5/5の矢花くんへ
確かに「知る」っていう行為って凄いですよねぇ。言語をはじめいつの間にか知ってることってたくさんあるし、それを教わった時の記憶ってあまりない。文房具とか家電とかも今までに見たことないものでも、自分のデータベースに記憶されてる見たことあるものとの共通点を探してなんとなく使えるし。他の動物がどうかはよく知らないですが、そうやって「知る」を繰り返して学習していく"人間"ってすごいな〜って思いました。
話は変わるんですけど、サンタさんの正体っていつ知りました?私は割と大きくなるまで信じていたんですが、ちょっと小学五年生の時の話をしようと思います。当時の私はサンタさんの存在を信じていて、毎年クリスマスイブの朝にプレゼントも貰っていました。それが私にとっての当たり前だったわけです。で、小学五年生のある日、学校で友達とサンタさんの話題になって。「サンタさんはいるよ!毎年プレゼントくれるし」的な感じで純粋な子供をやってたわけなんですけど、友達はサンタさんはいないと言うんですよ。その理由が「今まで一回ももらったことない」だった。それを聞いて11歳の私は衝撃を受けて何も言い返せなかったんです。そこで知るわけです。サンタさんからのプレゼントを貰えない子どもも世の中には存在すると。サンタさんはいるという夢を見させてくれた両親には心底感謝ですが、それはさておいて。この日のことは私の中で、家庭の事情の違いを体感した結構大きめのイベントでした。自分以外の世界を知った、というか。その友達が自分とは違う経験や当たり前を積み重ねてきたことをサンタさんの話題で強く感じました。自分が見てきた世界が全てじゃないんだなー、自分とは全く違う生き方をしている人が身近にたくさんいるんだな、もっと言えば周りの人達皆自分とは違う経験をしてるんだよな、なんて色々考えましたね。でもそう考えたら、相手のことを知るってすごく難しいことであると同時にすごく重要なことだなぁなんて。相手のことを知って、自分のことも知ってもらって、仲良くなる。その為にたくさん話をする。だから人と話すのは楽しいですよね。自分じゃ知らなかったことを知ることができるから。自分じゃ思いつかなかった見方で世界を教えてくれるから。自分が持ってるのとは違う望遠鏡を貸してくれるんですよね、そしてそれで世界をほんのちょっと覗かせてくれる。で、自分の持ってる望遠鏡にあれこれ細工して工夫してまた新しい望遠鏡になる。そうやって世界を広げていくのも当たり前にやっていることではあるけど、それを意識するだけで人生数倍は面白くなるなと思いました。やってみよ〜