの点が取れるようになったということで、いかに無策で挑んでも25-75、現実的には40-60ぐらいのスコアになることが予想され、DPに比べて点差が開きにくいゲームになりました。
またロングリンク戦に代わりシャード戦の復活もまた点差が開きにくくなる変更です。
20分ごとにシャード/ノードがリセットされるシャードシャトルというルールですが、これ現実的に考えて1つのシャードが複数のノードに到達するとは考えにくいです。事実上のフラッシュシャードということです。
しかも反転アイテムによる自陣営リンクの削除は1時間ごとにしかできないので、20分ごとにノードをリセットされても困ります。まともにゲームになるのは開幕M1だけで、M2以降はただのグダグダに陥ること間違いなしです。
実際のスコア
raw score:
アノマリースコア:
1都市だけなのであまり言うことは多くないですが、実際のスコアの傾向をかいつまんで何点か説明していきましょう。
1. 人数は1090 vs 691 (ACスコアからの推定) およそ1.5倍
2. ポータル支配率はENLが80〜90%を維持
3. シャードはM1が一番動かせた 後は惰性
(ポータル支配率比に近いがたぶん偶然)
4. ACとUPHのスコアはほぼ比例 = セット得点は大勢に影響していない
まず人数比について。今回もACでかなり細かい桁数のスコアが出ているので、ここから逆算して両陣営の登録参加人数を割り出せます。結果は人数比およそ1.5倍でENLが多数というもの。これはもうどうにもならないぐらいの人数差です。
案の定CBとShardは無残と言えるほどの大差のスコアに。CBはM6でのRESの巻き返しで通算支配率よりはマシな差になっていますが、それでもおよそ8:2の比。同時に行われるShardはそれ以上に挽回しにくいゲームであるため、支配率がモロに響いておよそ9:1という結果でした。
Darsana Prime day1であればこの人数比はAC + UPHで打破することが可能だったかもしれませんが、Abaddon Primeはそうではありません。大きいのはメディアを持っているだけで点になる部分です。RESはACとUPHを共に勝利していますが、ACとUPHのraw score比をそれぞれ出してみると、AC=1.23倍、UPH=1.30倍という数字になります。すなわち、ACとUPHのスコアはほぼ比例した結果が出ている、ということです。セットを揃える部分でついた差は0.07倍ぶんにしか相当していません。
ということはつまり、Abaddon Primeというのは実質的には「ポータル支配率勝負」と「UPH勝負」という2つの競争しか行われていない構造である、ということです。とてもシンプルですね。
ゲームバランスと劣勢側の選択
Darsana Primeは大半の競技(LEP、AC、UPH)が総取りに近いぶっ壊れ競技であることでルール全体としてはバランスが取れているという面白い(変な)構造をしていました。アレはアレで攻略しがいのあるゲームだったと思います。
しかしAbaddon Primeはいろいろと整合性の怪しい変更が行われた結果、とてもバランスの悪いゲームになってしまっていると思います。キャプチャーとシャードを同時に行うことで結局は単純な支配率のゲームになってしまっている点。各ゲームを均衡しやすくしようとした結果、全体としての得点バランスがとても悪くなってしまっている点など、かなり面白みに欠けるルールです。
特に数的劣勢側には打つ手がほぼないゲーム、なのですが、しかし数的劣勢下での最善行動という観点で考えてみると、高雄RESの選択は理に適っています。負けてしまうことが前提であれば、3都市トータルでタイブレーカー勝負になったときを見越してできるだけ点差を縮めておくのが次善の策となります。となれば数に関係なく勝負できるAC + UPHに絞ってCB / SSを捨てる(人数の二乗則で期待できるCBのスコアは3:7ぐらいなので、それより現実が劣っている=RESはCBを概ね捨てていた、と推測しています)というのはあながち間違った選択ではないように思います。
Day2は始まっている
というこの記事を、本当はもう1日ぐらい前に出したかったのですが、実際はday2 アムステルダムの開始40分ぐらい前に慌てて書いています。もう事前の免疫戦とかポータル中立化とかが行われていて実質的にはゲームが始まっているころですね。
多くの方がこの記事を目にするのはday2終了後かと思いますが、day1の結果を受けた戦いがどのようなゲームになるのか、とても楽しみです。