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UNBOUND Gravel 2023 100mileを走ってきた
リザルト
UNBOUND Gravel
100マイル:7:44:31
順位 全体196/1409 男性167/1123 Age31/232
当日のコンディション
レース前日まで時差ボケと仕事の影響で、私のコンディションは最悪でした。試走でも他の参加者に遅れをとり、当日はほとんど走れないかもしれないと思っていました。しかし、セルフマッサージや食事内容、睡眠時間の調整がようやくうまく噛み合い、レース当日は身体が軽く感じました。
レース前の作戦
今回の目標は、パートナーの舞葉と一緒に楽しく上位入賞を目指すことでした。序盤の集団走行では、私が前で位置取りを頑張りました。後半は体力が減ってきたら、舞葉と交代しながら速度を落とさずに走ることを考えていました。
スタート前
レース開始の約40分前に会場に到着し、自分の目標タイムが7時間台のエリアに滞在しました。100マイルの日本人参加者も集まり、集合写真を撮りました。レース前の緊張感はなく、お祭りに参加しているかのような高揚感があり、テンションが上がっていました。
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スタート〜泥区間まで
スタートダッシュがあると聞いていましたが、ゆったりとしたペースから徐々にスピードが上がり、落ち着いていく感じでした。先頭に出たい選手はいましたが、私は舞葉とマナさんが後ろにいることを確認し、湯尻さんやまさひふさんが目視できる範囲で集団の流れに乗ることを選びました。
町中のアスファルトはそれほど悪くありませんが、時折2〜3センチ程度の穴があるので注意が必要でした。ただし、集団の密度は高くないため、ゆとりを持って回避することができました。
町を出てバイパスのような道に入ったところで右折し、グラベル区間が始まりました。グラベルは細かな凸凹はありますが、タイヤで十分に振動を吸収できる程度で、シッティングのままで快適に進むことができました。速度もバイパスでは約40km/hで巡航していましたが、グラベルでは約35km/h程度に落ち着き、比較的高速に進みました
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足をつかずに、先頭集団が見える範囲まで追いつけるように頑張りました。舞葉とマナさんは私に従って集団の中を通り抜けていきました。
泥区間
約18km地点で、少し大きな丘を下った直後に突然現れる泥区間は、事前の情報よりも難しかった
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私はシクロクロスの経験があるので、大丈夫だろうと思って臨みましたが、予想以上の難しさでした。もちろん、シクロクロスの経験は役立ちましたので、来年UNBOUNDに参加する人がいる場合は以下の点を意識すると良いと思います。
・タイヤにまとわりつく泥のラインを外す。
・タイヤに泥が付く前に、バイクを担いで走り、汚さないようにする。
・担いでいる最中に前輪を逆回転させ、泥を可能な限り落とす。
・乗れるところを見極めて、速度を上げてタイヤの上の土を飛ばす。
・長い水たまりは泥を洗い落とすチャンス。積極的に乗車して泥を洗い流す。
これらの技を駆使しましたが、やはり泥はたまって自転車が乗れなくなりました。そのような場合には、魔法の棒が役に立ちます。
他の参加者も書いていましたが、泥を取り除くために細くて丈夫なヘラ状の棒が便利です。カンザスの泥は日本の泥とは異なり、粘着性が強く、乾くと重くて固い泥のかたまりになります。
弱い棒だと、その硬さに負けて折れてしまう可能性があります。私と舞葉は事前に情報を得て、日本の100均で売っているシリコンヘラを持参し、背中に忍ばせました。
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Stravaのデータを見る限り、泥区間は約5kmで、その区間で約50分を使いました。
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全参加者が乗車できない状況で、泥のハイキングイベントのようになっていました。私は担ぎながら補給食を摂ったり、携帯をいじったりしながら、楽しくも黙々と泥区間を進んでいきました。
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泥区間終わり22km地点〜給水スポット66km地点
泥区間が終わると、ここからはひたすら登りと下りのアップダウンが続きます。Stravaのデータを見ると、200mの登りが2箇所、100mの登りが1箇所あるようですが、細かいアップダウンが連続するため、正直なところよく分かりません。東京西側の方にはイメージしやすいかもしれませんが、尾根幹が地平線まで続いているイメージを持っていただけると良いでしょう。
スムーズに進みたいところですが、泥まみれのバイクは想像以上に自分を苦しめます。フレームについた泥は重さを増し、細かなアップダウンでエネルギーロスを招き、ドライブトレインのオイルも切れてしまい、快適にペダリングできません。
レース中に数回泥を払い落とし、チェーンオイルも2回ほど塗り直しました。(塗り終わったあと、サドルバックへ上手く仕舞えておらず、カンザスの地にきえていった)
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途中、川があり、バイクを洗いたくなる衝動に駆られましたが、舞葉からNGが出たので写真を撮るだけにとどめました。
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その後、舞葉と一緒にスムーズに進み、給水スポットに到着しました。
ボトルに水を2本入れてもらい、VAAMを溶かしました。この時、シクロワイヤードの綾野編集長とお会いし、舞葉と一緒に写真を撮影しました。楽しむ心を忘れずにいることを大切にしました。
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給水スポット66km〜チェックポイント105kmまで
給水スポットがほぼ最高標高に位置しています。
そこから82km地点のThe Judgeまではほぼ下りの区間で、綾野さんも私たちと一緒にのんびりと下っていきました。
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アメリカのグラベルコースは日本のものとは異なり、大きな石は少なく、細かな砂で形成されたラインが整っています。
直線では舗装路の下りに近い感覚を味わえました。ただし、コーナーは砂で滑りやすいので、慎重に下る必要がありました。
今回使用したIRC BOKEN DOUBLECROSSのタイヤは、しっかりと路面を捉え、大きな石があってもしっかりとグリップしてくれるため、危険な状況はまったくありませんでした。
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The Judgeに入ると、なぜか舞葉がペースアップし始め、それが今回唯一の諍いのポイントでした。本人によれば、私が後ろからプレッシャーをかけたとのことですが、私は舞葉に追いつくために頑張った記憶しかありません。パワーデータを見ると、1分間で310W出していたようなので、反省すべき点ですね。
ちなみにThe Judgeは斜度が7%で、1km未満の小さな丘です。思ったよりも短かったです。
※綾野さんは舞葉のペースアップの餌食にあい、ここで離れ離れに
The Judgeを超えると、引き続き小さなアップダウンが続きます。
舞葉は苦しそうで、ところどころでペースが乱れそうになる場面もありました。アップダウンの区間では下りで踏んで惰性で登っていくのが楽なのですが、踏む力がなくなって遅れていくという状態でした。
私が待つと私自身もペースが落ちてしまうため、協力関係をうまく築けず、お互いに疲弊してしまいました。
補給所(クルーforハイアー)
やっとの思いで補給所に到着しました。事前に申し込んでいたクルーforハイアーを利用するため、ブースに駆け込みました。
ブースではボランティアの方が自転車を支えてくれるだけでなく、何が必要かを聞いてくれて、要望に応じて全てを持ってきてくれます。水が欲しいと伝えれば、水にGUの粉末を溶かして入れてくれます。冷たいコーラも飲み放題で、ジェルも自由に取れ、バナナも食べ放題です。価格は高いですが(45ドル)、本当に至れり尽くせりのサービスでした。
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その場でバナナ2本とコーラ2缶を飲み干し、ボトルに水+GU粉末、GUのジェル4本を確保して舞葉と走り出しました
チェックポイント105km〜ゴール160kmまで
補給を取り、舞葉も元気を取り戻したので、ここからは力強く踏み込んでいきました。路面がきれいなので積極的にエアロポジションをとり、他の参加者を抜いていくことができました。
気づくと後ろには5人くらいの知らない人がついてくるようになりましたが、それにはあまり気にせずに突き進んでいきました。
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そんな風にしてアップダウンは序盤に比べてだいぶ減り、ほぼ平坦な区間になっていきました。畑や電車、高速道路が見えてきて、町中に近づいていく雰囲気を感じました。
最後はエンポリア大学前の急坂を越え、大学構内を抜けると、EXPOが行われているメイン通りに入りました。
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舞葉と事前に相談し、ゴールの瞬間は手を繋いで通過しました。
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ゴール後はバイクゼッケンにビール無料券がついているので日本人メンバーで乾杯
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ちなみに会場内は飲み歩きできるけど、会場外はNGです
その場で飲み干せって笑いながら警官にいわれます
感想
これまで参加したサイクリングイベントの中で最高の体験でした。コースやイベント自体の雰囲気、参加者やボランティアの方々もすべて素晴らしかったです。リザルトを狙って参加するのも良いですし、私たちのように二人でサイクリングしながら上位を目指すのも楽しいです。楽しみ方は自由で、多くの方法で楽しむことができるイベントだと思います。
参加には費用や時間がかかるイベントですが、多くの人に参加してもらいたいし、おすすめできるイベントだと思います。